シグナルが青に変わった。交換の上り列車を待って「のと里山里海1号」が走り出す。
終点まではあと2駅のラストスパート、緩いカーブの先には海が再び見えてくるはずだ。
能登キリコ祭りの山車の車輪が存在感ある和倉温泉駅、朱に白地の駅名板が雅やかだ。
09:01、日本海の深い青を表現した濃紺のボディーを輝かせて「のと里山里海1号」が入線してきた。
アテンダントに迎えられて「のと鉄道」の旅は始まる。穴水までは約1時間だ。
のと鉄道は七尾湾を抱き込むようにして北へ走る。
田植えを終えた田圃の向こうには、鏡面のように穏やかな七尾湾が広がっている。
往路はオレンジ色を基調の里山車両、海に向いたカウンター席で車窓を流れる風景に心を癒し、
復路はブルーを基調にした里海車両、ボックスシートで地酒を呑みながら気動車の揺れに身を任すのだ。
交換駅ですれ違うのはなんと3両編成、「花咲くいろは」ってヘッドマークをつけている。
どうやら石川県の湯乃鷺温泉の旅館喜翆荘(きっすいそう)を舞台としたアニメらしい。
西岸駅は作中に登場する「湯乃鷺駅」のモデルであり、駅名標も設置されている。
ひとつ手前の能登中島駅は旅の中間点、のと里山里海1号は10分間の停車となる。
留置された旧国鉄の郵便車オユ10形客車を見学したり、かき釜飯弁当を求めたり、乗客には楽しい時間だ。
能登中島を発った気動車は山越えをする。案外急な勾配にディーゼルエンジンが唸りを上げる。
ピークを越えた下り勾配で一瞬山が途切れると、深浦のエメラルドグリーンの入江が見える。キレイだ。
こんな景色を眺めながらの地酒 “is68百万石乃白” は県産米を能登杜氏が醸したまさに石川の純米大吟醸。
甘く華やかな香りのジューシーな酒と能登の旬鮨を愉しむ。いや旨いねぇ。
再び車窓いっぱいに広がる七尾湾が中天にかかる陽に煌めく。
整然と並ぶのは牡蠣筏か。こんどは旬の時季に訪ねたいものだ。
2つの短いトンネルを潜ると旅の終わりの穴水駅。
かつては輪島までさらに20km、ここから分岐して蛸島まで能登線が60km延びていた。
今では穴水が終着駅。奥能登へは路線バスが細々と津々浦々を結んでいる。
のと鉄道 和倉温泉〜穴水 28.0km 完乗
<40年前に街で流れたJ-POP>
天国のキッス / 松田聖子 1983
のんさんの和倉温泉の旅も、美味しい旅だったようですね。
加賀屋さん、いいですね。
私の加賀屋さん泊は団体旅行ばかりです。宴会しか記憶にありません。
今度はプライベートで泊まりたいものです。
聖子ちゃんカットですか?流行りましたね。
きっと可愛らしかったでしょうね。
コメントありがとうございます。
和倉温泉の旅を思い出しながら拝見しました。
場所は忘れましたが、穴水の焼き牡蠣
の試食サービスがあって、
とても美味しかったのを覚えています。
旬鮨も美味しそうです。
お酒がすすみますね♪
お宿は名旅館「加賀屋」さんへ
いい思い出です。
40年前に聖子ちゃんカットにしてました(笑)