奈良散策 第74弾
5月1日の朝の散歩のときに撮った写真の続きです。
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前回、この花はノイバラかもしれないが、ノバラは種類が多いので、今度、調べてみたいと思いますと書きました。それで、今朝、少し雨が残っていたのですが、採取しに行きました。
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山渓の「樹に咲く花 離弁花1」を見て、少し調べてみました。まず、この写真は托葉です。図鑑によると、ノイバラの項には「托葉は葉柄に合着し、ふちはクシの歯状に深く切れ込み、先端は腺になる」とのことです。先端が腺というのはよく分かりませんが、そのほかの特徴はよくあっています。
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次は花柱の写真です。採取してしばらく経っていたので、少ししおれてしまいました。図鑑には、「雌しべは無毛。花柱は緩やかに合着して柱状になり、花ののどの部分からつきでる。」とのことです。無毛というのは間違いないし、また、合着しているというのも確かそうです。
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最後は葉の裏です。図鑑には、「裏面には軟毛が生える」とありますが、こんな感じで短い毛が生えています。ということで、調べた範囲ではノイバラの特徴とよくあっています。もう少し調べてみます。
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道端に生えていました。葉を見ると、アオイ科を思わせます。それで、「日本帰化植物写真図鑑」や「帰化&外来植物 見分けマニュアル 950種」を見てみました。葉の形が切れ込みの少ない5角形であることと花が極端に小さいことが特徴です。植物体は全体に地面を這っていますが、一部、立ち上がっています。こんなところを手掛かりに探してみました。初め、フユアオイかなと思ったのですが、そのうち、ハイアオイかなと思い、結局、ウサギアオイではないかと思っています。
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これはムラサキツユクサ。
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そして、これはナワシロイチゴ。
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グミに実がついていました。花が咲いているときは何の気なしに、アキグミとしていたのですが、実の形がまったく違います。それで、「樹に咲く花 離弁花2」を見ると、同じような細長い実は、トウグミ、ナツグミ、ナワシログミ、マルバグミ、ツルグミくらいです。このうち、後三者は葉に光沢があるので、この写真とは違うようです。さらに、葉表にはトウグミには星状毛、他の4種は鱗状毛です。それで、とりあえず、葉表を見てみました。
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葉表にはまばらに白い毛があります。
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やや拡大してみました。
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さらに、実体顕微鏡で拡大してみました。こんな星状毛がありました。それで、たぶん、これはトウグミだろうということになりました。
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さらに、生物顕微鏡で拡大してみました。なかなか綺麗な形をしています。
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これは葉裏の星状毛です。葉表と葉裏の星状毛は少し形状が異なっています。アキグミの星状毛については以前調べたことがありました。今回の葉裏の場合とほぼ同じ形でした。星状毛は葉の蒸散作用を抑制するためだという報告があるそうです。なお、トウグミElaeagnus multiflora var. hortensisはナツグミElaeagnus multifloraの変種です。