つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

自殺した男子生徒が遺したノート全文

2013-07-17 | やりきれません

 2011年10月11日、滋賀県大津市内の市立中学校の当時2年生の男子生徒が、同級生によるいじめを苦に自宅で自殺した。この事件は「大津いじめ自殺事件」と呼ばれ、学校と教育委員会の隠蔽工作が大きな反響を呼んだ。そして、この事件が誘因となって、2013年6月21日「いじめ防止対策推進法」が成立した。
 また、昨年12月には大阪市立桜宮高校のバスケットボール部主将だった2年生の男子生徒が、顧問の男性教諭からの激しい体罰に耐え切れず自殺した。府警は生徒の父親から暴行罪での告訴を受け、捜査を開始。暴行罪及び傷害罪で書類送検していたが、7月4日、大阪地検は元教諭を在宅起訴、公開の法廷で刑事責任が問われることとなった。

 「いじめ防止対策推進法」は成立しても、いじめによる自殺は一向に減らない。年初から7月現在までに以下のような事件が起きていることが分かった。
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  そして7月9日、宇部市内の市立中学校に通う3年の男子生徒が自宅で首をつって死亡した。教育委員会によると、男子生徒は今の中学校に通う前に、市内の別の中学校に通っていて、1年生だったときに同級生からいじめを受けて不登校になった。しかし、教育委員会が設置している不登校の生徒を対象にした特別教室に通い、3年生になったことし4月に本人の希望で今の中学校に転校してきたという。5月の修学旅行にも参加し、元気な様子だったというが、以前受けたいじめとの関連を調査しているという。
 
さらに10日には、名古屋市の市立中学校に通う2年生の男子生徒が自宅近くのマンションから転落死した。生徒の自宅から、複数の人から「死ね」と言われたとの趣旨の内容が書かれたノートが見つかり、市教委はいじめが原因の可能性もあるとみて事実関係の調査を始めたそうだ。写真は男子生徒が書き残した全文である。淡々と述べている文章には、思春期にありがちな厭世観がうかがわれ、衝動的に死を選んだのではないように思える。
   
 アンケートから、クラスの生徒も担任の女教師も「死ね」「キモい」「ウザイ」などの過激な言葉を日常的に耳にしていながら、見てみぬふりをしていたことが分かった。さらに、担任女教師の“らしからぬ”発言を巡って、教師と生徒の食い違いが問題になっている。なぜ、教師は見てみぬふりをしたのか、教師の怠慢も罪である。

 小学校のうちは子どもだから、物事をそれほど深刻には考えない。が、中学生になると、子どもから大人へ変貌する大きな心身の発達時期である思春期が始まる。多感な年頃といわれるように、何気ないことにも深刻に悩んだり苦しんだり、気持ちが揺れ動く時期である。特に男の子は反抗的になるらしく、口数が少なくなるというのが一般的のようである。
 私の経験から言えば、楽しく懐かしい思い出があるのは中学校生活で、高校生活は大人社会に出る準備期間というか、楽しい学校生活なんていう記憶はない。昔は、今のサラリーマン教師と違って“聖職者”と呼べるような教師がたくさんいた。私の1・2年のときの担任はまだ20代の男性教師で、生徒たちとの信頼関係は抜群だった。放課後に生徒たちにできる作業を手伝わせたり、いつも生徒たちとの交流に心を砕いていたように思う。夏休みになるとキャンプに行ったり、先生の自宅に遊びに行ったり、今でも忘れられない思い出がたくさんある。60年を経た今でも顔と名前をはっきり覚えている教師はその人だけである。教師の資質とか、適性とか、能力とかより、教師の人間的魅力に尊敬の念がもてるか否かによって、お互いの信頼感も変わってくる。
 
人生で一番楽しいはずの中学校生活が人生の終わりになるなんて、そんなことがあっていいはずはない。同級生もそうだが、教師が見てみぬふりをするなんて、絶対に許されることではない。学校も教師も教育委員会も、自分たちの責任の重大さを知るべきであり、生徒達もいじめに気付いたらどうすべきか、もう一度よく考えてもらいたい。

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2 コメント

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Unknown (suri-riba)
2013-07-17 21:23:28
相変わらず心痛める「いじめ」が続き、本気で取り組む気持ちがあるのか?と問いたいです。
教師も呆れるばかりの人格、教育委員会はもう無用の組織。しかし究極の責任は家庭教育だとおもいます。
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Unknown (オールドレディー)
2013-07-18 08:58:53
★suri-ribaさま
いじめは先生が一番に気付かなければならないことなのに、日常的な言葉になっていたからいじめとは思わなかったという名古屋の女教師。ほんとうに呆れます。

時代の違い、社会環境の違いもありますが、昔の子どもは雑草のようなたくましさがあり、少々のことでは諦めない強さをもっていたように思います。
心身ともにたくましい子どもに育てるには、おっしゃるように家庭教育が一番大事だと思います。
そして、子どもが頼れる親にならなければ…。親には何も言わず死んでしまう。親としては情けないでしょうね。
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