老女の会話・・・

　昨日は今年初めての泳ぎ初めで、約1ヶ月ぶりにプールへ行った。12月は中旬から雪の日が続き、オープンカーの私は足がなく外出もままならなかった。
　水泳歴は17年近くなるので、プールへ行くと顔馴染みも多く、早速新年の挨拶の四方拝である。同年齢の人が多く、みんなどこかしこの不調を訴えながらも水中ウォーキングに精を出している。ここへ通ってこられるだけ幸せであると思わなければなるまい。
　水中運動や泳ぎで1時間ほど過ごし、1歳年下の友人とランチとしゃれ込んだ。が、食事をしながらも、話題は老い先の身の振り方のことになる。彼女は主人を早くに亡くし、二人の娘さんを嫁がせ一人で暮らしているという。私の両親は他界したが、彼女は93歳のお母さんが健在で、今は一人で暮らしているがそろそろ限界で、子供たちで身の振り方を相談している。しかし、当の本人が我が家から動くことを頑として聞かず、さりとて無理強いはできず思案しているという。自分は元気でも周りから見れば危なっかしく、そうやって母親が自分を主張すれば子供たちが困るというより心配で、余計な面倒をかけることになる。彼女も、自分も母親と同じように子供たちの心配の種になるのかと思うと、自分の老い先が気がかりだという。老齢になると誰でもそうで、如何にして死ぬかを考えざるを得ない。
　私は子どももなく身軽ではあるが、人間誰の手も借りず、ある日突然消えてしまうわけにも行かず、不本意であるが最後の看取りをしてくれる人が必要だ。象は自分の最期を察するといずこへともなく姿を消すという。私もそうありたいと思うが、残念ながら人間社会ではそうもいくまい。
　せっかくのランチもそういう会話で終わり、それでもお互い心の内を吐露することで何となく気も晴れるのである。要はいつまでも足腰丈夫で心身ともに元気でい続けることである。だが、年金落語ではないが、若い人の年金のため出処進退は潔く、早めに切りをつけてあげなければ・・・ネ。