旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

甲州道中紀行2 布田五ヶ宿~府中宿~日野宿

2015-11-14 | 甲州道中紀行

 

09:00 「布田五ヶ宿(布田)」
 布田五ヶ宿は、国領宿・下布田宿・上布田宿・下石原宿・上石原宿と5つの宿場からなる。
本陣、脇本陣は無く、旅籠9の小宿で、月の6日づつ宿場の役務を負担し合っていた。
甲州街道を歩く第2日目は、このうちの下布田宿からスタート。
成田不動尊は「布田のお不動様」と呼ばれて篤く信仰されてきた。

 

09:20 「小島一里塚」
 調布駅の入口を過ぎると上布田宿となる。
小島1丁目交差点に「小島一里塚跡碑」が建っている。江戸日本橋からは六里目となる。

上布田宿と下石原宿の境、常演寺門前には地蔵祠がある。

下石原宿と上石原宿の境は中央自動車道と交差する西調布駅付近。
西光寺の門前には新撰組局長近藤勇坐像がある。近藤勇は多摩郡上石原村の生まれだ。

高速道路を潜ると黒板塀の立派な旧家がある。
少しづつ街道筋の雰囲気が窺えるようになってきた。

飛田給薬師堂から道がV字に分岐する。
左手は貞享年間(1684~1688年)以前の甲州古道、右手が旧甲州街道だ。
2本の道は3km先の東府中駅付近で合流する。

10:30 「常久一里塚」
 江戸日本橋より七里目の常久一里塚跡は甲州古道沿いに在る。
塚木は松と杉であったそうだ。現在は跡碑があるのみだ。

甲州古道と旧甲州街道が合流すると京王線の踏切を越えて府中へと向かう。

11:00~11:40 「府中宿」
 生糸の商家が軒を連ねて賑わった府中宿、規模は本陣1、脇本陣2、問屋2、旅籠29軒。
宿場の中心には「大國魂神社」が鎮座する。七五三のお宮参りの家族連れで賑やかだ。

 

鎌倉街道(現府中街道)との交差点は札の辻といい「高札場」が現存している。
向かい側の蔵造りの酒屋さんは万延元年(1860年)創業、隣地が問屋場であったらしい。

ところで府中宿矢島本陣の表門は1kmほど先の街道沿い、名主内藤家に移築されている。

 

府中宿を外れ、分倍河原の京王線踏切を渡って「そば処砂場」、今日もかつ丼をいただく。
距離を歩くにはボリュームが必要だ。

 

 まもなくR20と合流する。この先5kmは情緒のない国道を行く。
左手には旧本宿村の鎮守熊野神社、裏手には飛鳥時代の上円下方墳、埋葬者は不明だ。

国立インター入口を過ぎた辺りの谷保地区に立派な薬医門を持つ旧家本田家住宅がある。
ちょうど東京都の文化財ウィークで敷地内を見せていただけた。
主屋は慶安年間(1648~1651年)の建築とされ、喰違形六間型としては都内最古例だそうだ。
代々医家・書家・名主の家柄で、日記には縁続きの土方歳三が泊まった旨の記述が残る。

 

 その先は単調なR20を行く。
時折思い出したように、秋葉山常夜燈、五智如来など旧い遺構が退屈をしのいでくれる。

 

日野橋へと向かうR20と分かれて、街道は立川市街地方向へ直進する。
やがてほぼ直角に左に折れると多摩川に向かって勾配を下っていく。
柴崎体育館前の親水公園には鴨たちが遊んでいた。

 

13:40 「日野の渡し」
 多摩川を渡る「日野の渡し」は立日橋の直下だったようだ。
春から秋にかけては舟渡し、水量が少ない冬場は土橋が架橋されたそうだ。
大正15年に日野橋が架橋されて、今では頭上を多摩都市モノレールが走る。
なお、立川市錦町下水処理場前には “日野の渡し碑” が在る。

 

 左手に見えてくる「東の地蔵」が日野宿の江戸口(東口)となる。
街道は枡形に西へ向きを変える。交差点には終焉間近の渡しの写真が掲示されてた。

 

14:00 「日野宿」
 日野宿に入ると川崎街道入口交差点に高幡不動道標。問屋場、高札場跡には碑が建つ。
「下佐藤家本陣」は都内に残る唯一の本陣建築、主屋は文久3年(1863年)に上棟したものだ。
主屋を再建した佐藤彦五郎は、ここに「天然理心流佐藤道場」を開いた。
新撰組の近藤勇、土方歳三、沖田総司らが、激しい稽古に励んだそうだ。
甲州街道を歩く第2日目は「布田五ヶ宿」から「府中宿」を経て「日野宿」まで16.9km。
所要5時間の行程となった。


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2 コメント

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Re:甲州街道を歩いて (呑み人)
2017-05-06 06:42:23
タクロウさん
メッセージありがとうございます。街道を歩くのには良い季節になりましたね。新緑の中のウォーキングを楽しんでください。
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甲州街道を歩いて (タクロウ)
2017-05-04 17:30:30
僕は5月の連休に甲州街道を歩きました。府中宿から日野宿まで旧道と国道20号線を経由して歩き、月曜から金曜又は土曜まで生活してるグループホームあさやを通り、立川の後に多摩川の橋を渡った時、風が強く吹いていました。天候に恵まれ、山が見えて良かったです。
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