「人権知らぬ自由は権力の自由」
差別禁止法制定求め46日間続けたハンスト=韓国
46日目にして差別禁止法ハンスト中断
「国民の力は与党の資格なし…
民主党は民主勢力自任をやめよ」
「どうしようもなく悔しくもあり、苦々しくもあり。(しかし)これで終わりではないということも非常によく分かるというか。そんな気持ちです」
差別禁止法制定連帯(差制連)責任執行委員のミリュさん(人権運動サランバン常任活動家)に、46日間にわたって続けてきたハンストを中断する心情を尋ねた。ハンスト座り込みでやせ細ったミリュさんは、20秒間沈黙した後、低い声で「これで終わりではないから」と語った。「ハンストは中断しますが、差別禁止法制定のための闘いに中断はありません」
差制連は26日、ソウル永登浦区(ヨンドゥンポグ)の国会前の座り込み現場でハンスト座り込み終了記者会見を行い「ハンストは平等な社会でより幸せに生きていくために選んだ闘争方法だったので、私たちの仲間の命が危険になるまでは続けないことを決めた」と語った。
記者会見でマイクを握ったミリュさんは、市民が差別禁止法の制定を求めているにもかかわらず、なかなか議論を進めない共に民主党と国民の力に対して「私たちが目撃したのは、この地の政治のみじめな失敗」だと述べた。
そして、「意見を聴取する公聴会さえ拒否する国民の力に、与党の資格はない。大統領が『自由』を叫んでどうするのか。人権を知らない自由は権力の自由にすぎない」と述べた。続けて「市民がこのように切に求めているのに、法案審査を始めることさえできない共に民主党も、民主勢力を自任するのはやめよ」と述べた。ハンスト座り込み45日目である前日(25日)、国会法制司法委員会の法案審査第1小委員会では、差別禁止法制定のための公聴会が開かれたが、国民の力は合意されていない公聴会だとして参加しなかった。
記者会見の参加者は、167議席を持ちながら差別禁止法の制定に積極的に取り組まない民主党を厳しく批判した。性的マイノリティ差別反対レインボー行動のイ・ホリム執行委員は「この場で確認するのは運動の失敗ではなく政治の失敗、そして国会の過半数を占める共に民主党の失敗」だと述べ、差制連のジオ共同執行委員長は「共に民主党に『過半数の議席でもって、せめて議論のテーブルに載せよ』として迅速処理案件への指定を求めたが、パク・ホングン院内代表と法制司法委員会のパク・クァンオン委員長からの返事はついになかった」と話した。
ミリュさんは、ハンスト座り込みの中断は新たなはじまりだと強調した。「ハンストは中断しますが、差別禁止法制定のための闘いに中断はありません。差別に立ち向かうのは、自らの尊厳を放棄することのできない人々にとってはやめられない闘いだからです。この闘いは法の制定にとどまらず、平等を目指して韓国の社会と政治を根本的に変える闘いへとつながらざるを得ません。この春、市民が丁重に与えた機会を逃した二大政党は、その審判の結果がいかなるものになるか、まもなく見ることになるでしょう。そして私たちはすぐに再会し、新たな闘いをつないでいくことになるでしょう。平等の春はもう始まっています」
差別禁止法案は2007年に法務部が初めて上程したが、プロテスタント界などの反対により、国会では法案上程と廃案が15年にわたり繰り返されている。昨年6月には10万人以上が署名した国会国民同意請願が法司委に付されたものの、法司委は昨年11月に審査期限を第21代国会最終日の2024年5月29日にまで延長している。
ミリュさんは、この日夜7時ごろから国会前で開かれる文化祭に参加した後に病院に向かう予定だ。差制連は、27日午前に国会前に設置した座り込み会場を撤去し、活動家の回復などの再整備を経て、下半期から差別禁止法制定を目指す運動を再開する計画だと明らかにした。