ついに最終日となりました。
明日の午前中に退院です。
退院前にリハビリもあるので、明日は忙しそうです。
そこで、最終日の今日、入院生活を少し振り返ってみようと思います。
一ヶ月も入院したのは生まれて初めての経験で、いろんな事を考えました。
この病院は足専門の病院なので、リハ室では糖尿病で足を切断した人や義足の歩行練習をしてる人たちをよく見かけます。私なんてすごく軽い方。
やっぱりシニア世代が多い。日本の高齢社会を肌で感じる。私もその一人だけど。
高齢者の医療費が財政圧迫してるのは間違いない。
一方、先生や看護師さんたちは若い世代が多い。
皆本当に親切でプロに徹していて気持ちいいです。
同室になった患者さんは10人ほどで、短い人は3日で退院、長い人ではニヶ月目に突入という人もいました。若い人たちは外反母趾でも1週間程で退院していきますが、高齢になると入院も長引くようです。合併症や持病がある人が多いので。
ここに辿り着くまでに方々の病院を転々とした人や、入院までにだいぶ待たなくてはいけなかった人たちもいて、私は本当にラッキーだったと思います。
エレベーターで一緒になった男性は、糖尿病で危うく足を切断するところだったけど、ここに来て切断せず済んだ、と話していました。
先生たち、とても優秀です。
とはいえ、手術せずに済むのならしない方がいい、というのが、外反母趾で一ヶ月入院した私の感想です。
体にメスを入れるのは何にしても負担が大きい。長期入院は高齢者にはきつい。足は良くなったけど、頭の方が・・なんてことになりかねない。
病院は至れり尽せりです。カロリーも栄養バランスも整った食事。間食はご法度。薬の管理もきっちりしている。電動ベッドにBS付きのテレビ。トイレはウォシュレット。何もしなくても、何も考えなくても日々過ごせてしまいます。リハビリは少々きついけど、うちにいるよりずっと快適。
そこに落とし穴がある。
専業主婦の人たちは帰りたくない、と言います。家に帰れば子どもや夫の世話をしなくちゃいけない。たとえびっこを引きながらでも家事をしないわけにはいかないのよと。
一方、一人暮らしの高齢の人は帰っても一人ぼっちだから帰りたくないと言い、夫のいる人は、夫が心配だから早く帰りたいと言います。
人それぞれだなぁ。それぞれの人生があるのだなあと思います。
病院というのは、監獄であり、楽園でもあるようです。
非日常という意味では、旅先でもあり、先生や看護師さんたちには一宿一飯(30宿くらいだけど)の恩義がある。
同室の人たちは旅先で出会い別れていく、行きずりの人たちですが、それぞれにユニークな印象があります。
さて、
今日は秋晴れ。
病室の小さな窓の向こうには青い空が広がっています。
私はやっぱり外に出て、思い切り深呼吸して、自由を味わいたい!