「カバー写真 2018.8.13 5:37 ドアを開けると珍客が…」
「お化けの話」は昔から夏の風物詩となっている。が、私は絶対にダメ。「お化け」と聞くだけで怖くて…。そういうと「お化けの方が怖がるよ」と誰もが言う。
昔はお盆が近くなると、各映画会社は一斉に「お化け映画」を上映した。劇場によっては通常営業の後の深夜映画劇場で上映した。これはカップルに好評だったそうだ。女性はか弱いふりして、お化けが出てきたら「キャッー」と彼に抱き着く。男性はこれがお目当てだったらしい。
その頃のお化け映画の定番はといえば、「牡丹灯籠」「四谷怪談」「番町皿屋敷」「有馬猫騒動」「鍋島猫騒動」などなど、女の幽霊か化け猫の話で、どれも時代劇だった。
「怖いもの見たさ」で誘われると観に行ったが、あいにく「キャッー」と抱き着く相手がいなかったので、ほとんど目を閉じ耳をふさいで、ろくに観ていなかった。
「四谷怪談」の“お岩さん”や化け猫など、めちゃくちゃ怖い顔のお化けもいるが、大体、幽霊はみんな楚々とした美人である。なのに、おどろおどろしい音と照明が加わるだけで、一層恐怖感を覚えるから不思議だ。
昔は夏になると、各家々の窓や軒に風鈴を吊って、その音色で涼を感じていたものである。私もあの「チリンチリン」という涼し気な音が好きだったが、ある時から風鈴を吊るすのを止めた。
というのは、お化け映画で幽霊が現れるとき、必ずといっていいほど「チリンチリン」という風鈴の音が聞こえてくる。その音が耳について、風鈴の音を聞くと幽霊シーンを思い出すからである。
いつしかお化け映画も時代ものから現代ものへと変わっていった。不思議と心霊現象を扱うオカルト映画「エクソシスト」や「オーメン」などの洋画はそれほど怖いとは思わなかった。が、夜はぜったいに観なかった。
しかし邦画のホラー映画は昼でも夜でも絶対にダメ。ある日、テレビで「リング」という映画の宣伝予告を見てしまった。一瞬だったが、テレビから長い髪の女が這い出てくるシーンに、おどろおどろしい音楽を聴いてからは当分の間、消えているテレビ画面が怖くてたまらなかった。
心臓に毛が生えているようなババ。この世に怖いものなしと言いたいが、お化け映画や心霊ドラマだけはまったくダメ。今でも夜中にトイレに起きて、ふとお化けの話を思い出すともう怖くて怖くて…。
幽霊やお化けなんて現実にいるわけないのに、そう分かっているのにダメなのだ。いい年をして…、と笑われるだろう。が、これはきっと「何とか恐怖症」という名がつくような病気だろうと思う。
幽霊、お化け、ホラーの類は一切受け付けられない体質の生き物です。
子供時代ラジオから聞こえるヒュードロドロの擬音、講釈師の真に迫った語り口耳を塞いでじっと我慢の二、三十分。
テレビになると部屋退出、音も映像も無い空間に逃げ込んで映画なんてトンデモないお祭りのお化け屋敷なんて近寄りません
何なんでしょうね?
けっこう度胸は据わっていると自他ともに認めているのですが、この恐怖心は一体どこから湧いてくるのでしょう。
きっと繊細な!!!本質?が現れているのだと贔屓目で
「牡丹灯籠」の新三郎が祖父と同名なので
しばらく祖父を異様な目でみたのを思い出してクスクス。この歳で「キァ~怖い」という
かわいらしさ。羨ましい!!!
安心しました。私と同様の怖がりの方がいて…。長い間、私は異常だと思っていたので、恥ずかしくて言えませんでした。
考えてみれば、元は純な心を持った女性が男に裏切られて化けて出てくるのです。可哀そうと思うのが普通なのに、どうして怖いのでしょうね。
多分、このお化け嫌いは死ぬまで治らないでしょう。
この歳で「キァ~怖い」が可愛らしいなんて、私の方がお化けに見られるかも…。
すごい! 勇気ありますね。「牡丹灯籠」は「カランコロン」と下駄の音がするとお露が現れます。足がないのになぜ下駄の音が…。なんて考えるとおかしいのに、やはり怖くて…。