西村大臣は結局、会見後に記者団に「私がちょっと言い間違えた」と釈明せざるをえなかった。

2023-04-19 10:02:08 | 福島の海はよごれている!

「汚染水放出を歓迎?」…日本の「ごまかし」とドイツの反論

登録:2023-04-18 05:55 修正:2023-04-18 07:34
 
[現場から]
 
 
西村康稔経済産業相(右側から3番目)は16日、札幌で開かれた主要7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合が終わった後、イタリアとドイツの長官とともに共同記者会見を行った/EPA・聯合ニュース

 16日、北海道の札幌で開かれた主要7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合が終わった後、記者会見が開かれた。主催国の日本からは西村康稔経済産業相が出席し、イタリアとドイツの環境相が同席した。

 はじめにマイクを取った西村経産相は「(福島原発の)処理水の海洋放出を含む廃炉の着実な進展、そして、科学的根拠に基づく我が国の透明性のある取り組みが歓迎される」と述べた。東京電力の福島第一原発に保管中の放射性物質汚染水を今年夏に海洋放出する日本政府の計画を、G7が「歓迎した」という意味だった。

 すると、隣の席のドイツのシュテフィ・レムケ環境相が反論した。レムケ環境相は「原発事故後、東京電力や日本政府が努力してきたことには敬意を払う」としながらも、「処理水の放出を歓迎するということはできない」と言い切った。

 G7大臣会合を終えた後に行われる記者会見でこうした「露骨な反論」が出てくるのは、きわめて異例のことだ。レムケ環境相が、ムードがこわばる状況を甘受してでも言わざるをえなかったのは、西村経産相が共同声明とは違う話をしたためだ。この日採択された声明には、福島原発について「廃炉作業の着実な進展とともに、科学的根拠に基づき国際原子力機関(IAEA)とともに行われている日本の透明性のある取組を歓迎する」という内容が盛り込まれた。汚染水については「IAEAの安全性の検証を支持する」と明記しただけだった。「処理水放出を歓迎する」という文言はない。にもかかわらず、西村経産相は二つの内容を混ぜ、G7が汚染水放出を歓迎したかのように「ごまかした」のだ。西村大臣は結局、会見後に記者団に「私がちょっと言い間違えた」と釈明せざるをえなかった。

 ところで、これは本当に言い間違いなのだろうか。日本政府は議長国の地位を活用し、この声明文に「処理水放出歓迎」の文言を入れるために、執拗に準備してきた。G7が歓迎したということを盾に、韓国や中国などの周辺国と日本国内の反対世論を突破するつもりだった。この文言を草案に入れ、自国のメディアにこれを裏で流しつつ(朝日新聞2月22日付1面報道)、2カ月以上にわたり各国を説得したが、最終的には失敗したのだ。

 こうした寸劇を見て思い浮かぶのは、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の「対岸の火事」の姿勢だ。汚染水問題を総括対応する国務調整室は16日、G7共同声明について「韓国政府は、汚染水処理は科学的かつ客観的に安全で国際基準に合致しなければならない」とする立場を明らかにしただけだった。もし、韓国の環境相が記者会見の席上にいたとすれば、レムケ環境相のように現場で反論できただろうか。

 汚染水放出は間近に迫っている。国民が福島原発汚染水は安全なのかを尋ねても、尹政権はまったく同じ話を繰り返しているだけだ。状況がこうだから「対岸の火事」という批判が繰り返し出てくるのだ。

 
//ハンギョレ新聞社

東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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東電は承認手続きが終われば管轄地方自治体の同意を得て、放出のための設備工事を本格的に始める予定。

2022-05-22 08:36:15 | 福島の海はよごれている!

福島第一原発汚染水、結局…「私たちの海を守ろう!」

登録:2022-05-21 01:04 修正:2022-05-22 07:49
 
環境団体、「福島第一原発汚染水」の海洋放出に反対するパフォーマンス 
日本の原子力規制委員会、汚染水の海洋放出を事実上承認
 
 
環境市民団体のメンバーたちが今月20日午前、ソウル鍾路区の日本大使館前で、福島第一原発の放射能汚染水の海洋放出に反対する内容のパフォーマンスを行っている=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 韓国の環境保健市民センターや環境運動連合の海委員会など、環境市民団体のメンバーたちが20日午前、ソウル鍾路区(チョンノグ)の日本大使館前で緊急記者会見を開き、福島第一原子力発電所の放射能汚染水の海洋放出に反対の立場を明らかにした。

 
 
環境市民団体のメンバーたちが今月20日午前、ソウル鍾路区の日本大使館前で、福島第一原発の放射能汚染水の海洋放出に反対するスローガンを叫んでいる=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 日本の原子力規制委員会は18日、福島第一原発の放射能汚染水を海水と混ぜて来春から海に流すという東京電力の計画を事実上承認した。東電は汚染水を多核種除去設備(ALPS)で処理した後、海水で薄め、トリチウム(三重水素)濃度を下げて海に放出する計画だ。 東電は承認手続きが終われば管轄地方自治体の同意を得て、放出のための設備工事を本格的に始める予定。現場の写真を集めた。

 
 
日本の原子力規制委員会は18日、福島第一原発の放射能汚染水を海水と混ぜて来春から海に流すという東電の計画を事実上承認した=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社
 
 
環境市民団体の会員たちが20日午前、ソウル鍾路区の日本大使館前で、福島第一原発の放射能汚染水の海洋放出に反対する内容のパフォーマンスを行っている=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社
キム・ジョンヒョ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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グリーンピースはまた同報告書に、今年3月に発表された日本の電力中央研究所の調査結果など、最近まで明らかになった放射性汚染の経路が含まれていないことも問題点だと指摘した。

2021-12-17 18:19:45 | 福島の海はよごれている!

グリーンピース

「東京電力の汚染水海洋放出、韓国への被害影響考慮していない」

登録:2021-12-17 06:26 修正:2021-12-17 07:12
 
「福島原発の影響評価報告書」の「IAEA基準下回る」という内容に反論 
「IAEA指針の一部だけを都合よく借用した問題あり 
総合的汚染経路の最新研究結果を反映すべき」 
東京電力、18日まで外部意見募集し、最終報告書発表する予定
 
 
        日本の福島第一原発に設置されている汚染水保管タンク/聯合ニュース

 国際環境団体グリーンピースは16日、東京電力の福島第一原発汚染水の放射線影響評価が、国際原子力機関(IAEA)の指針を便宜的に借用し、韓国をはじめ近隣諸国の市民が受ける被害の影響を考慮しなかったという内容の意見書を東京電力に提出した。

 グリーンピースが提出した意見は、東京電力が先月発表した「ALPS処理水の海洋放出に係る放射線影響評価報告書(設計段階)」対する検討意見だ。東京電力は同報告書で、「(汚染水を海に放出しても)人および環境への影響は極めて軽微であることが示された」と主張し、今月18日まで該当報告書に対する外部の意見を募集して最終報告書に反映すると明らかにした。

 グリーンピースの東アジアシニア核問題スペシャリスト、ショーン・バーニー氏は、同報告書について「汚染水の海洋放出に正当性を与えるための断片的な放射線評価」だとしたうえで、「東電は十分な科学的根拠なしに10平方キロメートル範囲以上の海域と海洋生態系に被害を及ぼさないと断定した」と指摘した。

 東京電力は報告書を発表し、IAEAの指針に従って作成したと明らかにした。しかしグリーンピースは「検討の結果、東電は放射線影響評価対象を非常に細かい領域に設定しただけでなく、IAEAの指針も都合よく借用した。結局、現在の放射線影響評価範囲に韓国をはじめとする近隣諸国の市民が受ける被害影響は考慮されなかった」と指摘した。

 IAEAの一般安全指針(No.GSG-9)は、放射線影響評価を行う際、自然放射能や核兵器の実験、原発事故などの影響を考慮し、原発敷地周辺の水や土壌、植物、穀物など、さまざまな環境領域の放射能濃度も一緒に測定するよう定めている。グリーンピースは、東京電力がこのような指針に明示した総合的な環境影響評価を履行せず、汚染水が少なくとも30年間放出される状況で、海洋生態系に及ぼす長期的な被ばく被害についても説明しなかったと指摘した。グリーンピースは「これは汚染水の海洋放出による海洋生物とこれを摂取した人間につながる被ばくの危険など、潜在的影響を意図的に縮小した行為」だと主張した。

 グリーンピースはまた同報告書に、今年3月に発表された日本の電力中央研究所の調査結果など、最近まで明らかになった放射性汚染の経路が含まれていないことも問題点だと指摘した。新たな放射性物質の汚染経路が発見された場合、評価に反映すべきというIAEAの勧告を守っていないという主張だ。電力中央研究所が福島沿岸の堆積物から採取した7つのサンプルからは、いずれもセシウムの含有量の高い微粒子が発見された。

 グリーンピースは、報告書が汚染水を海洋に放出しなければならない理由を説明せず、福島第一原発の廃炉が汚染水に及ぼす影響が全く取り上げられていない点も問題視した。

 グリーンピースの脱原発キャンペーナーのチャン・マリ氏は「東電の放射線影響評価は汚染水の2次浄化処理が必ず成功する状況だけを前提にしており、現実とはかけ離れている」とし、「多核種除去設備(ALPS)は数年間、高毒性の放射性物質を完全に処理するのに失敗してきた。今後韓国を含む国際社会は、汚染水の海洋放出自体が科学的かつ技術的に避けられないのかについて、東電に検証を求めなければならない」と述べた。

キム・ジョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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