旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

The Galaxy Express 釜石線を完乗!

2019-08-11 | 呑み鉄放浪記

大人の休日、三陸を巡る旅、最後は銀河鉄道に乗車する。 
雨に煙る釜石駅、C58-239号機は汽笛を響かせ、黒煙を吐き、重厚な動輪が動き出す。 

濃紺の4両の客車は、白い蒸気に包まれながら、半ば強引な機関車にしたがう。
えっ乗らないのかって?旅立ちの光景を見たかったからね。この後の普通列車で追う。 

蒸気機関車の「黒」を際立たせた雨が釜石の町をも包んでいる。ここは鉄の町だ。 

 

釜石ラーメンは、程よいコシの極細の縮れ麺、琥珀色に透き通る醤油味のスープが特徴。
是非食べておきたいと、発祥の店「新華園本店」の開店時間に飛びこむ。  

少しだけ青空が覗いた釜石駅、12:12発の花巻行きで "SL銀河" を追う。 

普通列車はJR東日本管内で広く普及したディーゼルカーの2両編成。
列車は意外にも座れない乗客が出るほどの混雑、地酒 "浜千鳥" は出る幕を失った。 

遠野駅前広場の水辺では伝説の「河童」が水遊びに興じている。  

 

3番線で待っていたC58-239号機、スノープラウを装着した姿は精悍に映る。
朱のプレート板がお洒落なアクセントになるね。運転席の窓に置かれた機関士帽が良い。 

客車は1号車の「青」から4号車の「濃紺」へとグラデーションしている。
星座たちが金色プレートで描かれているね。なんとも美しい。

"SL銀河" がゆったりと動きはじめる。やがて遠野の外れで宮守川橋梁を渡る。
半円が五つ連なるアーチ橋、通称「めがね橋」は、釜石線の前身・岩手軽便鉄道のころ、
宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」のモチーフになっている。
緑色や橙色でライトアップされた橋は、人々を幻想の世界へと誘うと云う。 

トトン、トトンとレールの繋ぎ目の音、時折山間に響く汽笛の声に身をゆだねる。
窓辺のテーブルには、遠野麦酒 "ZUMONA" のヴァイツェン、至福の時間が流れる。 

遠野から1時間半、ゆるりと山を下って来た "SL銀河" が北上川を渡ると終点の花巻。
到着後の1番線、屈強な機関士たちが優しく気遣うように足まわりを点検している。
戦中生まれの老貴婦人には過酷な旅だったろうか。お疲れさま。
呑み人も彼女が回送されるまで、反対側のホームに佇み、見守らずには居られないのだ。

釜石線 釜石~花巻 90.2km 完乗 

<40年前に街で流れたJ-POP>
銀河鉄道スリーナイン / ゴダイゴ 1979



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。