つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

日本を「借金大国」にした真犯人!・・・

2023-06-05 | どう思いますか

 今朝は薄曇り、太陽は顔を見せたり隠れたり…。風が少し肌寒かったよ。


 『日本を増税でも賄えない「借金大国」にした真犯人 1965年までは「無借金国」だったのに…』という見出しに興味を惹かれて読んだ。が、やたらグラフや図が多くてよく分からない。重要なところだけ抜粋したので、前後の脈絡に不自然な個所がある。(詳細はネット記事を)
 戦後しばらく、日本は無借金財政だったが、1965年度に戦後初めて国債を発行した。これは1964年度に東京で開催されたオリンピックの反動で翌年から不景気になり、税収が不足したからである。
 ただ、それ以降も建設国債が毎年発行された。国債発行で集めたお金で公共投資を行い経済成長できれば、自然と税収が増えて借金も十分に返せると見込んでのことだった。実際に、1954年12月~1973年11月頃は高度経済成長期と呼ばれる日本経済が一番成長した時期で、この間は毎年のように減税をしながらも、経済成長率が高かったので、税収は増加していった。
 しかし高度経済成長期を終えた頃に、国債発行額は大きく増えてしまった。その原因の1つはオイルショックだ。1973年10月6日に始まった中東での戦争をきっかけに中東の石油産出国がいっせいに石油の価格を上げた。石油の値段が急激に上がれば物価も急激に上がることになる。
 オイルショックの他に、借金が増えたもう1つの理由は社会保障費の増大である。1973年度から社会保障関係費が上昇したのには、急激な物価上昇も影響している。物価が上がれば、それに合わせて社会保障費も上げていかないと追いつかないためだ。
 日本の社会保障費は、1960年代までさかのぼると歳出の10%ほどだったが、それがいまでは全体の約34%にまで増加。その原因は、この時期に老人医療の無料化、医療保険における高額療養費制度、年金額の物価スライド制が導入されたことなどが影響している。
 社会保障費を増大した背景には、危機感を抱いた自民党が選挙で勝つためだった。しかし必要な増税はされなかった。こうして税収と歳出の差がどんどん開いていく状況に対して、自民党は1979年に消費税を導入しようとしたが、国民の猛烈な反対に遭い、断念した。
 バブル崩壊以降、借金を減らして財政を再建させようと政府が取り組んだことはあったが、いずれも金融危機を前に頓挫してしまった。特に、2008年に起こったリーマン・ショック、さらにそこからの回復途上に起きた2011年の東日本大震災によって、日本はさらなる税収の減少と国債発行増大に苦しむことになった。そのうえ、2020年からのコロナ禍により、国債発行額は異次元のレベルになっている。その根本原因は、本当は増税しないといけないのに、選挙に勝つことを最優先して、歴代政権が嫌なことを後回しにしてきた点にある。
 今さえよければそれでいいという「キリギリス路線」を先人達が1970年代後半に選択し、それが修正されないままここまで来てしまったのだ。今はもうこの世にいない先人達にとっては、自らの負担を上回る利益を享受できたのだから、合理的な選択だったと言えるだろう。が、そのツケはそう遠くない未来、我々が払う羽目になるのである。
 現在、国の借金は2022年3月末時点で1,241兆円3,074億円と過去最大を更新した。今の日本の状況は、この文中の高度成長期を終えた頃、以降の日本とよく似ている。今も財源の確保ができないまま「絵に描いた餅」は数を増す。借金を減らす工夫をしないなんて…ネ。はてさて、若者たちの未来はこの先どうなることやら   

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6 コメント

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犯人は国民全員 (sirousagi gamanoho)
2023-06-05 17:21:18
国の為政者任せで、借金を減らそう、将来に禍根を残さないでおこう」なんて虫が良すぎるわが国民
収税にはシビアで反対絶叫
社会保障制度には徒労を組んで群がるルーズさ。
高額所得者や高齢者に多いパターン

北欧は厳しい税制度が有ってこその福祉国家。
いいとこ取りの現状が借金大国に押し上げたと思っているので反省、後悔、不安で一杯です。
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Unknown (オールドレディー)
2023-06-06 09:22:03
★shirousagi gamanohoさま
そうですね。最終的な責任はわがまま勝手な国民にあります。が、選挙のたびごとに国民に忖度し、大ナタを触れなかった政権のふがいなさが挙げられます。
これまで高齢者優遇だったのが、ついに医療費や保険料負担増と容赦ない改革。これがどうしても仕方ないことであれば受け入れましょうが、選挙目当てのバラマキなら許せません。
いま朝刊に「山田方谷」をえがいた小説が連載されていますが、今の世にこそこういう人物が必要でしょう。でも国民から信頼されていなければ何もできません。
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山田方谷感激です (sirousagi gamanoho)
2023-06-06 16:15:15
小説と言えど格調高く、自ずと醸しだされる「方谷像」が思い浮かべられて、この自堕落な世の中で背筋がびっしと伸びる、毎朝が楽しみでしょうね。
澤田瞳子さんは大好きな作家 羨ましいです。

大阪町民学問所、懐徳堂ゆかりの記念会会員で学ぶsirousagiにとっては諸藩の教育制度にも関心があり政治を司る人物の若き日の学問への情熱にあこがれています。
山田方谷の師 丸川松隠が竹山先生(懐徳堂四代目學主)に心服,弟子の禮を執り、後大坂に転居交友続けたという挿話中に
偉大な方谷先生の名前知ったのはもうずいぶん前の事です
学問を活かし智慧と有現実行力、知れば知るほど
魅力的な『聖人』ですね。
民の信頼は政治を司る人物の公明さに尽きると思います。
しっかり見極めよう甘い言葉の裏
見極める力は教育から、民も自ら学びましょう
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Unknown (オールドレディー)
2023-06-06 18:33:00
山田方谷は備中松山藩、今の岡山県高梁市の人です。備中松山城の雲海は有名ですよ。
連載小説を読んで初めて知りました。命がけで藩の財政改革に命を懸けたひと、頑として曲げない信念の人だったとか。読めば読むほどに魅力を感じます。
澤田瞳子さんってすごいですね。歴史的資料を集めるだけでも大変だったでしょう。現在、地元の人たちはNHKの大河ドラマになるようしたり署名活動をしたり頑張っているそうです。私も毎日楽しみに読んでいます。
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Unknown ()
2023-06-06 19:41:12
国債を大量に発行してもインフレが起きないということは、日本の国内に国債を買ってくれている人が多いってことだと思います。
もし、国債をを買ってくれる人がいなければ、確実にインフレが起きます。
物の値段が短期間で2倍、3倍になるでしょう。
日本人は賢明だからそんな経済を作りません。
もし国債を買う人が外国人だったら、日本国経済が大変なことになるそうです。
国債をいくら発行してもインフレが起きなければそれはそれでバランスが取れているんじゃないですか。
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Unknown (オールドレディー)
2023-06-07 09:35:15
★亀さま
国債発行額の50%以上が日銀保有、あとは民間銀行や自治体など、国民も5年・10年満期の国債を買っています。外国人の保有率は7%ほどだとか。だから国の借金は国民みんなの借金ということになるのでしょうね。
ずっと昔、10年満期の利息が高かったころには私も買っていましたが、今は銀行よりほんの少し良いくらいでしょうか。今は利息など税金を引かれたらわずかなもので、大金持ちは税金逃れにタンス預金をするそうですね。
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