2021年1月にスタートした人気ポットキャスト『ゆる言語学ラジオ』を初めて知ったのは、今井むつみと秋田喜美との共著である『言語の本質』を読み、その後YouTube動画を検索したら、そこに今井むつみが登場していたのを視聴したことがきっかけだ。この動画サイトは、その名の通り、ゆるく楽しく言語の話が楽しめる番組である。
その後、この番組の評判にあやかって、『ゆるコンピュータ科学ラジオ』というのも始まっている。『ゆる言語学ラジオ』のほうは、ホスト・聞き役を務めるのは堀元見で、そして言語学の知識を駆使して見事に解説するのが水野太貴であるのに対して、『ゆるコンピュータ科学ラジオ』の方は主客逆転して、水野太貴がホスト・聴き役で、コンピュータ科学についての知識を駆使して解説しているのが堀元見である。(本人たちが、完全に栁の下の2匹目のドジョウを探して始めたと言っているところが面白い)
水野太貴(みずのだいき)は1995年生まれ。愛知県出身。名古屋大学文学部卒で、言語学を専攻し、卒業後 出版社で編集者として勤務するかたわら、『ゆる言語学ラジオ』で話し手を務めている。また堀元見(ほりもと・けん)は1992年生まれ。北海道出身。慶應義塾大学理工学部卒で、専攻は情報工学で、言語学素人の堀元見と言語オタクの水野太貴が「言語」にまつわる話をするところが面白い。(ちなみに、『ゆるコンピュータ科学ラジオ』では、勿論立場が逆になっている)。
私は、堀元見については、ほとんど知らなかったが、著書に『教養(インテリ)悪口本』(光文社)、『ビジネス書ベストセラーを100冊読んで分かった成功の黄金律』(徳間書店)、水野太貴との共著に『言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ言語沼』(バリューブックス・パブリッシング)などがあることを知って、彼のボケ風な会話の背後にある知的教養について納得した。
勿論最近の話題も面白いのだが、初回から視聴していて、10回目と11回目で語られた三上章の「『像は鼻が長い』の謎」と「主語を抹殺せよ」についての回はとても興味深かった。水野が三上章の文法論について知ったのは、金谷武洋著『日本語には主語はいらない』(講談社選書メチエ/2002.1.10)を読んだからだそうだ。日本の文法学界からはほとんど無視された三上章ではあったが、日本語教育に関わる金谷武洋から熱いエールを送られていて、水野もそれに賛同していた。(三上の説は、「は」は、主語を表すわけではなく、副助詞で主題を提示する言葉だと言っている)
私も、金谷武洋著『日本語には主語はいらない』が出た時これを読んで、三上章の本も再読した。その後、月本洋著『日本人の脳に主語はいらない』(講談社選書メチエ/2008.4.10)や『日本語は論理的である』(同シリーズ/2009.7.10)を読んで、とても納得したことを覚えている。日本の学校教育の中では、いまでも橋本進吉のいわゆる橋本文法が主流だが、これを変えるためには日本の教科書そのものを大改革しなければならず、難しいのも事実である。勿論、多少は変わってきているが、古典文法では、ほとんど橋本文法が中心であるといってもよい。確かに、その方が説明しやすいというところはある。
金谷武洋は言語学者だが、月本洋は工学博士で人工知能の研究者であり、三上章も東京大学工学部建築学科の卒業で、数学教師であった。それらが言語学界から無視された要因になっているのかもしれない。そういう意味でも、『ゆる言語学ラジオ』での三上章エールは嬉しかった。いずれにしても現在では、365回まで(1回につき30分からものによっては1時間以上の番組もある)続いているが、私は暇ができると過去の番組を聞いている。
その後、この番組の評判にあやかって、『ゆるコンピュータ科学ラジオ』というのも始まっている。『ゆる言語学ラジオ』のほうは、ホスト・聞き役を務めるのは堀元見で、そして言語学の知識を駆使して見事に解説するのが水野太貴であるのに対して、『ゆるコンピュータ科学ラジオ』の方は主客逆転して、水野太貴がホスト・聴き役で、コンピュータ科学についての知識を駆使して解説しているのが堀元見である。(本人たちが、完全に栁の下の2匹目のドジョウを探して始めたと言っているところが面白い)
水野太貴(みずのだいき)は1995年生まれ。愛知県出身。名古屋大学文学部卒で、言語学を専攻し、卒業後 出版社で編集者として勤務するかたわら、『ゆる言語学ラジオ』で話し手を務めている。また堀元見(ほりもと・けん)は1992年生まれ。北海道出身。慶應義塾大学理工学部卒で、専攻は情報工学で、言語学素人の堀元見と言語オタクの水野太貴が「言語」にまつわる話をするところが面白い。(ちなみに、『ゆるコンピュータ科学ラジオ』では、勿論立場が逆になっている)。
私は、堀元見については、ほとんど知らなかったが、著書に『教養(インテリ)悪口本』(光文社)、『ビジネス書ベストセラーを100冊読んで分かった成功の黄金律』(徳間書店)、水野太貴との共著に『言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ言語沼』(バリューブックス・パブリッシング)などがあることを知って、彼のボケ風な会話の背後にある知的教養について納得した。
勿論最近の話題も面白いのだが、初回から視聴していて、10回目と11回目で語られた三上章の「『像は鼻が長い』の謎」と「主語を抹殺せよ」についての回はとても興味深かった。水野が三上章の文法論について知ったのは、金谷武洋著『日本語には主語はいらない』(講談社選書メチエ/2002.1.10)を読んだからだそうだ。日本の文法学界からはほとんど無視された三上章ではあったが、日本語教育に関わる金谷武洋から熱いエールを送られていて、水野もそれに賛同していた。(三上の説は、「は」は、主語を表すわけではなく、副助詞で主題を提示する言葉だと言っている)
私も、金谷武洋著『日本語には主語はいらない』が出た時これを読んで、三上章の本も再読した。その後、月本洋著『日本人の脳に主語はいらない』(講談社選書メチエ/2008.4.10)や『日本語は論理的である』(同シリーズ/2009.7.10)を読んで、とても納得したことを覚えている。日本の学校教育の中では、いまでも橋本進吉のいわゆる橋本文法が主流だが、これを変えるためには日本の教科書そのものを大改革しなければならず、難しいのも事実である。勿論、多少は変わってきているが、古典文法では、ほとんど橋本文法が中心であるといってもよい。確かに、その方が説明しやすいというところはある。
金谷武洋は言語学者だが、月本洋は工学博士で人工知能の研究者であり、三上章も東京大学工学部建築学科の卒業で、数学教師であった。それらが言語学界から無視された要因になっているのかもしれない。そういう意味でも、『ゆる言語学ラジオ』での三上章エールは嬉しかった。いずれにしても現在では、365回まで(1回につき30分からものによっては1時間以上の番組もある)続いているが、私は暇ができると過去の番組を聞いている。
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