27日午後4時45分、雨がやんで少し明るくなった。「こんなときは虹が出るのだがなあ」と思いながら、コタツに入ったまま空を見あげた。あっ、出てる出てる大きな虹が…。童謡「でたでた月が まるいまるい まんまるい……」の歌詞を思い出した。
あわててデジカメでパチリ! あまりに大きすぎてカメラに入りきらない。だんだん薄くなって消えてゆく。虹は儚いから美しいのだな!
その昔、昭和を代表する歌手三波春夫さんは「お客様は神様です」と言った。彼はお客様を神様とみて、神前で祈る時のような気持ちで歌を歌う、これが「お客様は神様です」の真意だという。それがいつの間にか「お客様は神様なんだから、何をされようが我慢してつくしなさい」とか、客が店などにクレームをつけるときの言い訳に使われるようになった。
しかし昨今は店員や従業員らが顧客から無理難題を言われたり、暴言を浴びせられたりするカスタマーハラスメント(カスハラ)が社会的な問題となり、国なども防止策の検討を始めたとか。今では「お客様は神様だ」なんて言ったら大変なことになる。
2024年10月には東京都の「カスハラ防止条例」が成立し、2025年には施行されるという。また三重県桑名市も26日、防止条例案を発表した。このように、世の中はカスハラとの対決姿勢を強めてゆくようだが、正当なクレームまで「カスハラである」と判断されてしまうかもしれない。本当に客が悪かったのか、社員の対応の仕方に問題はなかったか、きちんと調べる必要があろう。
前日、ニトリ、しまむらなどの小売りサービス業界でのカスハラ対策が続々と発表され、カスハラ客に対しては毅然とした対応をすべき、という接客方針は徐々に広がっているという。これからは従業員の顔色を見ながら買い物をしなくては…ネ。
先月、久しぶりに市バスを利用した。この路線バスには2人の運転手がいて、2日交替で乗務している。マンションから歩いて5分くらいのところにバスの車両置き場があり、毎朝、運転手が出発の準備をしている。
私が早朝ウオーキングをしていたときは毎朝顔をあわせるので、「おはようございます」とあいさつして通った。一人はちゃんとあいさつを返してくれるが、もう一人はまったく無視だ。それでもあいさつはし続けた。
私が利用する停留所はバスの車両置き場の近くにあり、バスが見えてから行っても間に合う。だがその日は知人と立ち話をしていて、バスに気づくのがおそかった。ほんの10秒ほどバスが早かった。「すみません」と言いながら乗ったら、運悪く愛想の悪い方の運転手で、「ちゃんと時間通りバス停におらんといけんがなあ」と叱られた。「たった10秒ほど遅れただけでこんなに怒るなら、バスも遅れず定刻に来いよ」と腹の中で毒づいただけ…。
市バスはマイナカード所持者は無料である。運転手は知っているからいつもは提示しないが、機嫌が悪そうだから「マイナカード見せましょうか?」と言った。すると「見せようと見せまいとアンタの好きなように…」と吐き捨てるようにいう。ムカッとしたが我慢して、いつもの「ありがとう」は言わないで黙って下りた。
後で知人に話したら、「市へ電話してやればいいのに…」という。だが運転手はもう70歳近い。もし大ごとになってクビにでもなったらかわいそうだ。もし私が言い返してケンカにでもなったら、やはり私のカスハラ、あるいはモラハラと言われるのかな? 何とも世知辛い世の中になったもんだ!
今やバスやタクシーの運転手が超不足しているので、お客の方が小さくなっています。いやですね~