防衛省は本紙の取材に、「取得を進めているトマホークは最新型のブロックVで、対地攻撃用となる」と回答しました。

2023-04-30 10:02:02 | アメリカの対応

他国領攻撃特化 厚壁貫通も

日本購入トマホーク 性能判明

全イージス艦に配備

 岸田政権が進める「敵基地攻撃能力」保有の一環として、防衛省が取得を進めている米国製の長距離巡航ミサイル・トマホークは最新鋭の「ブロックV(5)」で、対地攻撃に特化したものだと分かりました。搭載される弾頭は厚い壁を貫通し、無数の破片が飛び散って内部を破壊することが可能とされています。他国領土への攻撃に特化した兵器で、もはや「専守防衛の範囲内」との説明は成り立ちません。


 米軍は2021年から、航法・衛星通信能力を向上させた「ブロックV」の配備を開始。今後、主に洋上の艦船を攻撃する「ブロックVa」(MST=海洋打撃トマホーク)と、対地攻撃に特化した「ブロックVb」に分かれます。防衛省は本紙の取材に、「取得を進めているトマホークは最新型のブロックVで、対地攻撃用となる」と回答しました。

 「ブロックVb」には「JMEWS」(統合複合作用弾頭システム)と呼ばれる弾頭を搭載。厚い壁を単発で貫通・破壊できるとしています。政府は敵基地攻撃の対象として、政府機関など相手国の「指揮統制機能」も挙げています。強固な防護壁で覆われた地下司令部などの破壊を可能とするものです。

 さらに、JMEWSは着弾後に無数の破片を生成する「爆破・破砕」機能を有しています。破片が高密度で飛び散り、防護壁内部の人員を殺傷することが可能です。米軍がイラクやアフガニスタンで使用した地中貫通爆弾(バンカーバスター)と、無数の子爆弾が分散するクラスター(集束)爆弾のような能力を併せ持つ殺りく兵器です。

地図:イージス艦の配備先

 また、海上自衛隊のイージス艦全8隻をトマホーク配備可能にする計画も判明しました。防衛省は23年度予算にトマホーク400発の購入費用2113億円と、イージス艦にトマホークを搭載するための関連器材の取得費1104億円を計上。同省は、関連器材の取得費は「8隻分」だと明らかにしました。24年度にイージス艦の改修費用を盛り込み、25年度以降、トマホーク配備を狙っています。

 イージス艦が配備される横須賀(神奈川県)、舞鶴(京都府)、佐世保(長崎県)各基地周辺に、トマホークを保管する大型弾薬庫が建造され、有事の際の攻撃目標となる危険があります。

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 朝鮮王朝を代表する法宮建築物で、1866年に高宗と興宣大院君が再建した景福宮。

2023-04-29 08:54:13 | 韓国文化
 

100年前に日本が埋めた「王の階段」…

光化門の月台跡発掘=韓国

登録:2023-04-27 21:07 修正:2023-04-28 13:53
 
光化門前の月台跡発掘…日本の電車線路で損傷
 
 
国立ソウル文化財研究所が最近発掘した光化門前の月台遺跡の現場を上から見下ろした図。日本植民地時代に敷設された電車線路の湾曲したV字形の跡が目に入る。線路が分かれる中央部地点の直下に月台の御道と南側階段の突出部分が見える=国立ソウル文化財研究所提供//ハンギョレ新聞社

「王の階段」が現れた。

 100年前、電車の線路に損傷されて地中に埋もれていた尊い階段が、再び地上の日差しを浴びる。

 朝鮮王朝を代表する法宮建築物で、1866年に高宗と興宣大院君が再建した景福宮。この宮殿の威厳に満ちた存在感を、正門の光化門前の入り口でまず最初に示す通路施設「月台(ウォルデ)」の御道(王だけが歩く道)の階段や基壇部などの跡が、最近鮮明に姿をあらわした。

 韓国文化財庁傘下の国立ソウル文化財研究所は25日、昨年9月から光化門の門楼前大通りの地中を掘り下げ、集中的に調査した結果、門楼の入り口に進入する人工通路の構造物である月台の主要な跡を発見したと発表した。

 調査内容によれば、月台の全体規模は南北48.7メートル、東西29.7メートルにのぼる。遺跡の中心である御道は、光化門中央門につながる幅約7メートルの通路であることが分かった。比較的原型が残っている月台東側の遺跡を発掘し、高宗の景福宮再建当時の月台の全体像も再構成できるようになった。月台復元のための実物資料を多量に確保したことが最大の成果だという。

 
 
光化門前の月台遺跡を説明するための合成写真。黄色く表示された部分が月台圏域だ=国立ソウル文化財研究所提供//ハンギョレ新聞社
 
 
1923年頃に撮ったと推定される光化門とその前の月台の全景。欄干石で囲まれているが、南側入り口の王の御道はほとんど傾斜路に変わり、西側と東側の端にだけ階段構造を残した=国立ソウル文化財研究所提供//ハンギョレ新聞社
 
 
1917年頃に撮影した光化門とその前の様子。月台の欄干石はあるが、階段はなくなり、御道と左右の階段はすべて傾斜路に変わっている。国立中央博物館に所蔵されているガラス乾板写真=国立ソウル文化財研究所提供//ハンギョレ新聞社

 1865~1868年の3年3カ月にわたり景福宮再建工事の過程を記録した『景福宮永建日記』と、1890年代以降の写真資料によると、光化門月台は、長台石を整えて作られた細長い基壇石と階段石、欄干石で囲い、内側を土で埋めた建築構造物だった。韓国国内で宮殿正門に欄干石を敷き基壇を築いた事例としては唯一のものだった。

 実際、発掘調査の結果も記録とほぼ一致した。だが、月台跡の細部構造は簡単ではなかった。まず東と西の外郭に整えられた長台石(長さ120~270センチ、幅30~50センチ、厚さ20~40センチ)を使って2段の基壇を築いた。基壇石の下部にいくつかの址台石を置き、赤い粘土と割石で補強し基礎を固めた後、異なる性質の土を交互に積み重ねるかたちで周辺より高く台を造り、施設物を構築した。月台の南側にも長台石を使って階段を作った。御道とつながる中央部は、袖石を使って東西側の階段と分離したのが特徴的だ。

 だが、御道階段跡は日本による植民地初期の1923年、電車の線路によって損なわれて埋もれ、部材も散らばった。幸いなことに、調査過程で袖石を支える址台石が見つかり、月台の原型を復元するのに大切な手がかりになるとみられる。

 
 
月台南側の階段跡。御道の始まりである突出階段跡が左側に一部見えるが、その上を日本が植民地時代に敷設した電車線路の跡が覆っている=国立ソウル文化財研究所提供//ハンギョレ新聞社
 
 
月台南側の御道の階段跡を側面から見た様子=国立ソウル文化財研究所提供//ハンギョレ新聞社

 1860年代の高宗時代に初めて積み上げられ、1920年代に日帝によって埋められるまで、月台には大きく4段階の変化過程があったことも、今回の調査過程で明確になった。

 第1段階は月台築造当時の様相だ。南側に境界が分かれた3つの階段があり、月台を上から見下ろした平面形態は凸形だった。第2段階では中央の御道階段跡が傾斜路に変わり、第3段階では傾斜路の範囲が拡張され階段が東・西外郭に縮小変形され、初めて単線の電車線路が敷かれる。第4段階は1920年代の状況で、電車線路が重なり、月台施設が本格的に破壊され、欄干石なども撤去された。光化門の門楼が景福宮の宮域東側の塀側に移転する際、月台の施設破片も近代道路の部材として使われたと推定される。

 
 
光化門前の月台遺跡を上から見下ろした様子。湾曲したV字型に電車線路が分かれる開始地点の下に月台南側の御道中央階段の突出部が敷かれている姿と、北側につながる御道の跡、南側階段両側の東西階段部分の跡が見える=国立ソウル文化財研究所提供//ハンギョレ新聞社
 
 
月台遺跡を説明するために御道階段址、御道痕跡、東西の階段址など各区域別に色をつけた合成写真=国立ソウル文化財研究所提供//ハンギョレ新聞社
 
 
光化門前の月台が復元された様子の想像図。門の前に月台圏域空間ができ、車両が通る大通りは月台の場所を避けてその下に湾曲した形を帯びるようになる=国立ソウル文化財研究所提供//ハンギョレ新聞社

 文化財庁宮陵遺跡本部は調査成果をもとに、1920年代に毀損された後に東九陵などに移された欄干石、荷葉石などの月台部材を再び用いて月台を復元する方針を立てている。伝統的な材料と技法を使う職人たちの作業を通じて、月台を真正性ある歴史遺跡として蘇らせると本部側は明らかにした。

ノ・ヒョンソク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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軍備増強の動きは戦前を強く想起させるものだと批判。「『いのち』の意味合いが軽くなってきていると感じる。憲法理念を守らせるたたかいを大きく広げたい」

2023-04-28 10:24:25 | 国民の暮らし向上最優先!

平和へ一大結節点に

憲法大集会 実行委が会見

来月3日開催

写真

(写真)憲法大集会に向けて意気込みを語る実行委員会メンバー=27日、参院議員会館

 5月3日の憲法記念日に開催される「あらたな戦前にさせない!守ろう平和といのちとくらし 2023憲法大集会」実行委員会は27日、国会内で記者会見を開きました。岸田政権が安保3文書を閣議決定し敵基地攻撃能力の保有に踏み出そうとする中、憲法を軸に多彩なテーマで交流し、「平和に向けて声をあげていく一大結節点にしたい」と多くの参加を呼びかけました。

 総がかり行動実行委員会共同代表の藤本泰成さん(平和フォーラム共同代表)は、安保3文書や敵基地攻撃能力の保有など政府による軍備増強の動きは戦前を強く想起させるものだと批判。「『いのち』の意味合いが軽くなってきていると感じる。憲法理念を守らせるたたかいを大きく広げたい」と訴えました。

 憲法共同センター共同代表の小畑雅子さん(全労連議長)は、空港や港湾を軍事利用し、病院の積立金を軍事予算に組み入れるなど、戦争する国づくりは私たちの暮らし、命、人権を侵しながら進められていると指摘。「憲法に基づいて私たちの人権と尊厳を守っていくたたかいが必要だ」と語りました。

 改憲問題対策法律家6団体連絡会事務局長の大江京子弁護士は、安保3文書の閣議決定は主権者の命と暮らし、自由と人権を脅かすものだと強調。「文書の実態は私たちの人生を危険にさらしてアメリカを守るものだ」と批判しました。

 憲法9条を壊すな!実行委員会の菱山南帆子さんは、憲法審査会で、与党と維新の会や国民民主党によって9条改憲論議が進んでいる状況に危機感を表明。「一人でも多くの方に来ていただき、集会を大成功させたい」と話しました。

 憲法大集会の会場は有明防災公園です。午前11時から多彩なミニステージがあり、午後0時半からメインステージが開かれます。集会後にはパレードを行います。

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「両首脳は北朝鮮の核・ミサイルの脅威に直面している中、相手の善意に頼る『虚構の平和』ではなく圧倒的な力の優位を通じた平和を達成するために、両国間の拡大抑止を画期的に強化することで合意した」

2023-04-28 06:56:38 | 米国は、「世界の憲兵」をやめろ!
 

韓米首脳「ワシントン宣言」発表…

「北朝鮮が攻撃した際、核兵器を含む反撃」

登録:2023-04-27 10:20 修正:2023-04-27 13:12
 
首脳会談後「ワシントン宣言」採択
 
 
米国を国賓訪問した尹錫悦大統領とバイデン米大統領が26日(現地時間)、ワシントンD.C.のホワイトハウスのローズガーデンで共同記者会見を行っている=ワシントン/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領とジョー・バイデン米大統領は26日(現地時間)、米国のワシントンで首脳会談を開き、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対抗する韓米拡大抑止強化案が盛り込まれた「ワシントン宣言」を発表した。両首脳は拡大抑止の情報共有・共同企画・共同実行を包括する新しい協議体「韓米核協議グループ」(Nuclear Consultative Group=NCG)創設に合意した。

 尹大統領はこの日の首脳会談後、ホワイトハウスのローズガーデンでバイデン大統領と共同記者会見を開き、「両首脳は北朝鮮の核・ミサイルの脅威に直面している中、相手の善意に頼る『虚構の平和』ではなく圧倒的な力の優位を通じた平和を達成するために、両国間の拡大抑止を画期的に強化することで合意した」と述べた。

 「ワシントン宣言」は共同声明とは別の文書であり、両国首脳レベルで拡大抑止に関する別途の文書を採択したのは今回が初。「ワシントン宣言」の骨子となる核協議グループについて、尹大統領は「韓米両国は北朝鮮が核攻撃を行なった際に速やかな首脳間協議を行うことで合意し、これを通じて米国の核兵器を含め、同盟のすべての戦力を使った迅速かつ圧倒的かつ決定的な対応を取ることを約束した」とし、「北朝鮮の核に対応できる『オーダーメード型拡大抑止』協力案」だと述べた。また、「韓米は北朝鮮の核の脅威に対応して、核および戦略兵器の運営計画に関する情報を共有し、韓国の先端通常戦力と米国の核戦力を結合した共同作戦を共に企画・実行するための方策を定期的に協議する」と述べた。

 バイデン大統領も記者会見で「米国や同盟、パートナーに対する北朝鮮の核攻撃は受け入れられない」とし、北朝鮮が核攻撃を強行すれば「政権の終末を招くだろう」と述べた。

 両首脳は、核危機に備えるための図上シミュレーション訓練を強化し、米国の核戦略資産の朝鮮半島への展開も拡大することで合意した。バイデン大統領は韓米核協議グループについて「国軍統帥権者として私が米国では核戦略兵器に対する使用権限を持つことになるが、他の様々な段階のすべての努力において、同盟国と意思を共にし、相談する」とし「核戦略兵器を朝鮮半島に再配備することはないが、その近くに原子力潜水艦は配備できるだろう」と付け加えた。

 両首脳はこのほかにも、韓米同盟をサイバー・宇宙領域に拡張できるよう、韓米相互防衛条約をサイバー・宇宙空間に適用するための議論に突入することで合意し、これに向けた国家安保室(NSC)間の「次世代新興・核心技術対話」の新設と、戦略的サイバー安保協力枠組みの採択を発表した。今回の会談を機に「朝鮮戦争名誉勲章受贈者の身元確認に関する韓米首脳共同声明」も採択した。

 韓国企業に被害をもたらしている経済安保の中心的な関心事であるインフレ抑制法(IRA)と半導体科学法(CHIPS法)も、今回の首脳会談の議題となったが、共同声明には「緊密な協議を続けていくことを約束した」という原則論的な内容だけが盛り込まれた。

 両首脳は、ロシアと戦争中のウクライナへの支援拡大についても意見が一致した。両首脳は「ロシアの明白な国際法違反に断固として対応し、電力生産と送電の拡大、主要なインフラ再建を含め、必須の政治・安保・人道的・経済的支援提供を通じて、ウクライナを引き続き支持する」と共同声明に明示した。殺傷力のある兵器の支援については明示しなかったが、その可能性も排除していないものと分析される。共同声明には「バイデン大統領は韓日関係改善に向けた尹大統領の大乗的措置を歓迎し、地域・経済安保に関する3カ国協力の進展につながる韓日協力拡大を強く支持する」という韓米日協力強化の意志も盛り込まれた。

ワシントン/キム・ミナ記者、ワシントン/イ・ボニョン特派員

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ホワイトハウスが「ウクライナが対話の重要なテーマになるだろう」と述べたことから、ウクライナに対する韓国の軍事支援問題が首脳会談で取り上げられるか注目される。

2023-04-27 09:59:39 | 韓米軍事同盟は?

韓米、「核の傘」声明を推進…

ウクライナへの兵器供与も含まれるか

登録:2023-04-26 01:53 修正:2023-04-26 07:36
 
「より進んだ抑止案…最終的な文言は調整中」
 
 
米国を国賓訪問した尹錫悦大統領が24日(現地時間)、ワシントンDCの滞在先「ブレアハウス」に到着し、歓迎に出た在米韓国人らと挨拶している=ユン・ウンシク先任記者//ハンギョレ新聞社

 米国の拡大抑止へのコミットメントに対する疑念を解消するため、韓国と米国が26日の韓米首脳会談後に出る共同声明とは別に、拡大抑止と関連した声明を発表すると明らかにした。またホワイトハウスが「ウクライナが対話の重要なテーマになるだろう」と述べたことから、ウクライナに対する韓国の軍事支援問題が首脳会談で取り上げられるか注目される。

 韓国大統領室のキム・ウンヘ広報首席は24日(現地時間)、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が国賓訪問中の米ワシントンのプレスセンターで記者会見を開き、「尹大統領とジョー・バイデン米大統領は、今回の韓米首脳会談の結果として拡大抑止案を盛り込んだ別途の文書を発表する予定だ」とし、「より進展した拡大抑止案になると期待している」と述べた。韓米は毎年、両国の国防相会談の韓米安保協議会(SCM)を通じて拡大抑止へのコミットメントを再確認しており、前回の首脳会談の時も拡大抑止に言及したことがあるが、拡大抑止だけを取り上げた文書を発表するのは今回が初めて。

 
 
キム・ウンヘ大統領室広報首席が24日(現地時間)、米ワシントンのプレスセンターで尹錫悦大統領の米国国賓訪問と関連して記者会見を行っている=大統領室写真記者団//ハンギョレ新聞社

 大統領室高官は「国民たちの北朝鮮の核・ミサイルの高度化に対する不安と懸念を解消できるよう、両首脳がより実効的で強化された拡大抑止案を議論するものとみられる」とし、「今は首脳会談が行われる前であり、文書に含まれる最終的な文言を調整している過程」だと明らかにした。

 これに先立ち、ホワイトハウスのジェイク・サリバン国家安保補佐官も同日、韓米首脳会談の議題などに対する記者会見で、「バイデン大統領は北朝鮮の脅威と関連し、韓国に対する拡大抑止のコミットメントを強化、増大」し、「両首脳は拡大抑止問題を取り上げた声明を出す」と明らかにした。また「韓国と韓国人に対する拡大抑止のコミットメントと関連した米国の信頼性について、非常に確実で明確なシグナルを送るだろう」と述べた。さらに「韓国は核拡散防止条約(NPT)の立派な守護者であり、今後もそうだと信じている」と述べたが、これは韓国の一部の「米国の戦術核の再配備」や「独自核武装」の主張をけん制したものとみられる。

 拡大抑止は、米国の同盟国が核攻撃を受ければ、米国が核兵器、ミサイル防衛能力、通常兵器などを動員して報復するという概念だ。北朝鮮が最近、固体燃料の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を初めて行うなど核・ミサイル能力を高度化している中、有事の際に米国が拡大抑止のコミットメントを守るかについて疑念の声が上がっていることを受け、今回の首脳会談で別途の文書を通じてこれを明確に示すのが狙いといえる。

 これまで政府当局者と専門家が検討してきた拡大抑止の信頼性と実行力を高める案としては、韓米間協議の枠組みの格上げと制度化や、朝鮮半島周辺への戦略資産配備強化などが挙げられる。米国と北大西洋条約機構(NATO)が核計画グループ(NPG)を構成して協議しているように、韓米の拡大抑止関連協議体を常設の協議体に格上げする案が話し合われているという。両国の次官級による拡大抑止戦略協議体(EDSCG)などは常勤者や事務室なしで両国が必要に応じて話し合う形だ。米国が朝鮮半島周辺で核弾頭を搭載した戦略爆撃機や原子力空母を展開する頻度をさらに高め、米戦略資産の常時配備と似たような効果を上げる案も取り上げられている。

 サリバン補佐官は、韓国がウクライナに対する殺傷力のある兵器を供与する案も首脳会談で取り上げられるのかという質問には「ウクライナは明らかに対話の重要なテーマになるだろう」とし、「バイデン大統領は韓国の人道支援と制裁および輸出統制支援に感謝を表し、現場の軍事的状況に対する対話を交わす機会を持つだろう」と答えた。この発言後、大統領室関係者は記者団に対し、韓米首脳会談の議題に「ウクライナへの兵器供与」が含まれる可能性について「今のところはない」と述べた。

 サリバン補佐官は、バイデン大統領が日本との関係改善に向けて示した尹大統領の「決心と勇気」を強調する予定だとし、韓米日の協力強化にも言及した。また、サムスン電子や現代自動車、SKなど韓国企業がバイデン政権発足後、1千億ドル(133兆5千億ウォン)を投資し、米国の雇用創出に寄与したという点も強調した。

ワシントン/キム・ミナ記者、イ・ボニョン特派員、クォン・ヒョクチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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