ないない島通信

「ポケットに愛と映画を!」改め。

二つの世界の物語

2016-07-10 18:09:15 | 映画
選挙に行ってきました。
ネットでいろいろ言われていたので、油性ペンを持参していきました。入口できいたらOKとのことでした。これからは選挙のたびに油性ペンを持参しようと思います。
 
ところで、上の写真は「アウトランダー」です。相変わらずハマッてます。
(写真はなかなかうまく載せられないのですが、これは大丈夫でしょうか?)

「ブルックリン」がアイルランドとNYの二つの世界を描いていたように、
「アウトランダー」もまた、20世紀と18世紀にまたがる二つの世界を描いています。
人は時に、二つの世界を行き来しながら生きていくことがあります。
どちらの世界も大事でいとおしく、どちらか一つを選ぶのはとても難しい・・
そうした状況に陥ります。人生が二度あったらよかったのに。私が二人いたらよかったのに・・
でも、残念ながら人生は一度しかないし、私は一人しかいません。そこで、究極の選択を迫られることになるのですね。

ま、幸いなことに、私自身はそうした究極の選択を迫られたことはないのですが。
(ていうか、選択の余地なんてなかったしなあ・・)

そこで、最近見た映画の中から、二つの世界を描いたものを紹介したいと思います。
「マトリックス」や「インセプション」や「トータル・リコール」などアクション映画は省略します。

「スライディング・ドア」
 広告代理店勤務のヘレン(グウィネス・パルトロー)が会社のミーティングに遅刻して首になり、最悪の気分で地下鉄に向かうが、電車に乗る寸前でドアが閉まってしまう。それが第一のストーリー。
もしも電車に乗ることができたら・・というのが第二のストーリー。
この先、二つのストーリーが平行して語られます。
果たして、電車に乗れたほうが幸せなのか、それとも乗れなかったほうが幸せになれるのか。
究極の選択、というか、彼女の運命や如何?

「イルマーレ」
おなじみキアヌ・リーブスとサンドラ・ブロック主演のラブロマンスですね。ポストを仲介にして、二年という時間差恋愛。この時間差をどう乗り越え、死ぬ運命だった彼を救うことができるのか・・
これってありかい?という感じもなきにしもあらずですが。

最後に12通りの人生を生きた男の話がすごく面白いので紹介します。

「ミスター・ノーバディ」
ジャコ・ヴァン・ドルマル監督作品。(「八日目」の監督です。これもいい映画です!)
2092年、科学の進歩で人間は永遠の命を持つことができるようになりましたが、主人公のニモは限りある命を持った最後の人間です。
118歳の誕生日に二モはインタビューを受けます。そして、彼が生きてきた12通りの人生について語り始めるのです。
果たして、二モはどのようにして、たった一人で12通りもの人生を生きることができたのでしょうか?
これは究極の選択の物語であり、愛の物語でもあります。
最後まで見ると、どのようにしてニモが12通りの人生を歩んできたのかがわかります!
私の大好きな映画です!

世界は選択のチャンスに満ちていますね。
果たして日本国民は、今回の選挙でどのような選択をするのでしょうか?
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ブルックリン

2016-07-07 11:59:27 | 映画
映画「ブルックリン」を見てきました。ジョン・クローリー監督作品です。
評判に違わずいい映画でした。

主役を演じるシアーシャ・ローナンは「ラブリーボーン」の頃と比べると大人の女性に成長していてとても美しい。NYで生まれアイルランドで育ったシアーシャ・ローナン自身の人生とも重なるようで、それもあって彼女がとてもいいです。

あらすじ(少しだけネタバレになりますが)・・
アイルランドの田舎に住んでいたエイリシュ(シアーシャ・ローナン)は姉の勧めでNYに移民として移り住むことになります。
1950年代のアメリカには、ヨーロッパから大勢の移民が移り住んでいました。
アイルランドからNYには船で渡ります。生まれて初めて故郷を離れ、一人で生きていかなくてはいけないエイリシュ。

昔、田舎から東京に働きに来た経験のある人たちには、実に胸に迫るものがあると思います。
ああ、私もそうだった、と。

エイリシュはNYのデパートで店員として働き始めるのですが、何しろアイルランドの田舎出の少女なので、機転はきかずお客の対応もイマイチ。
それでもシアーシャは、がんばります。寮に帰れば同じく移民の若い子たちがいて、彼女に(ちょっと意地悪もするけど)いろいろ教えてくれます。

そんな中、ダンスパーティで知り合ったトミーというイタリア系の青年と知り合い、恋仲になり、NY生活も順調にいったかに見えた矢先、故郷から訃報が届きます。
彼女を支えてくれていた姉が亡くなったという知らせです。

エイリシュは一か月の予定で故郷に戻るのですが、
故郷も、たくましくなったエイリシュには、以前とは違って見えてきます。
素敵な青年との出会いもあります。
そして、エイリシュは迷うのですね。
故郷に残るべきか、NYのトミーのところに戻るべきか。

「故郷も愛も二つは持てない」というのが映画のコピーですが。
まさに二つの世界の間で揺れ動く乙女心。

この辺りのエイリシュの心理描写は秀逸ですね。
女性ならよくわかる。
彼女は決して二股をかけているわけではありません。
ただ、一つだけ選ぶことが難しいのです。
自らの力で切り開いてきたNYの生活と、なつかしくやさしくいとおしい故郷。

でも、結局、エイリシュは賢い選択をしたと思います。

NYに来たばかりの頃の地味で冴えないファッションから、次第にNY流に変化していく様子も見所です。50年代のファッションが楽しい。

何より私が思ったのは、これって「魔女の宅急便」よね、でした。
もちろん、エイリシュはもっと大人ですが、田舎から大きな街に出て、辛い目にもあいながら経験を積み、大人になっていく様子は、どこの国でも同じです。

故郷から何千キロも離れた街で、たった一人で人生を切り開いていかなくてはいけない。ホームシックにかかり、涙しながら故郷を想い、それでも明日に向かって生きていく。若いということはどんなことでも、可能にするのですね。
皆に勇気を与えてくれる映画です。

冒頭に載せた、エイリシュが壁の前に一人佇む姿は、さて、どのシーンでしょうか?
(クリックすると大きくなります)
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アントン・イェルチン in 「オッド・トーマス死神と奇妙な救世主」&「アトランティスのこころ」

2016-07-01 13:45:32 | 映画
アントン・イェルチンが亡くなったという記事を先日ちょこっと書きました。

「オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主」の主役を演じた、1989年生まれの若い俳優です。
先日、ロサンゼルスの自宅で、止めていた車が発進してしまい、煉瓦壁と車の間に挟まれて亡くなった、という記事を読んで、まるで「オッド・トーマス」を地でいったかのようだなあと思ったことです。
27歳。まだまだこれからなのに、とても残念です。

「オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主」は私の好きな映画で2回見てます。
主人公のオッド・トーマス(奇妙なトーマス)には霊感があり、亡くなった人が見えるのです。ついでに死神や悪霊なんかも。

ある日、彼の住む小さな街にボダッハと呼ばれる悪霊たちが集まってきていることに彼は気づきます。ボダッハは人が大勢死ぬ場所に現れます。
何か大きな事故、あるいは事件が起きるに違いないとトーマスは確信し、何とかして未然に防ごうと奮闘します。でも、相手は悪霊、トーマスは苦戦します。

彼の努力が報われ、大量死は何とか防げたのでしたが・・
最後のどんでん返しは涙なくしては見られません。

死人や悪霊がたくさん出てきますが、全体的に軽妙なタッチで展開も速く、ユニークで面白い映画です。

これはディーン・クーンツ原作の「オッド・トーマス」シリーズの映画化で、原作は数冊出ており、映画の続編を期待していました。

でも、主人公が不慮の事故にあってしまっては無理でしょうね。本当に残念です。

アントン・イェルチンは「スタートレック」や「アトランティスのこころ」にも出演していますね。

「アトランティスのこころ」
は私の大好きな映画です。スティーブン・キングの原作も読みました。

父親のいないボビー少年の家に下宿人としてやってきた初老の男性テッド(アンソニー・ホプキンス)には不思議な力があり、追われる身でもありました。
ボビーはテッドを父親のように慕い、二人の間には分かちがたい愛情が育まれていくのですが、ある誤解によりテッドはこの家を去ることになります。
この11歳のボビー役がアントン・イェルチンです。すごくかわいい!

これほど大事なものを奪われてしまった少年は、その後、その人を許すことができるのだろうか・・
というのが映画を見た直後の私の感想でしたが、キングの原作はそれを見事に説明してくれていました。

主人公を演じるアンソニー・ホプキンスの演技といい、子役のアントン・イェルチンのかわいさといい、忘れがたい一作です。

アントン・イェルチンのご冥福をお祈りします。
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