透水の 『俳句ワールド』

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詩歌・悠々散歩  「ほゝけちらして猫柳」      高橋透水

2014年03月20日 | 俳句・短歌・評論・俳句誌・俳句の歴史

来てみればほゝけちらして猫柳    細見綾子

 近くの公園で、猫柳が芽吹きだした。紅い殻を破るように、白い産毛がのぞいていた。少しでも多く陽光を呼吸しようと懸命な顔つきだ。枝はゆっくりと揺れ、人を誘っているようだった。

 綾子の句は猫柳の花も終わりのころ。肋膜炎を患い、郷里丹波で静養中のもの。少し回復して、やっと歩けるようになったので散歩に出た。しかし猫柳の花の盛りは終りに近づいていた。期待は外れたが、新しい発見があった。蕊が露わに「ほゝけちらした」猫柳がむしろ新鮮だったのだ。
 後年「つつましいものにも、こんな成熟のしかたがある」とこの句の背景を述懐している。
昭和二年、23歳の作。処女句集『桃は八重』所収。


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一行詩の紹介

じゃんけんはパーのみだして、花辛夷     やーこ
子宮で泣き、子宮で笑って卒業す       らん子

芽吹きの野が、左回りの風と遊んでいる    よひょう
気づけば、スズメに取り囲まれている     徒歩
地中に飽きた虫が、若草をノックしている    幹助

  
******************************詩の紹介

  働く女       布野ボン太

他人の眼ではこの中年女は
ずいぶん苦労しているように見える
この女の辞書には苦労という言葉は
きっとないのだろう

春風に微笑を返し
お日様の温みに感謝している


近くに子供たちが
菜の花を摘んで
お飯事をしている


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コメント
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