毎週水曜に掲載される五木寛之氏のエッセイ『地図のない旅』。過日、こんなことが書かれていた。私にも覚えがあり、読みながらウンウンとうなずくことしきり。(一部抜粋)
私も人生の後半期にさしかかった頃から、いろんな発見があった。なるほど、人間はこんなふうにして徐々に老いていくものなんだな、と納得することが多い。
視力、聴力、筋力、持久力などなど、すべての能力が退化していく。それまでなにげなく開けていたペットボトルのふたが、力一杯ひねってもなかなか開かない。これは握力と筋力の衰えを如実に示している。
外でトイレにはいって、水洗機器の使用法にとまどうことがある。呆れるほど使用法の説明の字が小さいのだ。ときにはモダンデザインの絵柄で説明してあったりして、これがまたわかりづらい。先日はまちがってビデのボタンを押してしまって大変だった。
朝、配達されたばかりの新聞を読む。しかし重なったページをめくるのが厄介なのである。紙面が密着していて、それを分離させるのがひと苦労なのだ。
同年輩の詩人にそのことを愚痴ったら、彼は平然として言った。「あれはね、鼻くそをほじりながらページをめくるとうまくいくんだよ。やってみたまえ」と。彼の解説によると、高齢者の指は脂気がなく、指紋もすりきれてツルツルなのだそうだ。だから適当な湿り気を与えてやると、それがカバーできるのだという。
高齢になるとだれしも同じらしい。私も5年ほど前、ペットボトルやジャムのフタや缶のタブなどを開けるのに手こずるようになって、右図のようなオープナーを買った。これは握力が弱い高齢者に向いているというが、缶のプルトップを引っ張るのは力が弱くてダメ、これだけはどうしようもない。
最近、牛乳パックの注ぎ口がうまく開けられない。力を入れてむりやり接着を剝がそうとすると破れてボロボロになる。何かいい方法がないか、先日ネットで検索したら、いいものを見つけた。
これは 尖った先端を紙パックに突き刺し、内側にあるパッキンが密着して回転しなくなるまで回すだけ。名称は「紙パックラクラク注ぎ口 QA−042」。アマゾンで2個2色733円で売られているので買った。これだと力は弱くて大丈夫、簡単にできた。
また私も五木先生同様、毎朝、重なった新聞をめくるのに困っている。が、まさか「鼻くそ」は…ネ。ツバをつけてめくっているが、読むのは私だけだからいいだろう。
「老化は足から」というが、腕力や握力が弱いのも困る。杖をつくにも、シルバーカーを押すにも、車椅子の乗り降りにも、何をするにも腕力、握力が強くなくてはダメ。特におひとりさまは手も足も達者でなくては困る。
「人も機械も休めば錆びる」って聞いた。ベッド上に2週間程度安静にしていても筋力は低下する。骨折はしっかり固定できるが、筋力はすぐにはつかない。高齢でも筋肉は鍛えられるが、自分で使わないと筋肉は強くならない。他人任せではダメ、と…。
毎日の体操も、正直いうと大儀だ。でも「やらなきゃあ歩けなくなるかも…」、そう思うと頑張る気になる。けど、生きるってのは、なかなかしんどいのよね。
80歳越えればもう一直線で下る勢い止まらずですね。
握る、摘まむ、捲るなんて出来て当然はまだまだ若い証拠です。
ある日気付いて愕然!
足腰ばかりか腕、手指まで
ストイック!?に泣く泣く腕立て伏せを加える筋力トレーニング。出来るのかしら?
ベッドから口だけ達者も絶対嫌だけど
自力で何でもこなすのには、色々訓練を経なければならないのも辛い事。
重荷を背負って❣生きて行く
何にもせず、ボーッとしてれば楽だけど、それだと寝たきり状態へまっしぐら。それがイヤで無理にでも運動するがそれも大儀になった。「楽あれば苦あり」というが、この先は苦ばかりのような気がする。それでも生きねばならないとは…。トホホです。
30㎏なんて、2㎏の米でもやっとです。昔から力仕事は苦手で、「色男、金と力はなかりけり」というけど、色女でもないのに私は金と力はなし。最近は重いものは引きずったり押したり…です。