写真に写し出されている色は嘘ではなく実際のものだと述べた。ただし、人間の目で簡単に区別できるようにするために彩度を高め、それぞれの色が最大限現れるようにしてあるという。

2022-08-31 09:02:32 | 韓国を知ろう

20万枚の写真を合成した「月の肖像」…

半世紀ぶりの「月旅行」にささげる恋文

登録:2022-08-30 02:29 修正:2022-08-30 08:28
 
2人の写真家が9カ月間の編集作業を経て完成 
「米『アルテミス1号』に送るラブレター」
 
 
約20万枚の写真をつなぎ合わせて9カ月かけて完成させた月の写真=Andrew McCarthy & Connor Matherne//ハンギョレ新聞社

 1億7400万画素の超高解像度の月の写真が公開された。

 米国の2人の天体写真家が近日初飛行に挑む米国の新たな月着陸プログラム「アルテミス」を記念するため、約20万枚の個別の写真をつなぎ合わせて9カ月かけて完成させた写真だ。

 天体写真作家のアンドリュー・マッカーシーさんとコナー・マッセンさんは「アルテミス狩り」(The Hunt for Artemis)と題するこの写真を、20日にコミュニティ・ウェブサイト「レディット」に掲示し、「私たちが考えうる最も途方もなく詳細な月の写真」と紹介した。

 
 
1億7400万画素の月の写真を構成する1ピース=Andrew McCarthyさんのツイッターより//ハンギョレ新聞社

 赤い領域は地球から飛んでいった酸素によって酸化した鉄と長石が豊富な場所、青い領域は表面にチタンが豊富な場所だ。今月5日に打ち上げられた韓国の月探査船に搭載された広視野偏光カメラは、史上初の月面全体のチタン分布図を作成する計画だ。

 2人は、写真に写し出されている色は嘘ではなく実際のものだと述べた。ただし、人間の目で簡単に区別できるようにするために彩度を高め、それぞれの色が最大限現れるようにしてあるという。

 
 
         最も大変だったのは澄んだ夜空を待つことだった//ハンギョレ新聞社

最も大変だったのは待つこと

 2年前、初めて月の合成写真を共有することで意気投合した2人は、昨年11月から本格的な作業に入り、9カ月かけて史上最も精密な月の写真を完成させた。

 マッカーシーさんはアリゾナ州で月の各所の地形的特徴に焦点を合わせて20万枚の写真を撮り、マッセンさんはルイジアナ州で月面の色をとらえることに特化して500枚を撮影した。

 続いて2人は、写真編集ソフトを用いて相手の写真に自分の写真を重ねるというやり方で月の写真を作っていった。数年前から詳細な月の合成写真を作ってきたマッカーシーさんは、マッセンさんの色のデータの収集能力がなかったら、暗い灰色の写真になっていただろうと話した。

 
 
マッカーシーさんは地形の特徴をとらえ、マッセンさんは色のデータを収集することに重点を置いた=NPR提供//ハンギョレ新聞社

 マッカーシーさんは公共ラジオ放送「NPR」に対し「すべてをモザイクのように組み合わせており、モザイクを構成する各タイルは数千枚の写真で構成されている」と語った。

 彼は、最も大変だったのは写真を撮るのに適した澄んだ夜空を待つこと、すなわち忍耐力を持つことだったと付け加えた。誰もができることではあるが、特別な気質が必要だということだ。

 マッカーシーさんは自身のツイッターに「この写真は50年ぶりに月に行くアルテミス1号に送るラブレター」だと記した。

クァク・ノピル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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イ・ジョンソプ国防部長官は29日、日本の海上自衛隊創設70周年観艦式への参加について「憂慮する部分を考慮し、国際観艦式の概念や慣例などを総合的に考慮して決める」と述べた。

2022-08-31 08:50:07 | これが岸田・元安倍内閣の本質

「旭日旗」海上自衛隊に敬礼、観艦式に出席?…

韓国国防相「慎重に検討」

登録:2022-08-30 02:31 修正:2022-08-30 08:20
 
旭日旗に対する敬礼問題で波紋
 
 
2015年、日本の東京南方の相模湾で海上自衛隊の観艦式が行われている=資料写真//ハンギョレ新聞社

 イ・ジョンソプ国防部長官は29日、日本の海上自衛隊創設70周年観艦式への参加について「憂慮する部分を考慮し、国際観艦式の概念や慣例などを総合的に考慮して決める」と述べた。イ・ジョンソプ長官はこの日、国会国防委員会の全体会議で「『政府は積極的に観艦式参加を考慮している』とする一部メディアの報道内容の『積極』は正しくない」としつつ、このように述べた。

 海上自衛隊は11月の創設70周年観艦式に韓国海軍を招待したが、海上自衛隊の旗は日本軍国主義の象徴である旭日旗と模様が同じであるため、物議を醸している。海の軍事パレードといえる観艦式の際には、主催国の軍の統帥権者が観閲する艦艇である座乗艦に乗って各国の艦艇を観閲する。この時、各国の艦艇は座乗艦に対艦敬礼を行うことになる。対艦敬礼は、海上で軍艦同士が出会った際に、指揮官の階級がより高い軍艦に対して行うもので、世界の海軍に共有されている海上儀礼だ。日本の観艦式に韓国海軍の艦艇が参加すれば、旭日旗を掲揚した自衛隊の座乗艦に敬礼することになる。海軍は、2018年の韓国の観艦式を前に、日本に対し参加する海上自衛隊艦艇に旭日旗を掲げさせないよう求めたが、日本は拒否し、参加していない。

 イ長官は「2018年に日本が韓国海軍の観艦式に参加しなかったのは旭日旗問題のためだというのはその通りだが、その前には日本の艦艇に海上自衛隊旗が掲揚され、相互に2回ずつ観艦式に参加している」と説明した。

 この日、共に民主党のソル・フン、キム・ヨンベ両議員は、観艦式参加に反対を表明した。キム・ヨンベ議員は、国防部は日本の観艦式に参加するために「日本の航空機への対応指針」の廃棄を検討しているのではないかとただした。日本の航空機への対応指針には、日本の軍用機が警告通信を無視して低空近接飛行を行った際にはレーダーを「照射」せよとの内容が含まれている。同指針についてイ長官は「韓日関係とともに検討すべき部分」だとし「観艦式への参加検討と日本の航空機への対応指針は別個の問題であり、連係するつもりはない」と語った。

 ソル・フン議員は、「2018年の韓国海軍の観艦式で旭日旗を降ろすよう求めたら日本は艦艇が参加しなかった。今回、韓国が日本の観艦式に参加すれば国民は何と言うだろうか。人は行って軍艦は行かないという形で賢く避けるのが良い」と述べた。これに対してイ長官は「おっしゃった部分も重要な考慮要素なので、共に慎重に考慮する」と答えた。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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「ロンドンハンギョレ学校には今や南北の教師と子どもたちが交わっています。学校では統一が実現しているということです。

2022-08-30 07:20:00 | 南北は一つ

ロンドンの脱北民ハングル学校で実現した「南北統一」

登録:2022-08-29 10:34 修正:2022-08-29 11:02
 
ドキュメンタリー映画「ロンドンハンギョレ学校年代記」チャン・ジョンフン監督 
ハングル学校開校から6年の記録 
「南北の教師と子どもたちが交わっている所 
一人でも多くの人が後援会員になってくれたら」
 
 
ドキュメンタリー映画「ロンドンハンギョレ学校年代記」のチャン・ジョンフン監督がカメラに収めた学校の子どもたちの様子=チャン・ジョンフン監督提供//ハンギョレ新聞社

 英国のロンドン郊外のニューモルデン地域は「リトルコリア」と呼ばれる。2万人ものコリアンが暮らしているからだ。そのうち北朝鮮を離脱した脱北民が800~1000人ほどになる。2000年代後半、英国が人道的次元で難民と認定し、大勢を受け入れた。最初は韓国に定着し、その後英国に渡った人も多い。

 ロンドンに住むチャン・ジョンフン監督は、この地域の脱北民に注目した。「朝鮮半島を離れて欧州に定着した脱北民集団としては第1世代ではないかと思い、それならば記録する価値があると考えました」。10日、ソウル麻浦区の本社社屋で会ったチャン監督は語った。

 チャン監督は1990年代初めに新聞記者としてしばらく働き、1996年から英国に留学した。映画科で映像ドキュメンタリーを勉強し、修士課程まで終えた。ロンドンで独立プロデューサーとして放送の外注制作の仕事を主にしていた彼は、2015年頃に完全に自分だけの作品を作ることを決心した。脱北民に関心を持っていたところ、子どもたちのためにハングル学校を作るという話を聞いた。「ただの北朝鮮ドキュメンタリーにした場合、憂鬱で腹立たしく過去志向の話になりそうでした。でも学校と子どもたちの話にすれば、明るくて楽しく未来志向になるのではないかと考えました」

 2016年1月23日、「ロンドンハンギョレ(同胞)学校」が開校した。2002年に脱北したチェ・スンチョルさんが設立を主導し、ソウル出身のパク・チョンミンさんが趣旨に共感して設立費用の一部を担い理事長を務めた。場所は近くの教会のスペースを借り、保護者や韓国から来た留学生などがボランティアで教師になった。学費は無料。学校の運営費が足りない時は、保護者らがフリーマーケットで中古の品を売って補填した。

 
 
ドキュメンタリー映画「ロンドンハンギョレ学校年代記」を制作したチャン・ジョンフン監督=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 チャン監督は開校準備の段階から地道に記録した。「脱北民たちは北朝鮮に残してきた家族に万が一にでも不利益が及ぶのではないかと、カメラを避けます。逃げて隠れてきた人たちなので疑い深かったんです。いつもそばにいて一緒にご飯を食べ、お酒を交わしながら信頼を積むしか方法はありませんでした。そんなふうに数年根気強く続けたら、信頼が生まれました」。最初は2年くらいを想定していた撮影期間は、いつしか6年を越えた。「先生と保護者の皆さんが全員変わる間に、私が学校で一番の古参になってしまいました。それくらいになると、私を仲間のように思ってくれるようになったんです」

 チャン監督は、子どもたちが遊ぶ姿から南北関係が見えたと語った。「誰かが叩いたら、子どもたちは一緒に相手に立ち向かって、叩かれた友達を慰めてあげます。南と北はどうしてそのようにできないんでしょうか。水遊びに行った子どもたちのうち一人が、木の棒をついて滑りやすいところをかろうじて登ります。そしてほかの子らが登れるように木の棒を差し出します。それを見て『経済発展を遂げた韓国が北朝鮮に木の棒を差し出してあげられないのだろうか』と思いました」

 脱北民が子どもたちにハングルを教えるのは、アイデンティティを失わないようにとの意味からだ。映画には、チェ・スンチョルさんが英語は上手だが朝鮮語がうまくできない二人の息子を叱る場面が出てくる。英国で二人の息子を育てたチャン監督も強く共感する内容だ。「私の子どもたちも英国で韓国人としてのアイデンティティを持って、韓国語を身につけながら暮らしてほしいと願う気持ちは同じです」

 
 
ドキュメンタリー映画「ロンドンハンギョレ学校年代記」のチャン・ジョンフン監督がカメラに収めた学校の子どもたちの様子=チャン・ジョンフン監督提供//ハンギョレ新聞社

 チャン監督は今年初めに学校で、映画『ロンドンハンギョレ学校年代記』の第1回完成版上映会を開いた。保護者たちは「監督はこんな話を伝えようと一生懸命私たちを撮ってたんですね。そうと分かっていたらもっと協力してあげればよかった」と話した。「ぐっときました。やっと私をちゃんと受け入れて、私の気持ちを分かってくれたんだと、やり甲斐も感じました。ドキュメンタリーが世に出ずこれで終わってしまったとしても、この人たちの励ましになり、歴史の記録を残したからそれで十分だ、そう思いました」

 チャン監督は先月初めに、妻と二人の息子とともに韓国にやってきた。子どもたちに韓国を見せてあげたかったからだ。韓国を訪れた機会に映画のコミュニティ上映会も5回開いた。映画を見て、一人でも多くの人が学校の後援会の会員になってくれたらという願いからだ。「せめて英国人たちが集まってハングルを勉強すると言えば、韓国大使館がハングル学校として認めて支援してくれるそうですが、ロンドンハンギョレ学校に対する韓国政府の支援はいまだにありません。それでも、韓国の後援会メンバーの寄付に助けられています」

 チャン監督は16日、英国に戻った。来年中に映画の追加作業を終え、映画祭などを通じてより多くの人々に見せるのが目標だ。「ロンドンハンギョレ学校には今や南北の教師と子どもたちが交わっています。学校では統一が実現しているということです。映画を見て、南北もあのように自然に統一できるのかもしれないという希望を持ってもらえるなら、これ以上望むことはありません」

ソ・ジョンミン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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この勢力は「普通の国」づくりを名目に、平和憲法の解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を強行して、平和憲法第9条の形骸化を招いた。武器輸出三原則を見直して、日本の軍需産業の再強大化・・

2022-08-29 08:56:46 | 中国を知らなければ世界はわからない

専門家

「日本は歴史の教訓を深く汲み取らなければならない」

人民網日本語版 2022年08月17日15:40
 

かつて軍国主義的侵略戦争を発動した日本にとって、本来8月15日は歴史を直視し、罪責を反省する日であるべきだ。しかし、日本の一部政治屋は、この日の前後に第二次世界大戦のA級戦犯を祀る靖国神社に参拝することを選んだ。このような誤った行為は、歴史問題の扱いにおける日本側の誤った姿勢を改めて示すものである。日本右翼勢力は長年にわたり、軍国主義的侵略の犯罪行為を矮小化し、戦後国際秩序の束縛からの脱却を企て、戦後の平和的発展路線を否定しており、これを強く警戒するだけの理由がアジア近隣諸国と国際社会にはある。(文:呂耀東・中国社会科学院日本研究所副所長。人民日報掲載)

近年、日本の右翼勢力が膨張し続けており、日本政治の右傾化が激化している。この勢力は「普通の国」づくりを名目に、平和憲法の解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を強行して、平和憲法第9条の形骸化を招いた。武器輸出三原則を見直して、日本の軍需産業の再強大化を企てた。海外派兵を実現・拡大して、自衛隊が海外で武力を行使する行動範囲の拡大を図った。現在、日本の右翼は、憲法改正手続きの推進に一段と力を入れており、戦後体制をさらに変え、現行憲法の平和主義精神を取り除き、日本の軍事力拡充と海外での軍事力行使のために、法的規制のより徹底的な緩和を企てている。

日本はまた、戦後国際秩序の束縛からの脱却という企てを達成するため、近隣諸国のいわゆる「脅威」を頻繁に誇張し、日米同盟を格上げし、いわゆる「民主主義」「自由」「人権」を旗印に掲げつつも、実際には地域の平和・安定・発展を損なう行動を取っている。日本は台湾問題を持ち出して騒ぎ立て、米国追随の「台湾を利用した中国牽制」を企てている。しかし、1972年の中日国交正常化の際に署名された「中日共同声明」は、台湾地区が中国の領土の不可分の一部であるとの中国政府の立場を日本政府が十分理解し、尊重し、ポツダム宣言の条項に従う立場を堅持することを明確に規定している。台湾問題における日本の様々な間違った言動は、明らかに自らの約束に背き、中日関係を深刻に損ない、地域の安定を脅かすものである。日本が隣国を自国の困難のはけ口にし、地域を分断することに執着するのであれば、地域諸国から一斉に反発を受けることは必至だ。

日本の発動した軍国主義的侵略戦争は、地域諸国、特にアジアの被害国の人々に甚大な惨禍を引き起こし、消しようのない苦しみの記憶をもたらした。その歴史を正しく認識し、扱うことは、国際的な正しい道理と正義を守るために必要な事であり、日本がアジア近隣諸国との関係を改善するうえでの重要な基礎でもある。日本は歴史の教訓を深く汲み取り、自らの約束を厳守し、平和的発展路線を堅持し、実際の行動によってアジア近隣諸国と国際社会の信頼を得なければならない。(編集NA)

「人民網日本語版」2022年8月17日

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性的マイノリティ団体の体育館使用を取り消したソウル市東大門区と東大門区施設管理公団に対し、「性的指向などを理由にした差別行為」に当たるとして損害賠償せよという判決が、韓国最高裁

2022-08-28 10:01:47 | 韓国を知ろう

韓国最高裁、

性的マイノリティ団体への貸館拒否に「損害償」…

差別禁止の道しるべに

登録:2022-08-25 10:48 修正:2022-08-25 12:39
 
原審「平等権侵害、損害賠償せよ」 
最高裁、審理不続行棄却で原審確定
 
 
16日午後、ソウル広場で3年ぶりに開かれた「ソウルクィア文化祭」で、大型の虹の旗が広げられている/聯合ニュース

 性的マイノリティ団体の体育館使用を取り消したソウル市東大門区と東大門区施設管理公団に対し、「性的指向などを理由にした差別行為」に当たるとして損害賠償せよという判決が、韓国最高裁で確定した。

 24日の本紙の取材を総合すると、最高裁3部(主審キム・ジェヒョン最高裁判事)は、性的マイノリティ人権団体「クィア女性ネットワーク」所属の「オンニネットワーク」と活動家4人が、東大門区と東大門区施設管理公団などを相手取り起こした損害賠償請求訴訟で19日、審理不続行棄却で、原告一部勝訴判決を下した原審を確定した。審理不続行棄却とは、原審に重大な法令違反など特別な理由がなければ最高裁が本案審理なしに上告を棄却する制度だ。

 クィア女性ネットワークは2017年10月21日、クィア女性生活体育大会を開くために、東大門区体育館を貸館予約した。しかし、性的マイノリティの行事であるという理由で苦情が来たことを理由に、東大門区施設管理公団は行事を約1カ月後に控えた同年9月26日、「体育館の天井の工事をしなければならない」として、貸館取り消しを通知した。その過程で公団関係者は団体側に「(行事が)良風美俗を害する恐れがある」という趣旨のことを話してもいる。これに対しオンニネットワークと活動家たちは「貸館取り消しは体育大会の目的および予想参加者たちの性的指向などを理由にしたもので、性的指向などを理由にした差別に当たり違法である。貸館許可取り消しにより活動家の平等権および集会の自由が侵害された」として、2020年1月に損害賠償請求訴訟を起こした。

 
 
東大門区の貸館取り消しに抗議して開かれた「2017女性性的マイノリティ決起大会」の参加者らによる抗議の表示として、東大門区庁正門に貼られたカード=クィア女性ネットワーク提供//ハンギョレ新聞社

 一審は体育館貸館取り消しは違法だとしながらも、これによる損害が発生したとはみられないとし、原告敗訴の判決を下したが、二審は原告の主張を大部分認めた。5月、控訴審の担当法廷は公団がクィア女性ネットワークに体育館を貸館した直後から抗議の申立てを受けていた点、体育館工事に緊迫した事情がなかったという点などを考慮し「貸館許可取り消しは性的指向などを理由とした差別行為であり、オンニネットワークに対する差別であるだけでなく、体育大会の開催・準備者および予想参加者に対する差別でもある。したがって、貸館許可取り消しにより団体と活動家の平等権がすべて侵害された」とし、それにともなう損害賠償責任も認めた。損害賠償額は、公団が貸館許可取り消しの違法性を知りながら取り消した点、貸館許可取り消し理由を虚偽通知した点、差別行為再発防止の必要性がある点などを考慮し、団体に500万ウォン、活動家1人あたり100万ウォンの計900万ウォンに決定された。

 訴訟に参加したパク・ハンヒ弁護士(希望をつくる法律)は、ホームページを通じて勝訴のニュースを伝え、「韓国社会に蔓延している公共機関の性的マイノリティ差別に警鐘を鳴らすための訴訟だった。長い裁判を経て、最高裁で最終的に意味ある判決を受けたが、今後も差別に立ち向かってすべての領域での平等を達成するために闘い続ける」と感想を表明した。

シン・ミンジョン記者shin@hani.co.kr(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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