2005年、愛知万博(愛・地球博)への会場アクセスのために建設されたLinimo。
日本で最初のリニアモーターカーが名古屋市の東部丘陵を走っている。
夕暮れの八草駅、愛知環状鉄道と東部丘陵線が連絡している。
山裾と云っていい静かな駅前広場には、工業大学のスクールバスだけが停まっている。
白いボディーの3両編成は無人運転、S字を描きながら高度を稼ぐように勾配を登る。
巡航すると100km/hで走るから、さながらジェットコースターの様でもある。
左手のこんもりとした森が愛・地球博記念公園、サツキとメイの家が人気だ。
沈みゆく日の方向には名駅の摩天楼が霞んでいる。
はなみずき通駅を出たLinimoは地下へと潜りこみ、藤が丘で17分の旅を終える。
夕闇迫る藤が丘駅に、隣接する車両基地からイエローのラインの6両編成が入線する。
地下鉄の東山線が高架ホームで新交通システムのLinimoが地下ホーム?
納得はいかないけれど東山線に乗車する。でないと今宵の酒場には辿りつかない。
名古屋最大の繁華街 栄で下車、今時SKEと3レターにした方が通りが良いだろうか。
名城線、名鉄・瀬戸線の乗換駅でもあり、車両の乗客がそっくり入替るかのようだ。
深紅にライトアップしたテレビ塔、実はこの日まで愛知県は緊急事態宣言が発出中。
ちょっと申し訳ない気持ちになる。1日早かった様だ。
狙っていた居酒屋「海の日」はたった今、営業時間短縮で看板の灯を落としたところ。
遠慮がちに覗くと、大将曰く、板場お任せの "おつまみセット" ならば提供してくれると。
それで十分です!それではラストオーダーが終わったご常連に交じって一寸だけ。
伊賀の銘酒 "瀧自慢"、伊勢志摩サミット晩餐会に供された "辛口純米 滝水流(はやせ)" は
すっきりとしたキレの良い味わいの食中酒。刺身は "鯖の昆布締め" が美味しかったな。
二杯目は白山(石川県)の吉田酒造店の "吉田蔵" を択ぶ。この蔵のメインブランド "手取川" に対して、
地元の米に拘ったのが "吉田蔵" ブランド。純米酒の旨みとコク、そしてのど越しが愉しい。
普段よりずいぶん静かであろう栄で一杯やったら、再びイエローラインの6両編成で。
東山線は名駅を横断せず、包み込むように北に迂回、最後は豊国通りを北から南に貫く。
今池~栄~名古屋とあれほど混雑した6両編成も、閑散として高畑に終着する。
地上に出るとコンビニだけが妙に明るい、都会にしては寂しげな旅の終わりなのだ。
愛知高速交通・東部丘陵線 八草~藤が丘 8.9km 完乗
名古屋市交通局・東山線 藤が丘~高畑 20.6km 完乗
I'm In the Mood for Dancing / The Nolans 1980
夢のあるお話しですね。
名古屋のことはよく分かりませんが、
経済合理性があれば、実現して欲しいですね。