越川芳明のカフェ・ノマド Cafe Nomad, Yoshiaki Koshikawa

世界と日本のボーダー文化

The Border Culture of the World and Japan

テキーラ・ナイト

2008年03月28日 | 小説
26日に明治大の卒業式があった。

卒論の学生たちと研究室でのんびり飲んでいたが、夕方になるに連れて、次第に人が集まってきて、とうとう部屋に入りきれなくなった。最後にテキーラを飲みたいというので、皆をメキシコ料理屋<エル・アルボリート>に連れて行った。

そのまえに、学生たちが気をきかせて、サボテンと花の贈り物をくれた。色紙も。色紙の真ん中にはメキシコ風の風景とわたしの似顔絵が上手に描いてあり、それを取り巻くように各自のコメントが寄せられていた。

ウッディ・アレンで卒論を書いた、4月から編集者になる予定のS君のところには、「先生の授業には、エロティシズムが感じられる」みたいなことが書いてあった。要するに、下ネタが絶えない、といいたいのだろうか。

そういえば、キューバの亡命ゲイ作家、レイナルド・アレナスは自伝『夜になるまえに』で、子供の頃すごした自然の世界はエロティックな世界であったと告白している。引用してみようーー

「七歳から十歳という時期はぼくにとっては性衝動の強い、静的に貪欲な時期であり、前にも触れたように、たいていのものが対象となっていた。

自然一般が相手だった。というのも、木をも含んでいたからだ。たとえば、パパイヤみたいに茎の柔らかい木に穴をあけてペニスを突っ込んだものだった。

・・・(中略)いとこのハビエルは、牡(オス)鶏とやったときが最高だった、と打ち明けた。ある朝その牡鶏が死んでいた。いとこのペニス大きさのせいだとは思わない。実際、かなり小さかったから。

中庭の牝(メス)鶏という牝鶏をやっていた自分が逆にやられた、それが恥ずかしくて死んだのだと思う」(安藤哲行訳、44ページ)

遅れてきた3人もふくめて、<エル・アルボリート>には学生10人が集合した。

ママのとっさの機転というか、配慮というか、着物の女性には、着物をよごすとまずいので、大きなテーブルクロスが渡された。なんだか、美容室みたいな格好になった。

さらに、卒業祝いとして、店からワインボトル2本が無料で提供された。ぼくたちはそのワインをさっさとやっつけて、ライムと塩をなめながら、テキーラのボトルを3本あけた。研究室で4時前から飲みはじめ、店を出たのは9時半だった。












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