電脳くおりあ

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そのまんま東が宮崎県知事に当選

2007-01-21 22:14:17 | 政治・経済・社会

 このニュースは、NHKの大河ドラマ「風林火山」を見終えたすぐ後のニュースで知った。そして、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』のそのまんま東(49)の項で、9時前に既に「ビートたけし率いる芸人集団たけし軍団の元一員でビートたけしの最初の弟子。平成19年(2007年)1月21日投票の宮崎県知事選挙への出馬を表明した。 そして2007年1月21日、宮崎県知事に当選」と書かれていた。彼は、ネット上に公式サイトを持っているが、今はつながらない状態になっている。

 数日前の新聞のニュースでも、かなり健闘している様子が報じられていた。彼の宣教活動のやり方が草の根的で、これはひょっとしたら、青島幸男のようになるのではないかと思っていた。結果はその通りになった。東京都の石原知事、この前落選してしまった長野県の田中知事に続いて、3人目のユニークな知事になりそうな気配である。ついでに、NHKのHP上のニュースでは、次のように書かれていた。

 官製談合事件で前の知事が辞職したことに伴う宮崎県知事選挙は、21日投票が行われ、無所属の新人で元タレントのそのまんま東氏が初めての当選を確実にしました。そのまんま東氏は49歳。宮崎県都城市出身でタレント活動を続ける一方で、7年前から大学で地方自治などを学び、今回の選挙に立候補しました。( 1月21日 20時9分 )

 ところで、現在この記事を書いている時点で、実際の得票数は、次のようになっている。
   開票率 5.6%
  ・川村 秀三郎 無・新  13,784
  ・そのまんま東 無・新   8,670
  ・持永  哲志 無・新   6,523
  ・津島  忠勝 共産・新   360
  ・武田  信弘 無・新    152
    (1月21日9時15分、MRT選挙速報による)
この記事にも、既にそのまんま東のところに「当確」という文字がついているのであり、各種の調査を総合して、判定が下っているようだ。投票は、午後8時に締め切られたのだから、ほとんど投票が終わると同時に「当確」が出たことになる。(ただし、この記事を書いている時点では、朝日新聞はまだ「当確」を出していない。)

 午後3時半での推定投票率は、48・7パーセントと、前回を10・22ポイント上回っていた。自民党の政治家がしばらく前に、投票率はかなり低くなり、そのことがそのまんま東に不利に働くだろうと予測していたが、結果はその逆になった。出口調査によれば、自民党支持者、民主党支持者のかなりの層に、そのまんま東への支持が拡がっているようだ。今回の選挙は、県発注の設計事業を巡る官製談合事件による前知事辞職によるいわば世直し選挙になるわけで、同じ無所属新人で元林野庁長官の川村秀三郎(57)や元経済産業省課長の持永哲志(46)などを破っての当選ということになる。持永哲志は自民・公明の推薦である。

 私の印象では、そのまんま東は、タレントとしては、まともすぎるような気がしていた。7年前から、大学に通い地方自治の勉強をしていたというのは、何だがあまりにまっとうすぎるような気がする。勿論、彼のブログの日記を読んでいても、彼のまっとうさはよく伝わってくる。そして、それを何のてらいもなく書けてしまうところがそのまんま東の特色なのかも知れない。芸人として人に奉仕することを仕事にしてきた彼が、今度は宮崎県知事としてどこまで宮崎県民のために奉仕することができるのかどうか、これからが見物だと思う。おそらく、多くの宮崎県民は、そう彼に期待したのだと思う。

 20年程前にあった、ビートたけしに率いられて講談社を襲撃した「フライデー襲撃事件」では、たけし軍団のリーダー的立場で参加したが、本人はかなりいい加減な態度であったようだ。その後も、いろいろとトラブルに巻き込まれているが、そのことについてはそれなりに彼は自分のHPで触れている。そうした事件でほのみえてくる彼の行動は、何となくいい加減だなあという気がするが、今回の政治家への立候補とその後の行動を見ていると、これだけは本気でやっているような気がする。

 どちらにしても、私は部外者であり、宮崎県民が選んだ知事は、そのまんま東だった。これから彼が何をするか、よく見てみたい気がする。彼がどんな政策を選択するのか、そしてそれは、これからの時代に合った選択なのかどうか、注目していきたいと思う。何故だか分からないが、現在は、知事の存在がクローズアップされてきた時代でもある。それが、本来の意味での「地方の自立」ということであればとても結構なことなのだが、今は地方は、危機の時代でもある。それだけに、知事の役目は重要だと思われる。もともとの談合体質がどれだけ変えられるのかが、まず最初の試金石になるに違いない。

 それにしても、これは、そのまんま東の「夢」の実現であることだけは確かだと思われる。しかし、政治家としては、これは最初の一歩に過ぎない。たとえそれが「夢」のような出来事だとしても、まだ、始まったばかりなのだと思う。本当の「夢」は、その先にあって欲しいと思う。


2 コメント

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行政の経験がないだけに議会対策など苦戦するだろ... (ニャンパル)
2007-01-22 08:01:33
行政の経験がないだけに議会対策など苦戦するだろうなぁ。でも、県民は未経験の人だから1票を投じたのだと思う。素人だから変革が可能だと判断したのだろう。自民党の政治家の頭の中にある、投票率低下を喜ぶ体質に一矢報えたのだろう。
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>ニャンパルさん (Natsu)
2007-01-23 21:08:15
>ニャンパルさん

苦労することは確かだけど、芸人としての経験は役に立つと思います。

彼の草の根的な選挙運動のやり方を見ていると、案外としぶといのではないかと思います。

誰かが言っていたように、日本の政治家のだらしなさは、酷いものです。だからといって、芸人以下なんて私には言えません。芸人や政治家にも素晴らしい人もいれば、とんでもない人もいるということだと思います。

ただ、今は、政治家があまりにだらしなさ過ぎるような気がしますね。
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