記録的な豪雨で各地に被害をもたらした台風6号、21日朝には大きくUターンして太平洋上へ。それにしても一箇所で1000ミリを超える豪雨と、最大風速25m以上の暴風を維持しながらゆっくりと進む台風の不気味さ、最近にない緊張感に包まれた。
台風一過、昨日の新潟はフェーン現象とやらで38度を超す暑さだったとか。暑さがぶり返すと、また心配になるのが電力不足の問題である。ところで、電力事情の悪化は、関西・北陸・中国・四国・九州の電力5社の管内にも及び、政府は20日、この夏の節電を要請した。なかでも電力不足に陥ることが見込まれる関電管内には、7月25日~9月22日、昨夏の最大使用電力に対して10%以上の節電を要請したという。定期検査で停止中の原発の再稼働が見込めないうえ、関電大飯原発(福井県)の1号機と、中国電力の三隅火力発電所がトラブルで相次いで停止。関電管内では、最大使用電力に対して供給力が6.2%不足し、西日本5社の合計でも1.2%足りない見通しとなり、節電要請が必要になったという。下図は「今夏の電力需給見通し(予備率)」である。当地の中国電力は予備率がプラス2.8%だからまだいいが、これから各地の原発が定期検査に入るとどうなるのだろう。
現在、稼働中の原発は全国で18基。が、原発は電気事業法に基づき13ヶ月の営業運転後に定期検査を受ける必要があり、再稼動が進まなければ、来年4月までに全ての原発が運転を停止する可能性が出ているという。下図は「運転中の原発18基の停止時期」であるが、国の新しい安全評価にパスした上、地元同意を得なければならず、運転再開の見通しは立っていないという。
これからが夏本番。夏休みに入って子供たちが家庭にいる時間が多くなると、エアコンの使用量も増えるし、家庭での節電は容易ではないだろう。全国的に節電ムード一色の昨今、善良な国民は言われるがまま、せっせと節電に努めているようだが、果たしてこれが毎年となったらいつまで我慢できるだろうか。
今回のことで家電や生活雑貨が省電力化されるのはありがたいが、全ての家庭に節電せよということに納得していない人もいるようだ。どこのサイトだったか失念したが、「電気料金を支払っている我々客が、なぜ節電しなければならないのか? 私は節電などしない」という女性の書き込みがあった。家計が苦しくて節電に努めようという人は納得ずくだから何の不満もないだろうが、電気料金など気にしないで快適な生活を…という裕福な家庭にとっては理不尽に思えるのかもしれない。
我々は住んでいる地域の電力会社を利用せざるを得ないのだが、それをいいことに電気料金は思いのまま、半官半民の殿さま商売はあぐらをかいていても儲かるのである。それが、福島原発事故により電力事情が大きく変わってくると、今度は節電に協力をとペコペコ頭を下げる。安定的な電力確保は電力会社の企業責任であり、原発の安全性の問題は政府の責任である。が、東電や政府は自分たちの失策の尻拭いを国民にさせようなどと、これも半官半民の独占企業だからできることなのである。
簡単に「脱原発」というが、正直なところ原発に対して強い拒否反応を示すのは地元住民で、ほとんどの人が「安全でさえあれば徐々に減らしてゆけばいい」と思っているのではないだろうか。世論は「脱原発」で一致しているように言われるが、先日行われた電力会社の株主総会では「脱原発」の提案は却下されたという。それも、今回の騒動の発端である東京電力の株主総会でさえも、脱原発議案に賛成したのはたった8%だったという。
関西経済連合会、大阪商工会議所は21日、「安定的な電力確保に関する緊急要望」を政府に提出。「東日本大震災後の再成長に向けた大事な時期に電力不足が足かせとなっている」と指摘し、「具体策なき原発依存度の引き下げが国民生活・産業活動に及ぼすダメージは計り知れない。定期検査後の原発の速やかな再稼動を求める」としているのは至極もっともな要望である。
私も節電に協力することにやぶさかではないが、国民に尻拭いさせてすませられる問題ではなかろう。
一般の方は、送電側が過負荷になった場合に何が起こるかを知らない方が多いでしょうから、節電要請にもあまり真剣になれないでしょうね。
一番苦しい時間帯に、光化学スモッグの広報が発令されやすいですが、火力ではそのための出力抑制等が需要のためにままならないことも考えられます。
いろんな面で厳しい夏になりそうです。
本当に私も今回の原発事故がなかったら、電気のことなど考えたこともありませんでした。
原発だけでなく、当然、火力発電も故障することは想定内のことでしょうに、国民に節電要請をすればすむと思っていたらたいへんなことになるでしょうね。
菅さんは「脱原発」といえば国民の評価が得られると思っているようですが、場当たり的な発想で国民を見くびってはいけません。
節電ってゆうけど、
なかなか難しいですよね
私は、
日中にくらべて涼しい、
朝と夜はエアコンをつけないように頑張っています。
でも、これからの八月は我慢できないかもしれません。
「脱原発」といいますが、それほど簡単には行かないといいます。これから何十年もかかるそうですが、その間の電力不足をどうするのか。
結局、国民に負担を強いることになるのでしょうね。
我慢して体調を崩されませんように。