つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

早紀ちゃんとサルのトロロ・・・

2006-05-27 | Weblog
 淡路島モンキーセンターは、1967年に柏原山系に分布していた野生のニホンザルを餌付けして造られた野猿公園である。この公園では餌付けを始めて以来、毎年多数の奇形ザルが産まれているが、原因は、エサに残留していた有機塩素系農薬ではないかといわれている。指の奇形は自然界で生きてゆくことができるが、手や足の奇形を持つものは自然の中で生きてゆくことは難しい。それは人間社会でも同じことだろう。

 この淡路島モンキーセンターで、延原さん一家は3世代にわたり、165頭の野生のニホンザルの保護を行っている。先日テレビで、娘の早紀ちゃん(7歳)とサルとの心温まる交流の様子が放映されたが、サルと仲良しになるというのは珍しいことだといわれる。
 早紀ちゃんが山に向かって「ボース、ボース」と何回も大声で呼び掛けると、なんと驚くことに、たくさんのサルの群れが山から下りて来る。そして餌を与えるのであるが、彼女を取り巻く周りのサルはずいぶんとおとなしい。小豆島や高崎山のサルは人を襲ったり、奇声を上げたりして人間を怖がらせるが、ここのサルは他所と比べておとなしいそうだ。
 早紀ちゃんは生後3ヶ月頃からサルと親しみ、彼女が5歳のとき生後1週間のサルの赤ちゃんを抱いたのが、サルとの交流の始まりであるという。それからだんだんとサルたちに受入れられ、今では兄弟のように仲良しである。
 この公園のサルにはそれぞれに名前がつけられており、その中でも特に早紀ちゃんと仲良しのサルはトロロという。彼女が木の枝で歯磨きをしてやるとおとなしくじっとしているし、顔を近づけてキッスをするなど、彼女とトロロは絶対の信頼関係で結ばれているようだ。
 だが、サルにも機嫌の悪い時もあるらしく、早紀ちゃんがふざけてトロロの顔をつついていると、突然トロロが奇声を上げ、歯をむき出して怒り出した。それから一人と一匹は背を向けて近付こうとはしない。その姿は人間の兄弟がケンカしているのと同じで、彼女とトロロの間に初めてミゾが生まれたようである。そうやって背を向けたまま長い時間がたって、ようやくトロロが少しずつ近寄ってくるが、今度は彼女がすねて目を合わせようともしない。見かねた彼女の母親が、「トロロをなでてやってごらん」というと、ようやくトロロに近付き顔をなでてやった。すると、トロロも機嫌が直ったようで、いつものように彼女に従順なトロロに戻っていた。

 動物と人間のふれあいは、普通ではありえないことだそうである。現在、早紀ちゃんの身長が120センチくらいで、サルと同じような体型であることと、純粋無垢の心がこのようなサルとの絆を深めたのであろうというが、10年後に果たして今のようにサルとの交流ができるかはわからない。もしそれができたなら、学術的にも興味ある珍しい例となるだろうということである。
 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 年金保険料の不正免除は・・・ | トップ | 脳トレは料理が最適・・・ »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事