逝く人との距離感

先月末に私と太太の結婚に尽力いただいた恩人が亡くなった。
そのときは、太太の上司で、私は、直接ご指導いただいたことはなかったのですが、
私の日本の会社では、カリスマ的な存在の設計者でした。

そのころ部下だった設計者の話を聞くと
とても今の時代にはマッチできないような指導のようでしたが、
正直そのころのほうが、設計期間は短かったと感じます。

その方も途中で別の会社に移られ、もう数十年もお会いできませんでした。

ひょんなことから、そのかたといっしょに退社した私の
同期の訪問を受け、なんとその会社には私の大学時代の
友人も勤めていることを知りました。

その後、私はこちら昆山に赴任し、そのことも忘れかけていましたが、
やはりその方と一緒に退社した同僚が、
なんと昆山と同じ江蘇省の蘇州市にその会社の子会社で
勤めていることを知りました。

以前、このブログで書いた同里観光は、彼の案内です。

忘れかけたころに、思い出させてくれる
思い出さなければいけないよと
何か大きな力が働いているような気持ちでした。

蘇州の同僚から、その方が何度か大病の手術を繰り返して
なお、私の会社にいたように、病室から部下をリモートコントロールしていると
聞かされたときにあのころのカリスマ性は結して衰えていない
バイタリティがあふれた人だ
と関心したものでした。

しかし・・・

昨年末、蘇州の同僚と上海かにを食べたときに
病気が再発し、今回は・・・
と聞かされていました。

その後、２回帰国しているのだから、お目にかかっておけばと
後悔先に立たずです。
前月末に、蘇州の同僚からの訃報の電話がありました。

・・・
昔、深夜放送でよく聞いていた谷村新司さんが

『この年になると、出会える人の数より別れる人の数が増えてくる』

と、いっていましたが、
自分も今、その年に追いついたとき、まさにその通りです。

ただ、私の場合は、昨年から新しいことを始めていますので
出あえる人の数も増えています。

・・・

こちら中国に来て感じることは、
それら日本で出会った人たちとの
別れに距離と時間の壁が邪魔
をしてすぐに会えないということです。

・・・

でもそれは覚悟の上で、
太太や家族を置き去りにして
自分のやりたいことをやりに来ました。

・・・

こういう時に、その気持ちがめげてしまいます。

・・・

ご冥福をお祈りします。