ないない島通信

「ポケットに愛と映画を!」改め。

時間よ、止まれ

2016-07-23 21:21:17 | 映画
一週間があっという間に過ぎていき、なんかもう、超高速亜空間ロケットに乗り込んで星間飛行している気分です。
せいぜい三日くらい?と思っていたらひと月が過ぎてたりして、もう浦島太郎かリップヴァンウィンクルか、てな感じです。

父が生前、しみじみとこう言っていたのを思い出します。
「50からこっちはあっという間だったなあ・・」
父は87歳まで生きました。50歳から87歳といったら37年間!
それが「あっという間」だったというのですから、これはもう超高速亜空間飛行以外の何物でもありません。

年とともに、それが実感できるようになってきました。しかも加速しつつあります。
この分だと100歳まで生きたとしても、実感としては10年くらかなあ・・
なんて。

さて、前回は、タイムスリップするとしたらどの時代がいいか?
という質問を投げかけて終わったのですが、
あれからいろいろ考えました。

タイムスリップするとしたらどの時代がいいだろう。
過去か、未来か・・

結論は出ていません。
たとえば自分の人生の中で、
過去に戻るとして、人生を選びなおすチャンスがあるのは嬉しいけど、
それで未来が変わってしまったら、
今の私はどうなる?
もしかして子どもたちも生まれなくなるとか・・
(タイムラインが変わるという設定はこの際置いておきます)

映画「アバウト・タイム 愛おしい時間について」にそんなシーンがありました。
(リチャード・カーティス監督作品 2013年)
タイムトラベルものですが、タイトルにもあるように愛についての物語で、とてもいい映画でした。
その中で、時間旅行のできる主人公が、
過去に戻ってやり直そうとしたら、生まれていたはずの子どもが別の子どもに変わっていた、というシーンがあります。
人生は微妙なことで変化するから、同じ子どもが生まれるとは限らない・・と父親に言われるのですね。
彼の場合はやり直すことができるから大丈夫でしたが、もしも、一度限りのタイムスリップで未来が決定してしまったら、
現在のこの私はどうなるんだろう・・

また、未来に行くのも大変です。
20年後の日本はすっかり様変わりしていて(さらなる原発事故、大災害、戦争・・)なす術もなく混乱に巻き込まれていく・・
なんてのは想像するだに恐ろしい。
(もっとマシな未来はないのかい?)

また、もっと大きなタイムスパンで、
江戸時代にタイムスリップして、江戸城の大奥に迷い込んだり、
はたまた戦国時代の水飲み百姓の家の前にひょっこり現れてしまったりしたら・・

たとえ運よく生き延びることができたとしても、食べ物や衛生面、人間関係など、とても適応できるとは思えません。
クレアはその点、実に賢くたくましい。私にゃ無理だ。

でも、それって全部、現在の私があれこれ想像しているだけ。
実際問題として、時間旅行は不可能で(少なくとも現時点では)、どこまでも「現在」が続いているばかりです。
私たちは、どんな国の人も、偉い人も生まれたばかりの赤ん坊も、金持ちも貧乏人も、一直線に「現在」というラインに並び、同時に一瞬先の「未来」に向かって、「ヨーイ、ドン!」で歩きだしている。一瞬、一瞬。それが時間の現実です。

あるのは「現在」
ただひたすらの「現在」

昔、テレビドラマで「ふしぎな少年」という番組がありました(手塚治虫原作。1960年代)。
ふしぎな少年が「時間よ、止まれ」というと周囲の人たちの動きが一斉に止まります。
でも、彼の時間だけは止まらないので、周囲の人にとっては、彼が一瞬で消えたように見えます。
大田博之という美少年がその役で、「時間よ、止まれ」は流行語にもなったのでした。

今だにタイムトラベルものというと。この言葉を思い出します。

「時間よ、止まれ」

私たちは永遠の「現在」に閉じ込められて生きている小さな生き物です。
二次元の紙の上を這う虫には、頭上の青空も見えなければ、紙の端から端まで行くのに、紙を折りたたむだけでいい、ということも理解できません。

私たちは三次元の紙の上を這う小さな虫なんですね。
紙を折りたたむようにして、次元を折りたたみ、時間を超える方法があるのではないかと想像します。

そして、実は、この想像力こそが、次元の壁を超える力なのかもしれません。

たとえば、クレアは200年前のジェイミーにテレパシーで思いを告げることができるのでしょうか?
現実的には無理。
でも、なんか、できるんじゃない? という気もします。

過去も未来も、現在の中にある。
というのは仏陀の教えだそうです。

時間が流れている、というのは実は人間の錯覚で、過去も未来もこの一瞬の現在の中に凝縮されているそうです。
だとしたら、過去へも未来へも、自由自在に行けるはずなんですけどね。

日々超高速化しつつある時間の流れのただ中で、私は溺れまいと必死に藁をつかみ、こう叫びたい気分です。

「時間よ、止まれ」



ところで、
ついに「ジェイミーの墓標」(1~3)が図書館に入荷した!との知らせが入り、今日、いそいそと借りに行ってきました。
やはり他市の図書館から借りてくれたようです。
感謝。
というわけで、しばらくまた「アウトランダー」の原作小説にふけりたいと思います。

ついでにその次の章、
「時の彼方の再会」(1~3)もリクエストしてきました。
今年の夏は「アウトランダー」で乗り切るぞ!

またね~
コメント
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