同報告書は190カ国の20万9千人を対象に実施したアンケート調査の結果を分析したものである。BCGは2014年と2018年に続き、今回3度目の報告書を発表した。

2021-03-31 04:14:23 | 韓国を知ろう

韓国、「最も働きたい国」で北欧諸国より上位にランクイン

登録:2021-03-18 06:20 修正:2021-03-18 10:09
 
「不動の1位」米国からカナダへ首位交代 
韓国、「トップ10」入り逃したが、12ランク上昇の12位に 
「新型コロナの感染率抑制した国を好む傾向が高まる」
 
新型コロナの世界的な感染拡大以降、「最も働きたい国」の順位に大きな変化が起きた=ピクサーベイ//ハンギョレ新聞社

 これも新型コロナの影響なのだろうか。米国が「最も働きたい国」不動の1位の座から転落した。韓国は「最も働きたい国」の上位には入れなかったものの、12ランク上昇し、トップ10に近づいた。

 国際コンサルティング会社「ボストン・コンサルティング・グループ」(BCG)が最近発表したグローバル人材に関する調査報告書「Decoding Global Talent」によると、カナダが世界の人々が選んだ「最も働きたい国」で、米国を抜いて1位となった。

 同報告書は、カナダが米国と同じ英語圏であるうえ、社会システムは開放的で米国に比べて強力な新型コロナ対応策を打ち出してきたことがが影響を及ぼしたと分析した。米国はトランプ大統領の政権期間中に行った自国優先主義、移民制限政策に続き、昨年コロナ対応に消極的だったのが悪影響を及ぼし、人気度が下がったものとみられると、報告書は指摘した。同報告書は190カ国の20万9千人を対象に実施したアンケート調査の結果を分析したものである。BCGは2014年と2018年に続き、今回3度目の報告書を発表した。

 
「最も働きたい国は?」(上から1~10位、資料:ボストン・コンサルティング・グループ)//ハンギョレ新聞社

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言語の壁高い韓国の順位上昇、新型コロナ対応の影響か

 報告書は「新型コロナパンデミックが海外勤務に対する態度に大きな影響を及ぼし、新型コロナの感染拡大を抑える政策を積極的に取った国に対する好感度が上がった」と明らかにした。

 韓国は全体順位では12位でトップ10入りは逃したが、2018年の24位、2014年の37位に比べ順位が大幅に上昇した。地域別、職業別の回答分布では、アジア太平洋地域とブルーカラーグループがそれぞれ6位、9位だった。報告書は「これは韓国語という言語の壁を考えると、注目に値する現象であり、回答者らが新型コロナ以降の公衆保健に大きな比重を置いていることを示している」と分析した。

 
最も働きたい国上位20カ国の感染者数と順位の変動。韓国の順位上昇の幅がマレーシアに続き2番目に大きい//ハンギョレ新聞社

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コロナ禍で海外勤務の人気度は全体的に下落

 実際、「最も働きたい国」上位10位に上がった国は比較的新型コロナの感染率が低い。特に、今回新たにトップ10入りを果たしたシンガポール(8位)とニュージーランド(10位)は、強力な防疫対策で注目を集めた国々だ。一方、初期防疫に失敗した欧州では、かつてトップ10に入っていたイタリア、スペインが姿を消した。ドイツとフランスはトップ10を維持したものの、それぞれ2ランク順位を下げた。

 これと共に、新型コロナの影響で海外勤務の人気も全般的に下がった。海外で働く意思があると答えた回答者の割合は約50%で、2014年の64%、2018年の57%より低かった。特に、アジア圏の回答者の海外勤務への関心は大きく減少した。タイの場合、2014年の95%から今回は46%へと大幅に減少した。

 
ITおよび技術職経験者らの遠隔海外勤務への関心は67%で、非常に高かった=BCGレポートより//ハンギョレ新聞社

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テレワークが可能なら、米国が依然として首位

 BCGの先任パートナーのレイナー・ストラック氏は「移住制限政策がすでに海外移動性を弱めたのに続き、新型コロナが海外移住に対し慎重な態度を取る新たな要因となった」と述べた。また「多くの人々がテレワークの拡大で海外に直接移動しなくても経歴を積めると考えているようだ」と分析した。

 しかし、海外の企業に就職し、仕事は自国で行うテレワークを前提にした場合は、米国企業の人気は依然として高かった。テレワークで海外の企業に勤務する意向があると答えた割合は57%で、海外で働く意向があると答えた人の割合である50%よりやや高かった。特に、ITとテクノロジー分野で働いた経験がある人の場合は67%とさらに高かった。

 
最も働きたい都市の順位(資料:資料:ボストン・コンサルティング・グループ)//ハンギョレ新聞社

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最も働きたい都市1位はロンドン…ソウル15位で初のトップ30入り

 米国が最も働きたい国の不動の1位だったなら、最も働きたい都市の1位はロンドンだった。報告書は「これは英連邦というレガシーのおかげ」と指摘した。ロンドンは今回の調査でも、「ブレグジット(欧州連合脱退)」という地政学的不確実性にもかかわらず、首位を守った。

 働きたい都市の順位では、上位10都市のうち、4つを占めたアジア都市の躍進が目立った。特に、中東のハブ、世界最高のスマート都市を夢見るアラブ首長国連邦のドバイとアブダビがそれぞれ3位と5位にランクインした。前の調査時よりそれぞれ3ランク、9ランク上がった。アラブ首長国連邦は、石油経済に備え、2000年以降は先端技術への投資を大幅に拡大している。昨年は中東国家では初めて火星行きの宇宙船を打ち上げ、注目を集めた。東京とシンガポールもそれぞれ4ランク、8ランク上がった6位、7位を占めた。

 以前の調査で30位圏にも入れなかったソウルが15位に入ったのも注目に値する。トップ5だったニューヨークとバルセロナの人気度は8位と9位に下がった。

 特異なのは「最も働きたい国」1位だったカナダの都市のうち「トップ10」に入った都市が一つもないという点だ。カナダで最も人気の高い都市はトロントで、ソウルより1ランク上の14位だった。

クァク・ノピル先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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「昨年の自営業者の売上と所得データが集計され、被害の内容と規模が確認されている。国家財政が耐えられる範囲で補償を施行すべきだ」とし、「コロナ1年、自営業実態調査結果」を公開した。

2021-03-30 09:27:49 | 韓国・コロナ対策
 

韓国、コロナの1年で“瀬戸際”の自営業者…

「売上半分、借金平均490万円増加」

登録:2021-03-30 08:54 修正:2021-03-30 09:03
 
回答者1545人中95.6%が「売上減少」 
81.4%が「負債増加」…44.6%は「廃業を考慮」 
従業員数も4人から2.1人へ 
「損失遡及を適用すべき」
 
ソウルの明洞通り=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 昨年の新型コロナウイルス感染症拡散の影響で、韓国全体の自営業者の平均売上が半分以上減少し、負債も平均5000万ウォン以上増えたという調査結果が出た。

 全国自営業者団体協議会など11の団体が集まって結成した「新型コロナ対応全国自営業非常対策委員会」(非対委)は29日、ソウル市庁前で記者会見を開き、「昨年の自営業者の売上と所得データが集計され、被害の内容と規模が確認されている。国家財政が耐えられる範囲で補償を施行すべきだ」とし、「コロナ1年、自営業実態調査結果」を公開した。非対委は2月5日から3月25日まで、全国の自営業者3148人に対し「この1年間、新型コロナでどのような影響を受けたか」をテーマにアンケート調査を行い、このうち1545人(首都圏の自営業者896人、地方581人、その他68人)から回答を受けた。

 アンケート調査の結果によると、全体回答者の95.6%(1477人)が昨年1月20日(韓国で初のコロナ感染者発生前)以前より売り上げが減ったと答えた。平均売上減少費率は53.1%だったが、首都圏の自営業者の売上下落率(59.2%)が非首都圏の自営業者の売上下落率(43.7%)を上回った。首都圏の各店舗が営業時間の制限や集合禁止措置などと関連し、非首都圏の店舗より強化された防疫守則の適用を受けてきたことによる影響とみられる。

 売り上げが減ると同時に負債も増えた。回答者の81.4%(1257人)は「負債が増加した」と答え、これらの平均負債増加額は5132万ウォン(約496万円)と集計された。負債の調達方法(複数回答)は、政府政策資金を利用したという回答が48.1%(743人)で最も多く、次いで金融機関47.1%(727人)、親戚・知人31%(479人)、ノンバンク16.2%(250人)、カード会社15.9%(246人)などの順だった。売上減少は雇用減少にもつながり、全体回答者の平均雇用人数は新型コロナ拡散が始まる前には4人だったが、2.1人に減った。

 回答者のうち44.6%(689人)は廃業を考えていると答えた。特に彼らのうち20.6%(142人)は、1~3カ月以内の廃業を考えていることを明らかにした。49.3%(340人)は「1年以内」に、24.4%(168人)は「3~6カ月以内」に廃業を考えていると答えた。非対委は「現在の状況がさらに1年続く場合、半分近い自営業者の生存が難しくなるとみられる」と述べた。

 新型コロナによる被害支援案に対する質問(複数回答)では、損失補償が77.9%(1204人)で最も好む案に挙げられた。このほかにも賃貸料支援(57.9%、894人)、普遍的支援(15.6%、241人)も主要な案として言及された。特に損失補償を遡及適用するかどうかをめぐっては、90.9%(1404人)が「必要だ」と答えた。

 非対委は「この状況が続けば、自営業の生態系が近いうちに崩壊する状況が到来する」とし、ソウル市長候補者に対して、業種別の最低賃金の差等適用▽自営業者の教育費・医療費・賃借料の税額控除▽臨時労働者(アルバイト)に対する雇用・労災保険の4大保険分離適用などを要求した。

チャン・ピルス記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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(戦作権を手放してしまった)哀しき韓国軍は、いつになれば完全な主権国家の軍隊に生まれ変われるだろうか。

2021-03-30 06:36:20 | アメリカの対応

[コラム]戦時作戦統制権失った韓国軍の哀しみはいつまで続くのか

登録:2021-03-22 06:26 修正:2021-03-27 08:02
 
 
//ハンギョレ新聞社

 「自国の軍隊の作戦統制もまともにできない軍隊をつくっておいて、国防長官だの、参謀総長だの、そんなふうに星(韓国では将官クラスの軍人を将星と呼ぶ)をぶら下げて威張り散らしていたのですか」。2006年12月21日、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領は予備役の将軍らを「職務遺棄者」だと言い、「恥を知れ」と一喝した。北朝鮮核開発に北朝鮮爆破論まで取り出した米国の強硬派や、北朝鮮政権の崩壊などに備え、独自の作戦権が切実だと判断した盧元大統領は2006年9月、千辛万苦の末、ジョージ・ブッシュ元米大統領と「戦時作戦統制権(戦作権)移管の推進」に合意した。ところが、予備役の将軍らが断固反対したため、怒りを露わにしたのだ。結局、2007年2月の韓米防衛相会談で「2012年4月17日に韓米連合軍司令部を解体し、戦作権を移管する」という合意を引き出した。主権国の軍隊としての姿を取り戻すための決断だった。

 保守勢力は合意を覆そうと粘り強く抵抗した。戦争抑止が難しく、核の傘の保障も困難になるだけではなく、米軍の支援が不透明だなど、あらゆる理由を並べ立てた。韓国軍は何もできないという自己卑下の極みだった。李明博(イ・ミョンバク)政権は2009年の北朝鮮の第2次核実験を契機に行われた2010年6月の韓米首脳会談で「2015年12月1日」へと移管時期を3年遅らせた。朴槿恵(パク・クネ)前大統領は就任はじめ、「戦作権の移管を滞りなく進める」と約束した。米国と「2015年の戦作権移管」も繰り返し確認した。しかし2013年、北朝鮮の第3回目の核実験を理由に2014年10月、米国と「条件に基づいた戦作権移管」に合意し、移管を再延期した。

 李承晩(イ・スンマン)元大統領は、朝鮮戦争勃発19日後の1950年7月14日、作戦指揮権を国連軍司令部に移管した。一部の将軍が戦線を離脱した当時の韓国軍の現実を考慮すれば、やむを得なかったかもしれない。しかし戦争が終わって米軍が去ることを懸念した李承晩政権は1954年11月17日、韓米合意議事録第2項に「国連司令部が大韓民国防衛のために責任を分担する間、韓国軍を連合司令部の作戦統制下に置く」と明示した。戦時と平時の作戦権を米軍に渡したのだ。

 国力が成長するにつれ、作戦権の移管要求も高まった。金泳三(キム・ヨンサム)元大統領は1994年12月1日、60年ぶりに平時作戦権を取り戻した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は就任から3カ月後の2017年8月、国防部の政策討議で「莫大な国防費を投入しているにもかかわらず、独自の作戦能力についてまだ時期尚早だと言うなら、どうやって軍を信頼できるのか」と述べ、韓国軍の消極的な態度を批判した。盧元大統領の「将星批判」を11年ぶりに召喚したのだ。文政権は「任期内に移管条件を確保」するため、この4年間莫大な国防費を注ぎ込んだ。しかし、18日に来韓したロイド・オースティン米国防長官は「条件を満たすには時間がかかる」と述べた。文大統領任期内の戦作権移管は事実上難しいという米国の意思を明らかにしたとものと見られている。

 これに対し、ソン・ヨンギル国会外交統一委員長は19日「真の主権国家になるためには、戦作権を必ず取り戻さなければならない」とし、「文在寅政権任期内の移管が事実上難しくなったなら、移管要件を抽象的な“条件”ではなく、“期限”に変えなければならない」と主張した。盧元大統領時代のように、米国に移管の日を定めることを求めたのだ。(戦作権を手放してしまった)哀しき韓国軍は、いつになれば完全な主権国家の軍隊に生まれ変われるだろうか。

シン・スングン論説委員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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このように対話再開に向けた朝米の思惑が大きく異なり、朝米の対立は長期化するものと見られる。このような状況で、北朝鮮が挑発のレベルを高めた場合、米国が強く対応し、朝鮮半島の緊張感が高まる恐れがある。

2021-03-29 09:35:37 | アメリカの対応
 

[ニュース分析]朝米の思惑、隔たりがあらわに…

対話再開まで遠い道のり

登録:2021-03-29 06:34 修正:2021-03-29 07:16
 
北朝鮮が今月25日に新たに開発した新型戦術誘導弾の試験発射を行ったとして、弾道ミサイルの発射を公式に確認した。今回の発射は成功裏に行われたと朝鮮中央テレビが26日付で報じた=朝鮮中央テレビ画面よりキャプチャー/聯合ニュース

 リ・ビョンチョル朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長が27日、「労働党中央委書記」として「朝鮮中央通信」に公開した個人談話は、米国のジョー・バイデン新政権に対する北朝鮮の深い失望感とともに、米国に対する戦略路線を比較的鮮明に表わしたという点で関心を集めている。最終段階に入ったバイデン政権の「北朝鮮政策の見直し」に対する北朝鮮の厳しいけん制と、弾道ミサイル発射などにつながる朝米間の攻防第1ラウンドは、「われわれは引き続き圧倒的な軍事力を強化していく」(リ・ビョンチョル談話)という北朝鮮の決意表明でいったん一呼吸置くことになった。協議再開の条件をめぐる朝米の見解の相違が大きく、両国が協議のテーブルにつくまではかなりの時間を要するものと見られる。

 リ副委員長の今回の談話は、バイデン大統領が25日の記者会見で、北朝鮮の弾道ミサイル発射について「国連安全保障理事会決議違反」だと指摘し、「北朝鮮が緊張を高めようとするなら、相応の対応があるだろう」と警告したことに対する反論の性格を帯びている。すなわち「国家自衛権に属する正常な武器実験」を「国連決議違反だと言い張る」バイデン大統領の発言は「わが国の自衛権に対する露骨な侵害であり挑発」ということだ。ドナルド・トランプ前大統領は2019年5月、北朝鮮による短距離ミサイル発射実験について、「たいしたことではない」と述べ、同年10月2日、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「北極星3型」を発射した際も、「彼らは対話を望んでいる」として、慎重な態度を示した。しかし、バイデン大統領はこれを容認しない方針を明らかにしており、朝米外交の開始条件として“非核化という結果”を提示した。

 北朝鮮は昨年末、バイデン大統領の当選が確定した直後までも、米大統領選挙の結果に関する言及を控え、静観する姿勢を見せた。金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は1月9日付の「労働新聞」に公開された第8回党大会事業総和(決算)報告で「最大の主敵である米国を制圧し、屈服」させなければならないという強硬な立場を示しながらも、「新しい朝米関係の樹立の鍵は米国が対北朝鮮敵視政策を撤回することにある」とし、「これからも強対強、善対善の原則で米国に対応していく」と宣言した。米国が北朝鮮に対する「敵視政策」を撤回すれば、「善対善の原則」に基づき、十分に対話が可能だという立場を明らかにしたのだ。

 しかし韓米は、北朝鮮が対北朝鮮敵視政策の核心だと主張する韓米合同軍事演習を3月に実施しており、ホワイトハウス高官は23日、さらに一歩踏み込んで「必要な演習をしないために行われた以前の一部努力は、朝鮮半島と東北アジアの平和と安定の維持を目指す守護者としての我が国(米国)の立場と相反する」と述べた。“韓米合同軍事演習の縮小もしくは取り消し”に対する北朝鮮の期待が、バイデン政府では実現困難になったのだ。

 これに対し、キム・ヨジョン朝鮮労働党中央委員会副部長やチェ・ソンヒ第1外務次官らは、「一度でも対座することを待ち望むなら、悪い癖を直さなければならない」などといった談話でけん制を試みたが、アントニー・ブリンケン米国務長官は今月17~18日に韓国を訪問した際、「北朝鮮が(自国民に対し)広範囲な虐待を行っている」などといった攻勢的な発言で対抗した。北朝鮮は対話再開の条件として「敵視政策」の撤回を要求したが、米国は人権問題を前面に掲げし、“非核化という最終目標の保障”を求めたのだ。これを受け、北朝鮮は21日に巡航ミサイルを、25日には弾道ミサイルとされる飛翔体2発を発射した。まもなく公開される米国の「北朝鮮政策の見直し」の結果に期待できるものはあまりないと判断し、1月初めに明らかにした「自力更生」と「国家防衛力の強化」を引き続き二本柱に据えていく意思を明確に伝えたのだ。

 リ・ビョンチョル副委員長が「私は米国の新政権が確かに第一歩を踏み間違えたと考えている」としたうえで、「我々は決して誰の関心を引いたり、政策に影響を与えるために兵器を開発しているわけではない」と明らかにした談話でも、バイデン政権の対北朝鮮アプローチに対する失望とあきらめ、“我が道”を突き進むしかないという決意など複合的な感情が読み取れる。このように対話再開に向けた朝米の思惑が大きく異なり、朝米の対立は長期化するものと見られる。このような状況で、北朝鮮が挑発のレベルを高めた場合、米国が強く対応し、朝鮮半島の緊張感が高まる恐れがある。

キル・ユンヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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「国軍を相手とした署名はないということでよいか」と質問。茂木外相は「今後の状況を見定めて考える」と述べるにとどめました。

2021-03-28 10:42:47 | ミャンマー人民支援

軍政否認 明確にせよ

参院委・井上氏 ミャンマーめぐり

写真

(写真)質問する井上哲士議員=26日、参院外防委

 日本共産党の井上哲士議員は26日の参院外交防衛委員会で、国民への弾圧の中止と国民民主連盟(NLD)政権へ原状復帰を求めるとともに、ミャンマー国軍によるクーデターに関し、日本政府は軍政の正統性を認めない立場を明確にし、国際社会の取り組みに積極的な役割を果たすよう求めました。

 井上氏は、過去にはミャンマー国軍が民主化運動を弾圧している最中に、日本政府が政府開発援助(ODA)を供与し、軍政を支援したとして「この誤りは繰り返してはならない」と指摘。政府のミャンマーへの経済協力の基本方針が「民主化・国民和解・持続的発展」の実現に向けて「改革勢力を後押し」することとしていることを示し、基本方針に反する支援は行わないかとただしました。

 茂木敏充外相は、現時点でクーデター後の新規案件はないとした上で「ミャンマーの民主的体制の回復に向けて必要な協力を行いたい」と述べるのみでした。

 井上氏は、新規案件の決定には政府間の交換公文への署名が必要だとして、「国軍を相手とした署名はないということでよいか」と質問。茂木外相は「今後の状況を見定めて考える」と述べるにとどめました。井上氏は「欧米諸国は制裁という形で態度を示すが、日本は最大の経済関係国で影響力が大きいにもかかわらず姿勢が明確でない。態度を鮮明にすべきだ」と強調しました。

 さらに井上氏は、今国会に承認案が提出されている東アジア地域包括的経済連携(RCEP)にミャンマーも参加しており、「国軍を相手に発効させてよいのか」と質問。茂木外相は「他の参加国と緊密に意思疎通しながら今後の対応を検討したい」と述べました。

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