維新、地方選の居住要件撤廃案
自治の本旨理解せず
穀田氏批判
日本共産党の穀田恵二国対委員長は8日、国会内で記者会見し、日本維新の会が提出した地方議員立候補者の居住要件を撤廃する「選挙等改革推進法」について問われ、「憲法にある地方自治の本旨をわかっていない」と指摘しました。維新の候補が地方選挙で、居住実態がないため投票無効となる事例が相次いでいるとして「法律違反の悪行をやって、それが明るみにでると法律を変えようとする。そんな手前勝手なことはない」と批判しました。
日本共産党の穀田恵二国対委員長は8日、国会内で記者会見し、日本維新の会が提出した地方議員立候補者の居住要件を撤廃する「選挙等改革推進法」について問われ、「憲法にある地方自治の本旨をわかっていない」と指摘しました。維新の候補が地方選挙で、居住実態がないため投票無効となる事例が相次いでいるとして「法律違反の悪行をやって、それが明るみにでると法律を変えようとする。そんな手前勝手なことはない」と批判しました。
日本共産党の小池晃書記局長が11日に発表したアピール「健康保険証の存続、マイナンバーカードへの一本化の中止を “マイナンバーカード暴走”を止めよう」は次の通りです。
マイナンバーカードをめぐる混乱は深まるばかりです……本人以外の公的給付金の受取口座の誤登録が約14万件、マイナ保険証に他人の情報が登録されたケースが7400件をこえ、他人の年金記録が閲覧されたケース170件や障害者手帳の誤登録62件など、トラブルは多方面で多数に及んでいます。個人情報の漏洩(ろうえい)という重大な問題が起きています。
ところが、自民党、公明党、維新の会、国民民主党が賛成して、健康保険証の廃止やマイナンバーカードの利用拡大を内容としたマイナンバー改悪法を強行しました。トラブルが次々に明らかになり、大混乱が続くなかでの悪法強行は「聞く耳」を持たない暴挙としか言いようがありません。国民の不安も意思も無視する国会でいいのかも問われています。
岸田政権は、批判と矛盾が噴き出しても、健康保険証の廃止、マイナンバーカードへの一本化を強引にすすめようとして大迷走に陥っています。加藤厚生労働大臣が「初診時などは念のため従来の保険証持参を」と言い出し、松本総務大臣は「暗証番号なしで保険証にだけ使えるマイナンバーカードを発行する」など、保険証廃止に合理性がないことを自ら証明するような「言い繕い」を始めました。河野デジタル大臣は「混乱しているので、マイナンバーカードの名前を変える」とまで言い出す始末です。
岸田政権の“マイナンバーカード暴走”が大混乱を引き起こしています……マイナンバーカードの大混乱は、昨年10月に、岸田政権が突如として「2024年度秋に健康保険証を廃止してマイナンバーカードに一本化する」と言い出したことが引き金になりました。任意であるマイナンバーカードを強制的に全国民に持たせようというのです。そのマイナンバーカードには、マイナポータル(情報提供等記録開示システム)として、納税状況、医療、年金などの保険料納付と受けたサービスの状況、公金受取口座、さらには、がん検診など受けた健康診断とその結果や生活保護、児童扶養手当の支給、雇用保険の支給などなど、29分野の膨大な個人情報がひも付けられています。このマイナンバーカードを性急かつ強制的に国民に持たせようとして大混乱を招いた岸田政権の“マイナンバーカード暴走”に国民の不信と怒りが広がるのも当然です。
岸田政権と自民、公明、維新、国民民主が強行した健康保険証の廃止に対する国民の批判と中止を求める声は大きく広がっています……どの世論調査でも「延期・中止」が7割を超え、「保険証の廃止 見直しは今からでも遅くない」(「読売」社説)をはじめ、多くのメディアが「中止」や「見直し」を主張しています。医療関係者からは切実に保険証存続を求める声があがり、「マイナ保険証に対応できない」という町の診療所が閉院する例も相次いでいると報道されています。
「マイナ保険証」のトラブルは命にかかわる問題になりかねません……全国保険医団体連合会の調査では、医療機関で5493件ものトラブルが発生し、いったん10割を徴収した例が1291件あり、診察を受けずに帰宅してしまった人もいました。このまま保険証廃止を強行すればトラブルは108万件以上にもなるという推計も発表されています。マイナンバーカードと保険証の一本化によるトラブルは、他人の医療情報がひも付けされていたなど、命にもかかわる危険があり絶対にあってはならないことです。
「無保険」扱いが多発する恐れがあります……国民は健康保険への加入と保険料の支払いを義務づけられ、保険証は自治体や保険組合などが責任を持って交付する仕組みです。ところがマイナンバーカードと保険証の一本化によって、マイナンバーカードを持たない人は毎年「資格確認書」の申請が必要になります。マイナ保険証は5年ごとの更新が必要となります。「申請、更新」を忘れたり、できなかったら保険料を払っていても「無保険」扱いされ、保険医療が受けられなくなってしまいます。国民皆保険制度の変質です。
政府は「資格確認書」を「申請」なしでマイナ保険証を持っていない人に送付することも検討すると言い出しましたが、これまで通りに保険証を存続すればいいだけです。保険証と違い「資格確認書」を毎年送付することになれば、保険組合などに多大な業務を押しつけることにもなります。
来年秋の保険証廃止ありきをやめ、国民と医療現場の声に従って、健康保険証を存続させるべきです。
不安解消には、マイナンバーカードの運用をいったん停止し、完全・確実な総点検が必要です……追い詰められた政府は、「コロナ対応並みの臨戦態勢」で、「閲覧可能なすべてのデータについて秋までに総点検する」(岸田首相)としました。しかし、マイナンバーカードの発行数は9000万を超え、ひも付けられた29分野の個人情報は数十億項目にもなります。自治体からは「期限は柔軟に」「自治体は大作業になると心配している」(全国知事会平井伸治会長)などの大きな懸念が表明されています。強引に「秋まで総点検」とするなら自治体などの現場は大混乱になるでしょう。日本共産党の追及にデジタル庁は「すべてのデータを洗うのは自治体の業務負担が厳しい」などとして、誤登録の「リスクの高い事項」に限ってデータを点検すると回答しました。無理な期限を押しつけて現場を大混乱にしてしまうのか、「総点検」は岸田首相の「口先」だけに終わるのか、いずれにしても国民の不安を解消することにはなりません。
こんな状況でマイナンバーカードを運用し続ければ、個人情報にかかわるトラブルがさらに拡大する危険があります。運用をいったん停止し、完全・確実な総点検で国民の不安を解消しなければなりません。
岸田政権は、大混乱を引き起こしているマイナンバーカードをさらに拡大・膨張させ、国民に強制しようとしています……岸田政権は、大混乱が起きているさなかに発表した「デジタル重点計画」で、運転免許証、母子健康手帳、介護保険証などとマイナンバーカードの一体化をすすめるとしました。大学の授業の出欠や図書館利用までマイナンバーカードを使うことも含まれます。
さらに「重点計画」では、携帯電話購入や銀行口座開設などオンラインで行われる民間の契約時の「本人確認」にも、これまでは運転免許証等を送信すればよかったものを、マイナンバーカード使用を義務づけるとしています。
マイナンバーカードを国民に強制しようとする“マイナンバーカード暴走”を止めなければなりません。
社会保障の給付減・負担増のためにつくられた制度……マイナンバー制度は、医療、年金、介護など人生で受けた「行政サービス」のすべてと、個人の金融口座、資産をひも付けて、国が管理することによって、国民の所得・資産・社会保障給付を把握し、国民への徴税強化・給付削減を押しつけるためでした。2000年以降、日本経団連が、各人が納めた税・保険料の額と、社会保障として給付された額を比較できるようにし、“この人は負担にくらべて給付が厚すぎる”などとして、医療、介護、福祉などの給付減・負担増をたびたび提言してきました。「負担に見あった給付」の名で社会保障の給付を抑制し、国の財政負担、大企業の税・保険料負担を削減していくことが、マイナンバー制度を導入した政府・財界の最大のねらいです。
大量の個人情報をビジネスに利用しようとする特定企業の利益を後押しする動きが加速しました……安倍政権以来、政府は個人情報保護法を改悪し、保護規定を弱め、逆に個人情報の利活用を拡大してきました。これも財界の要求で、日本経団連は「マイナンバー制度を徹底活用する」ために「健康保険証、運転免許証、在留カード等の公的証明書、また診察券や学生証等のデジタル化とマイナンバーカードへの一元化」(2020年「新成長戦略」)を求めています。個人情報ビジネスを推進するために、当初は検討もされていなかった健康保険証廃止とマイナンバーカードとの一本化をはじめ、膨大な量の個人情報を次々にひも付けているのです。マイナンバー制度を利用した個人情報ビジネス最優先の方針や計画を見直し、根本的な政策の転換が求められます。
マイナンバー制度の目的や運用など根本からの見直しをする国民的な議論を……個人情報ビジネスでの特定企業の利益拡大を「デジタル化による成長戦略」に位置づける政治が、国民に不安と不信を広げたマイナンバーカードの大混乱の根本にあります。デジタル化やIT利用を推進するうえでも、個人情報保護など国民が安心して利用できることが大前提です。岸田政権の“マイナンバーカード暴走”は、ほんとうの意味でのデジタル化にも逆行しています。
今回の事態は、マイナンバー制度の根本からの再検討を求めています。廃止を含めた白紙からの見直しを、国民的な議論で行うべきです。
日本維新の会は18日、憲法9条に自衛隊を明記する憲法改定の条文イメージを発表し、参院選公約に、大軍拡や「核共有」の議論の開始などを明記する方向で検討していることを明らかにしました。自民党の自衛隊明記を含む「改憲4項目」と呼応し、ウクライナ危機に乗じて、「戦争をする国」づくりを進める維新の姿勢は、改憲の“突撃隊”そのものです。
条文イメージでは、「9条の2」を新設し、「前条の範囲内で、法律の定めるところにより、行政各部の一として、自衛のための実力組織としての自衛隊を保持する」と記しています。
藤田文武幹事長は同日の記者会見で、改憲の必要性について、「自衛隊を違憲とする政党や有識者(憲法学者)がいるなかで、憲法に自衛隊を位置付け、そうした主張の根拠を解消する必要がある」と説明。憲法審査会に議論を提起するとしました。
あわせて、党の安全保障政策に関わって、「積極防衛能力」の整備のための具体策(案)として、(1)GDP(国内総生産)比2%への防衛費の増額(2)中距離ミサイル等新たな装備の拡充(3)核共有を含む拡大抑止に関する議論の開始(4)「専守防衛」の定義にある「必要最小限」に限るとの規定の見直し―など全8項目を提示。藤田氏は、「維新八策(選挙公約)に記載する方向で文言を調整中だ。具体案として議論を進めている」と語りました。
「表現の不自由展かんさい」の会場に予定されていた大阪府立施設の利用承認が取り消された問題で、大阪地裁(森鍵一裁判長)は9日、会場の利用を認めることを決定しました。実行委員会が、施設指定管理者の決定を不服として提訴し、処分の執行停止を申し立てていました。
展示会は「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の出品作品を集め、16日から3日間、大阪市中央区の大阪府立労働センター(「エル・おおさか」)で開催が予定されています。
指定管理者は、抗議活動を挙げ、「管理上多大な支障が生じる」などとして利用承認を取り消しました。大阪府の吉村洋文知事もこれを支持しました。
決定では、本件催し物は、教養の向上および福祉の増進に資するというセンターの設置目的に反せず、「憲法上の表現の自由等の一環として、その保障が及ぶべきものといえる」と指摘。抗議活動についても警察による適切な警備などによって防止・回避することができないような重大な事態が発生する具体的な危険性があるとまではいえないとしています。
原告弁護団は同日、コメントを発表し、指定管理者が執行停止決定に従って開催を認め、妨害行為の排除のための協議を進めることを希望しました。
吉村知事は同日夕、記者団に「(催しの)中身に踏み込むつもりはない」としながらも「施設の管理者に裁量権はあると思う」などとし、あくまで会場使用承認取り消しを支持し、「高裁に判断を求めていきたい」と述べました。
2月の大阪市議会と大阪府議会に「大阪府及び大阪市における一体的な行政運営の推進に関する条例案」(「広域行政一元化条例案」)が提案されようとしています。これを受け、「明るい民主大阪府政をつくる会」(明るい会)と「大阪市をよくする会」(よくする会)は19日、条例案の撤回と新型コロナ対策の抜本的強化を求めて大阪市内で記者会見を開きました。
会見には、明るい会の荒田功事務局長、よくする会の福井朗事務局長、大阪府保険医協会の高本英司理事長、大阪民主医療機関連合会の釘宮隆道事務局長、全大阪労働組合総連合の菅義人議長が出席しました。
荒田氏は「条例案は『都』構想実現に固執する内容であり、2度の住民投票の結果に反する。狙いは大阪府知事の権限を強化し、大規模開発推進に大阪市の権限と財源を投入することだ」と指摘。「有権者が直接賛否を表明できない条例というやり方にも問題がある」と批判しました。
高本氏は医療の面から、釘宮氏は介護の面から、新型コロナウイルス感染症の現状と今後について説明。「なぜこんな時に急いで条例を強行するのか。今必要なのはコロナ対策に全力を挙げることだ」と主張しました。
明るい会が2日に実施した1000人ネット調査の結果も報告され、7割ほどがよく理解できていないという特徴が見られました。