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つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

怖ろしく悲しい意味が隠された「日本のわらべ歌」・・・

2014-11-27 | やりきれません

 私たちが子どもの頃から慣れ親しんだ日本の童謡を、今ではあまり耳にしなくなった。童謡に郷愁を誘われ、懐かしい子どものころに思いを馳せるのは私たちの年代までか。ネットに『哀しく恐ろしい意味が隠された日本の童謡』という記事があった。私も『カナリヤ』や『てるてる坊主』などの童謡に、なぜこんな怖い残酷な歌詞が…と、いつも思っていたが、その歌詞には作られた時代の背景、作者のさまざまな思いや事情や隠されていたのだった。それを、大人にはなるほどと納得できても、子どもたちには知らせたくないのかもしれない。 

カナリヤ』 作者の西条八十は詩を作る仕事に就きたいと願いながら、日々の生活に追われ、株の取引に明け暮れる自分を責めて作った歌だとか。「いえいえ、それはかわいそう」というのは妻の口癖だったという。
てるてる坊主』 この歌の解釈には諸説あるが、昔、雨の日が続いたとき、お経を唱えれば次の日は必ず晴れるという事で有名なお坊さんが、お殿様の前でお経を唱え、「明日は必ず晴れます」と言った。しかし翌日、雨は止むどころかザーザー降りで、嘘をついた罰として、お坊さんは首をはねられてしまった。そして、その首をおまじないとして布に包んで吊るしたところ、翌日は晴れたという。3番の歌詞にそれがでてくる。
花いちもんめ』 花=女の子、いちもんめ=一匁(重さの単位、そこから値段を決めた)であり、人身売買の様子を描いた歌だったとか。庶民が貧しい暮らしを強いられていた当時、女の子は口減らしのために都会に売られていた。「勝ってうれしい」「負けてくやしい」を「買って」「(値段を)まけて」と考えたという。

指切りげんまん』 昔の遊郭の遊女が、客に普遍の愛情を誓う証として小指を切断していたことがはじまり。これが大衆に広まり、約束を守るという意味に変化したという。「げんまん」とは「拳万」、拳のことで、約束を破った場合、握りこぶしで1万回殴る制裁の意味だとか。
ちょうちょう』 蝶とは浮気癖のある男のこと、花は遊郭の女たちのことである。浮気癖のある男をもつ妻が子どもに対し『あなたの父親はこんな人なのよ』とわかり易く歌に例えたといわれている。
赤とんぼ』 実は反戦歌であり、赤とんぼとは零戦のことだという話も。「おわれてみたのはいつの日か」も「背負われて」ではなく「追われて」だと言われているとか。
あんたがたどこさ』 江戸時代の飢饉による生活苦から親に売られ、各地から集まった子どもたちがお互いの出身地をたずねている様子だという説や、食糧難で幼い子どもが殺されて食べられる場面を漁師と狸になぞらえて描写したものだという説もある。
かごめかごめ』 またの名を「後ろの正面」ともいい、子供の遊びのひとつとされているが、歌全体の解釈としては、「後ろの正面に来た子供を口減らしとして殺す儀式」「姑によって後ろから突き飛ばされ流産する妊婦を歌った歌」「罪人を斬首するときに歌った歌」「徳川埋蔵金のありかを歌った歌」などさまざまな解釈が提唱されている。
とおりゃんせ』 七五三のお参りの際、関所の通関が厳しく、その様子を歌っているという解釈が一般的。ほかにも「細道」を「産道」として、母親の腹から産まれる時の歌だとする説や、人身御供の歌説、親の子殺しの歌説などもあるという。

シャボン玉』 作者の野口雨情が、生まれてわずか8日目だった長女の訃報に、我が子の儚い命をシャボン玉になぞらえて唄ったものだとか。子を亡くした親の切ない想いが込められている。
赤い靴』 主人公の少女は、アメリカ人宣教師夫妻の養女となり渡米するはずだったが、結核に侵され、孤児院に預けられたまま亡くなった。実の母親はそれを知らず、死ぬまで娘は元気にアメリカで暮らしているのだと思っていたとか。 

 どれもこれも懐かしく、なじみのある歌であるが、こういった意味があるとは考えてもみなかった。子ども時代は何も知らなかったから無邪気に歌っていられたのだろう。昨今、あまり歌われなくなったのは、歌詞が今の時代にそぐわないという理由だけではなく、こうした意味合いから敬遠されているのかもしれない。メロディはどれもすばらしいのに、童謡が廃れてゆくのは哀しい。


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4 コメント

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懐かしい童謡に (sirousagigamanoho)
2014-11-27 20:34:52
わらべ歌に纏わる哀しい意味合い!は昔からよく言われていますね、貧しく厳しい自然と闘ってきた旧い時代のことわりを表現した歌詞が多いとか。

近代の有名作詞家による童謡にもちゃんと淋しく辛い面影がしのべるなんて日本の童謡の奥深さを感じます。

苦悩は成長してからに!と言いたいのですが、歌うことで救われるのかな。
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Unknown (オールドレディー)
2014-11-28 08:42:05
★sirousagigamanohoさま
歌詞はともかく、童謡のメロディーは、どれも単調で覚えやすく、だれでもが歌えます。哀愁を帯びたスローテンポな曲が好きです。
最近、日本の国家「君が代」はとても美しい曲だと、海外で賞賛されたというネット記事を見ました。
童謡もそうですが、日本独特のメロディーはすてきだと思います。
今流行のニューミュージックについてゆけない私はやはり歳のせいなのでしょうね。
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日本国歌 君が世 (sirousagigamanoho)
2014-11-28 15:49:42
メロディーも歌詞も奥床しくてすてきですよね。
なんでも宮中の雅楽の楽人がメロディーを付けて、ドイツ人が編曲したとか、またその逆で有ったとか。
どちらにせよ美しい曲は心に響き、決して失われる事はありません。
不易流行」精神は老人こそ、しっかり備えましょう!
ニューミュージックについて行けなくても、全然気にかける事なしで~すと叫ぶsirousagi。(^_-)-☆
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Unknown (オールドレディー)
2014-11-29 09:39:09
★sirousagigamanohoさま
スポーツの表彰式などで国旗掲揚のとき、「君が代」を口ずさむかに口を動かしている選手を多く見かけます。いいことです。
学校では「君が代」斉唱を拒否する教師が多いとか。日本人なら国歌を歌うのは当然なのに、なぜ拒否するのか、理解不能です。
そういう教師を親に持つ子どもは、やはり国歌は歌わないのでしょうか?

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