ババは韓流ドラマが大好き。時に、バカバカしいと思うことはあるが、常識では考えられないような奇抜なストーリー、あり得ない展開にハラハラ、ドキドキ、イライラ、おかげで脳はフル回転。喜怒哀楽など感情表現を豊かにする、字幕を読むのに神経を集中させるというのは認知症予防にもなるらしい。
最近、感動したドラマが韓流ドラマとは皮肉だが、「記憶~愛する人へ~」は韓流ドラマにしてはテーマが真面目で、ストーリーもおもしろかった。アルツハイマー(記憶を失っていく病気)をテーマにしたドラマで、認知症を心配する年代になった私には他人事とは思えず、感情移入してウルルンとくるシーンも多かった。
ネットからの概要である。「TVのコメンテーターもつとめる有名弁護士として活躍する絶頂期に、他人事だと思っていたアルツハイマー病を宣告され、苦悩を抱えながらも病と向き合う。弁護士パク・テソクが残りの人生全てをかけて繰り広げる興味津々な法廷ミステリーであり、胸熱い家族愛を盛り込んだ物語である。」
ある日、街中で道に迷ってしまい、不安に駆られる。それがアルツハイマー症状の始まりだった。薄れゆく記憶と現実の狭間を行ったり来たりしながら、理解ある部下と秘書に支えられながら弁護士の仕事をこなしてゆく。また、事実を受け入れた妻や子どもの励ましとサポートによって、大した問題もなく平穏な毎日を過ごしている。
彼は守りたいもののために孤軍奮闘する。だが、自分のやりたかったことすべてをやり終えたときには、もう家族の顔も分からなくなっていた。家族と出かけた森の中で、自分の子どもたちを見ながら「可愛らしいお子さんですね」と妻に話しかける。他人と思われている妻の心境を想像するとジーンときた。だんだんと記憶は失われてゆくが、深い絆で結ばれた家族に囲まれて幸せそうな主人公、ラストシーンが印象的だった。
一般的に、若年性アルツハイマーや高齢者認知症に罹るということは「人生の終わり」を意味する。このように暖かい家族や同僚、友人たちがいるというのはドラマならではの設定で、普通はではとうていあり得ないだろう。
認知症の人たちの行き着く先は、グループホームなどの施設に入れられ、社会から隔離されてしまう。そして、徐々に人間としての尊厳が失われて、もはや単なる物体でしかなくなる、というのがほとんどだろう。が、そういう人生の最後でも、当の本人は何の苦痛も屈辱も感じない、それがせめてもの救いだろう。
このドラマの中で、主人公が100-7は93、93-7は86……と数えるシーンがある。これは自分の記憶を確かめているのである。私も毎朝、ウオーキングの時に同じことをやっているが、いい間違えたり、思い出せなくなったら認知症の始まりだと思っている。一人暮らしだと気付いてくれる人がいないから、自分で毎朝、記憶の確認をするしかないのである。
私は3年前に認知症検査を受けたことがある。MRI診断の結果、先生が「立派な海馬ですね。頭をよく使っているのでしょう。これだと10年は大丈夫」と太鼓判を押してくれた。だが、安心はできない。そこで認知症予防策として、韓流ドラマを観て喜怒哀楽の感情表現を豊かにする。字幕スーパーで集中力を鍛える。ウオーキング中にいろいろな脳トレをやる。運動で体を鍛えること、記憶を確認することは毎日の大事な仕事となっている。
ところで、最近は血液1滴で13種類のがんの有無を診断できると検査法が開発されたと聞く。そして今度は、京都府立医科大がアルツハイマー病を血液検査で比較的簡単に診断できる手法を開発したとか。アルツハイマー病は認知機能などの症状が出てから診断されることが多いが、血液データなどで早期から正確に診断されるという。実際に活用できる日が一日も早く来ますように。
若年性アルツハイマーをテーマにしたものなら、韓流映画「私の頭の中の消しゴム」がお勧めです。
少しずつ愛する人の事を忘れてしまうストーリーですが、最初から最後まで愛に満ちた物語です。
「私の頭の中の消しゴム」は、もう7年くらい前になりますか、私が韓流ドラマを見始めたころに観ました。
みんなは「冬のソナタ」で韓流ドラマファンになったそうですが、私はその頃は韓流ドラマはまったく見ていませんでした。後に再放送がありましたが、ヨンさまというのはあまり好きではないので1話だけ見て止めました。最近でも再放送してますね。
この「記憶」は法廷ドラマでもあり、ミステリーとしても面白いですよ。