木崎は「わたし」に、ホテルの一室で繰りひろげられているSMショウを見せて、
マゾヒズムは相手の狂気を引き出し、それをどこまでも要求し、
それによって相手を支配するのだ、と述べる。
もし女が食虫花のように受け身で相手を殺すマゾヒズムの原理に徹したら、
男のサディズムなど刃がたたぬ、とでも言いたいかのように。
現に、木崎は言う。「サディズムの行き着く先は、殺人による破滅だ」と。
(つづく)
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