2024年10月7日(月)
沖縄の基地をめぐる四つの大問題
あかみね政賢さんと「オール沖縄」の勝利を
那覇市街頭演説会 志位議長の訴え
6日、那覇市内で行われた、あかみね政賢予定候補と「オール沖縄」4予定候補勝利を訴えた街頭演説会での日本共産党の志位和夫議長の訴え(全文)は次の通りです。
「オール沖縄」の4人全員勝利で、「ユクサー」政権に厳しい審判を
沖縄のみなさん、こんにちは。日本共産党の志位和夫です。大激戦の沖縄のたたかいに何としても勝ちたい、「オール沖縄」とあかみね政賢さんの必勝をとかけつけました。(拍手)
石破茂首相は、首相になったとたんに「9日解散、27日投開票」と宣言しました。「予算委員会をちゃんと開いて、国民に判断材料を示した上で信を仰ぐ」といったのは誰でしたか。数日前の自分の発言を平気で覆す。裏金問題にフタをしたまま選挙に逃げ込む。そういう人が、「納得と共感」を言ってもしらじらしいだけではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)
うちなーぐち(沖縄の方言)では、「うそつき」を「ユクサー」と言いますね。
みなさん、「ユクサー」政権に、沖縄から厳しい審判をくだそうではありませんか(拍手)。「オール沖縄」の1区のあかみね政賢さん、2区の新垣クニオさん、3区のヤラ朝博さん、4区の金城トオルさん――4人全員の勝利のために、保守・革新を超えたご支援を心から訴えます。(拍手)
「沖縄の心」をつらぬく「宝の議席」――力あわせ何としても勝利を
あかみね政賢さんは、2000年の初当選いらい、ずっと国会で一緒に闘ってまいりましたが、基地のない平和で豊かな沖縄のために、全力で頑張りぬいてきました。
私が今でも深い感動を持って思い出すのは、あかみねさんが、10年1月に行った予算委員会での質問です。自らの生い立ちに重ね合わせながら、沖縄県民の苦難の歴史――米軍による強権的な土地強奪、数々の犯罪と事故が横行し、県民が虫けら同然に扱われた米軍による占領支配を告発し、このうえ新基地建設か、と中止を迫った、あかみねさんの歴史的質問は、議場を静まらせ、議場を圧し、国民的な大反響を呼び起こしました。(拍手)
県民のたたかいあるところ、つねにあかみねさんの姿あり。それは多くの県民のみなさんが良く知っていることだと思います。うるま市石川に陸上自衛隊訓練場の建設計画がもちあがったときに、あかみねさんは現地にかけつけて調査を行い、市民のたたかいとむすんで、「オール沖縄」の5人の国会議員が衆参の委員会で繰り返し追及し、ついに計画を断念に追い込みました。(拍手)
ほんとうに「宝の議席」です。絶対に失うわけにはいきません。「沖縄の心」をつらぬく「オール沖縄」の代表、あかみね政賢さんの勝利をみんなの力でかちとろうではありませんか。(拍手)
石破首相は沖縄で何をやってきたか――分断と裏切りを許さない審判を
みなさん、この総選挙では、沖縄の基地をめぐって四つの大問題が問われています。
どの問題でも「オール沖縄」と、あかみねさんの勝利がどうしても必要です。
第一は、石破首相が沖縄で何をやってきたのかという問題です。
石破首相と沖縄との関係で絶対に忘れることができないのは、13年11月、自民党幹事長として県選出の党国会議員5人を自民党本部に呼びつけ、「辺野古容認」へと屈服させたことです。記者会見を行う石破幹事長の脇で、うなだれる5人の姿に、「平成の琉球処分」だとの県民のみなさんの激しい怒りの声が沸き起こりました。
県民への公約を裏切らせた者と裏切った者のどちらが悪いでしょうか。どちらも悪い(拍手)。裏切りは人間として最低・最悪の行為と言わなければなりません。(拍手)
9月17日、那覇市で行われた自民党総裁選の演説会で、石破氏は当時のことをわびました。ところがその中身は、「沖縄選出の国会議員に大変な迷惑をかけた」というものでした。わびる相手が間違っているではありませんか。わびるというなら沖縄県民にわびるべきではありませんか。(「そうだ」の声。拍手)
みなさん。「オール沖縄」とあかみねさんの勝利で、県民の分断と裏切りは決して許さないという審判をくだそうではありませんか。(拍手)
辺野古新基地建設に展望があるか――「これまでの経験」なら120年かかる
第二は、辺野古新基地建設に展望があるのかという問題です。
自公政権は、昨年12月以来、「代執行」という民主主義と地方自治を破壊する乱暴きわまるやり方で辺野古新基地を強行しようとしています。しかし、この道に展望があるのか。
あかみねさんは、今年2月の予算委員会で、「いったい、いつになったら辺野古は完成するのか」と追及しました。政府は「今後12年で基地は完成する」といっています。しかし水深の浅い辺野古側の工事でも、当初は「半年で終わる」と言っていたのに、その10倍の5年の年月を要した。あかみねさんは、この事実を指摘し、水深が深く超軟弱地盤が広がる大浦湾側の工事では、長期化は必至ではないかと追及しました。
岸田文雄首相は苦しくなって、「12年」というのは「過去の経験を踏まえたものだ」と答弁しました。あかみねさんは、「これまでの経験を踏まえるというなら、12年の10倍、120年ということになるではないか」とズバリ批判しました。120年と言えば、今日、おぎゃあと生まれた赤ちゃんが120歳になるまで普天間基地はなくならないことになります。“辺野古基地に展望なし”が、あかみねさんの質問で天下に明らかになったのではないでしょうか。(拍手)
政府は、「普天間基地の固定化を避けるため」と繰り返します。しかし事実は正反対です。辺野古に固執するかぎり、普天間は固定化される、これこそが真実ではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)
みなさん。「オール沖縄」とあかみねさんの勝利で、「辺野古新基地建設はキッパリ中止」「普天間基地はただちに閉鎖・撤去」の県民のゆるぎない意思を示そうではありませんか。(拍手)
米軍犯罪根絶、地位協定改定――地位協定の壁に風穴をあけたあかみねさんの勝利こそ
第三は、米軍犯罪を根絶し、日米地位協定の改定への道をどうやって開くかという問題です。
昨年12月、米兵が、16歳にも満たない少女を誘拐し、性的暴行を行うという凶悪事件が起こりました。ところが、政府は事実を公表せず、沖縄県にさえ通報していませんでした。この事件を含めて、昨年以降、6件もの性的暴行事件が隠蔽(いんぺい)されていたことが明らかになっています。
少女の人権と尊厳を蹂躙(じゅうりん)する重大事件を、自らの党略のために隠蔽する。隠蔽への反省も謝罪もない。ここまで堕落しきった政治には、厳しい審判をくだそうではありませんか。(拍手)
米軍に不当な特権を与えている日米地位協定の改定は急務です。石破氏は、先日の那覇市での演説会で、地位協定の「見直しに着手する」と表明しました。この発言に期待された方もいるかもしれません。ところが、一昨日の所信表明演説では地位協定の「ち」の字もありませんでした。この問題でも「ユクサー」の政治をするつもりなのか。石破首相の姿勢が厳しく問われています。
それでは、どうやって前に進めるのか。「オール沖縄」と、あかみねさんの勝利です。あかみねさんは、政府が地位協定改定に背を向けるもとで、その壁に風穴をあける大活躍をしてきました。少し前まで、公の催し事なら米兵が飲酒運転をしても日本が裁けないという密約があったのです。あかみねさんが「公式行事であれば飲酒運転をしてもいいというのか。そんなことで米軍の犯罪が抑止できるのか」と追及するもとで、日米両政府は、それまでの合意をあらため「飲酒運転はいかなる場合でも公務として扱わない」ことが確認されました。(拍手)
みなさん。「オール沖縄」とあかみねさんの勝利こそ、日米地位協定改定の、いちばんの力になることを訴えたいと思います。(拍手)
沖縄の軍事要塞化をどうやって止めるか――戦争を絶対に起こさない外交こそ
第四は、沖縄の軍事要塞(ようさい)化をどうやって止めるかという問題です。
「安保3文書」のもと、敵基地攻撃可能な長射程ミサイルを南西諸島にズラリと並べるなど、沖縄の軍事要塞化が日米一体で進められています。今月末、沖縄全域を戦場にすることを想定した「キーン・ソード」と呼ばれる、空前の日米合同軍事演習が計画されていますが、とんでもないことです。その中止を強く要求します。(拍手)
政府が音頭を取って、先島諸島の住民12万人を九州各県や山口県に避難させる計画を進めていることに、強い不安と怒りが広がっています。沖縄県民には、子どもたちを乗せた疎開船「対馬丸」が撃沈され、多くの犠牲者を出した悲劇の体験があります。かつて沖縄は本土決戦に向けた「捨て石」とされ、たくさんの犠牲者を出しました。今、再び沖縄が、アメリカの対中国軍事作戦の「捨て石」にされ、この美しい島が危険にさらされようとしている。こんなことは決して許してはなりません。(拍手)
政府は、口を開けば「有事に備える」と言いますが、それでは外交をやっているのか。戦争を絶対に起こさないための外交にこそ、あらゆる力を注ぐべきではありませんか(拍手)。デニー県政がとりくみ、日本共産党が提唱しているように、東南アジア諸国連合(ASEAN)と協力して、東アジアの全体を戦争の心配のない平和な地域にしていくための外交こそ、憲法9条を持つ国の政府がとりくむべき仕事ではないでしょうか。(拍手)
みなさん。「オール沖縄」とあかみねさんの勝利で、沖縄の軍事要塞化をストップさせ、外交の力で日本とアジアの平和をつくろうではありませんか。(拍手)
暮らし応援の政治への切り替えを。「基地と振興策のリンク」をやめさせよう
県民の暮らしをどうやって良くするかも大きな争点です。
物価高騰のもと、政府の調査でも国民の6割が「生活が苦しい」と訴えています。大企業・大金持ち優遇から、暮らし応援の政治への切り替えが必要です。
みなさん、税金は、大もうけしている大企業と大金持ちに、応分の負担をしてもらおうではありませんか(拍手)。消費税を5%に減税し、インボイスは廃止にしようではありませんか。(拍手)
沖縄の最低賃金は時給952円です。大幅引き上げが必要です。そのカギは中小企業への直接支援にあります。大企業の内部留保がどんどん増えています。増えた分に税金をかけ、10兆円の税収を中小企業への直接支援にあて、最低賃金を全国一律で時給1500円に引き上げようではありませんか。(拍手)
賃上げと一体に労働時間を「1日7時間」に短縮しましょう。人間はただ働いて、食べて、寝るだけの存在ではありません。暮らしを支える「収入」とともに、「自由な時間」があってこそ、本当に豊かな生活といえるのではないでしょうか。(拍手)
高すぎる大学の学費を、さらにあげる動きがありますが、とんでもありません。「学費ゼロ」をめざして、今すぐ半分にしようではありませんか。(拍手)
沖縄振興予算が10年間で800億円以上減らされました。県民1人あたり年間5万5千円、4人家族なら22万円以上ものお金が奪われています。しかしみなさん、沖縄振興予算とはどういう予算でしょうか。苛烈な地上戦にくわえ、戦後27年にわたって米軍施政下に置かれた、過去の県民のみなさんの労苦に対して、国が「償いの心」として支出してきた県民の暮らし向上のための予算であります。基地とリンクさせて減らすなど絶対にやってはならないのです。(拍手)
みなさん。「オール沖縄」とあかみねさんの勝利で、「基地と振興策のリンク」という卑劣な県民いじめをやめさせようではありませんか(「そうだ」の声、拍手)。翁長雄志前知事が言っていたように、米軍基地こそ沖縄経済の最大の阻害要因です。豊かで平和な沖縄をつくるために、一緒にがんばろうではありませんか。(拍手)
「オール沖縄」を発展させることにこそ、平和で豊かな沖縄への希望がある
最後にみなさん。自民党政治を変え、平和で豊かな沖縄をつくる希望はどこにあるでしょうか。私は、「オール沖縄」を発展させることにこそ希望はあるということを訴えたいのであります。
今年は、14年11月の知事選で翁長県政が誕生して、ちょうど10年目の節目の年です。私は、この10年間の沖縄県民のみなさんのたたかいから、多くのものを学んできましたが、とくに二つの点を言いたいと思います。
一つは、保革の垣根を超えた共闘の大切さです。10年前の県知事選のさい、翁長さんと初めてお会いしました。そのとき、翁長さんが笑顔で語りかけてきた言葉を忘れません。こうおっしゃった。
「これまで沖縄では、基地を挟んで保守と革新が対立していた。そのことでほくそえんでいたのは日米両政府です。これからは、保守は革新に敬意を持ち、革新は保守に敬意を持ち、力を合わせて平和な沖縄をつくりましょう」
互いに敬意をもち、大きなところで団結する。ここにこそ未来があるのではないでしょうか。(拍手)
もう一つは、「勝つ方法はあきらめないこと」という沖縄県民のみなさんのスローガンです。私は、17年に沖縄にうかがったおりに、名護市でこの言葉に接し、深く感動しました。強権をもって土砂を投入することはできても、県民の心まで埋め立てることはできません(拍手)。そして県民があきらめない限り基地は決してつくることはできません(拍手)。これが「オール沖縄」の固い確信であり、決意ではないでしょうか。(拍手)
短期決戦です。「オール沖縄」の底力を発揮し、ご支持の輪を広げに広げ、あかみね政賢さんをはじめ4名の全員の勝利を、どうかかちとらせていただきたい。私たちも全力で頑張ります。(力強い大きな拍手)