越川芳明のカフェ・ノマド Cafe Nomad, Yoshiaki Koshikawa

世界と日本のボーダー文化

The Border Culture of the World and Japan

ボリビア映画祭

2008年07月31日 | 映画
 チェ・ゲバラが1967年10月にCIAの策動によって処刑されたのは、ボリビアのイゲラ村というアンデス山脈の中だった。上野清士は、最新の著書『ラス・カサスへの道』(新泉社)のなかで、ゲバラがめざしたのはアンデス高地の先住民の解放だったが、先住民出身の下級兵士を主力とするボリビア政府軍に殺された歴史の皮肉について触れている(「チェ・ゲバラとラス・カサス」)。

 ゲバラは、おそらく地元の先住民と相互理解ができていなかったのだ。しかし、ボリビアでは、2006年に先住民の血をひくモラレス大統領の左翼政権が誕生。一転して、ゲバラの志を先住民の側から理解しようとする動きがあるようだ。最近のニュースでは、ボリビアでゲバラが書いていたゲリラ日記(オリジナル)をキューバに返還するという。

 今週、ボリビア映画祭がある。すべて、番町(四谷)のセルバンテス文化センターで行なわれる。以下に日程を記す。
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 久しぶりのウカマウ映画全作品上映会です。特別上映作品もあります(末尾参照)。ぜひお出かけください。民族問題の重要性、グローバリゼーションに対する抵抗などをめぐって、先駆的な問題提起を行なった作品群です。


8月1日(金)  17:00 革命+ウカマウ
         19:00 最後の庭の息子たち
  2日(土)  15:15 落盤+コンドルの血
         17:00 駐日ボリビア大使挨拶
            対話「ウカマウ映画をめぐって」
             児島峰(独協大学、ラテンアメリカ文化論)
             VS 太田昌国(シネマテーク・インディアス)
         19:00 鳥の歌
  3日(日)  13:15 人民の勇気
         15:00 パチャママの贈り物
         17:00 地下の民
  4日(月)  17:00 第一の敵
         19:00 ただひとつの拳のごとく
  5日(火)  17:00 ここから出ていけ!
         19:00 革命+ウカマウ
  6日(水)  17:00 ただひとつの拳のごとく
         19:00 落盤+コンドルの血
  7日(木)  17:00 地下の民
         19:20 人民の勇気
  8日(金)  17:00 鳥の歌
         19:00 第一の敵
  9日(土)  15:15 最後の庭の息子たち
         17:00 対話「映画の革命・革命の映画」
             平沢剛(明治学院大学、映画批評)
             VS 太田昌国
         19:00 ここから出ていけ!

  会場:セルバンテス文化センター【東京・千代田区六番町2-9 
      セルバンテスビル】市ヶ谷駅、四谷駅、麹町駅から5分。
      TEL 03-5210-1800 http://www.cervantes,jp/
  作品概要は、 http://www.jca.apc.org/gendai/ の「ウカマウ」参照。

  各回入替制、各回1,000円。「対話」は無料。
  DVCAM上映です。
  プログラムは変更の可能性があり得ます。
  
8月3日上映の『パチャママの贈り物』は、ニューヨーク在住の松下俊文監督作
品です。松下氏は、ウカマウの映画に刺激をうけ、ボリビアの塩湖ウユニを舞台
に、先住民の少年の、初恋の物語を通して、アイデンティティの大切さを訴える
作品を作り上げました。日本初公開作品です。

  配給:シネマテーク・インディアス
  主催:セルバンテス文化センター東京+駐日ボリビア大使館      





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1 コメント

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ボリビア映画評 (南米放浪)
2008-07-31 05:05:17
詩人、細野豊の映画評『最後の庭の息子』がいいです。☞ http://www.nipponbolivia.org/cantuta.php?no=8&page=6
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