WHO専門家調査チームが中国で目にした
7つの事象
2月25日、世界保健機関(WHO)の中国調査専門家チームの責任者で、WHO事務局長補・高級顧問を務めるブルース・エイルワード氏はスイス・ジュネーブのWHO本部で記者会見を行い、中国・WHO新型コロナウイルス肺炎合同専門家調査チームの中国での調査状況について説明し、中国の感染拡大防止の経験を共有し、世界の感染予防・抑制への提言を行った。専門家調査チームは先ごろ中国で9日間にわたって行った調査で、以下の7点に注目していた。
1. 中国の強力な介入措置で感染蔓延の「曲線」が明らかに変化
一般的な疫学的法則に基づくと、新型コロナウイルスによる肺炎のような感染症は流行後に症例が急激に増える期間が現れる。専門家らは、中国の強力な介入措置は明らかに感染蔓延の「曲線」を変えたという認識で一致した。
2. 中国は地域ごとに「差別化」された予防・抑制措置を実施
武漢市と湖北省以外の場所に対してはレベルを分けた予防・抑制措置が取られ、「症例がない」、「症例が分散している」、「集団的に症例が出ている」、「コミュニティ内感染現象がみられる」地域に分けて、差別化した対応措置が実施されていた。
3. 中国の感染拡大防止の良策:全国民の動員と科学的な予防・抑制
中国の強力な動員力と行動力、民衆の大局観念、奉仕の精神、ポジティブな態度は特に称賛すべきだ。
ビッグデータや人工知能(AI)、5Gなどの技術を総合的に活用し、発熱外来を設け、オンラインの遠隔診療を行い、自治体が発行する「健康QRコード」を外出時の通行証にするといった中国の方法はシンプルかつ効果が高い。
4. 科学とエビデンスを基礎とした中国の感染拡大防止
中国は新型肺炎診療プランの第6版を発表しており、調査チームが接触したすべての医療従事者はこの最新版診療プランを使っていると述べていた。中国は非常に実務的でシステマティックなプランを用いて感染拡大を予防・抑制しており、こうした予防・抑制措置は強く印象に残ると同時に、実際的な効果の面でも極めて重要だ。
5. 調査チームの聞き取り調査の合間に眠ってしまうスタッフも
感染拡大防止の第一線で奮戦する医療従事者とスタッフは全力で任務に当たっており、非常に疲労している。調査チームの聞き取り調査の合間に眠ってしまうスタッフもみられた。また、中国の他の省(自治区・直轄市)の医療チームが個人の防護装備と医療設備を携えて湖北省へ支援に駆け付け、なかには病院全体を引き継ぐケースもあった。これは他の国では想像できないことだ。
6. 中国国民の粘り強さと貢献により、新型コロナウイルス感染拡大が大きく鈍化
武漢の街には人の姿が見られず閑散としていたが、建物のどの窓の向こう側にも感染拡大防止に協力する市民がいた。中国は驚くべき集団行動力と協力精神を示した。一人一人が動員され、統制がとれており、まるでウイルスとの闘いにおいて、ウイルスの蔓延を防ぐ共同責任を担っているかのようだった。中国国民の粘り強さと貢献は、新型コロナウイルスの感染拡大を極めて大きく鈍化させた。
7. 世界のために貴重な「感染拡大阻止のための時間」を稼いだ中国
WHOの一部協力専門家が提供したデータモデルによると、中国で行った人の移動を制限する措置により、中国国内のウイルス感染拡大のスピードは2日から3日遅くなり、中国国外への感染拡大のスピードを2-3週間遅らせた。(編集AK)
「人民網日本語版」2020年2月28日