「言葉は人を殺す」・・・

　真っ赤な野イチゴがあちこちに、おいしそう！


　最近、「女子プロレス選手がインターネット上で誹謗中傷を受け、耐え切れず自殺」という話題に注目が集まっている。22歳という若さで死を選ばねばならないほどの苦痛を味わっていたのか、と思うと胸が痛む。
　公人はもちろん、芸能人、歌手、スポーツ選手などの有名人にはプライバシーなんて無きに等しい。ある程度の誹謗中傷は有名税だと思えばいい。良くも悪くも名前が売れればいい。そう考えている人たちは誹謗中傷なんか気にしないだろう。だが、彼女はまだ若く、馬耳東風と聞き流せるほど世間ずれしていなかったのだろうね。可哀そうに！
　「言葉は人を殺す」ということを聞いたことがある。今回の彼女の死は、まさにその通りだろう。刃物や暴力で身体を傷つけられるより「心」を傷つけられるほうがどれほど痛いか。誰かの心ない一言が、人を死に追いやる。匿名だからと言って、自分の言葉が人を死なせたと分かって平気でいられるような人間にはなりたくない。

　３年前のことである。誹謗中傷とは違うが、私の書いたブログが人権を侵害していると指摘されてショックだった。
　goo事務局より次のようなメールが来た。こちらはgoo事務局です。この度、gooID：××××様が運営されるブログ http://blog.goo.××××/（私のブログアドレス）につき、侵害情報の通知書兼送信防止措置依頼書を受領致しましたので、本メールに添付の「侵害情報の通知書兼送信防止措置に関する照会書」の通り照会致します。
　つきましては、当該照会書の内容をご確認のうえ、本メールに添付の「（雛型）送信防止措置に関する回答書」にご記載いただき、本メールにご返信頂くか、郵送にて弊社宛ご回答頂きますようお願いいたします。
　「侵害情報の通知書兼送信防止措置依頼書」が何のことかさっぱり分からなかったが、ネットで調べてみたら「あなたが管理する特定電気通信設備に掲載されている情報の流通により私の権利が侵害されたので、あなたに対し当該情報の送信を防止する措置を講じるよう依頼します」ということだ。要するに、私が書いたブログの情報が名誉棄損、人権侵害、プライバシーの侵害に当たるので削除を求める、ということだった。
　問題となったブログは2010年７月にアップしたもので、新聞記事からある犯罪事件を抜粋、犯人の氏名もそのまま載せたのだが、その後、どうなったかは知らなかった。が、犯人として逮捕された人は５年の判決を受け、すでに刑期を終えて社会復帰している。もう７年も経っており、事件内容や氏名がいつまでもネット上に残っていては社会生活に支障をきたすので削除を求める、というものだった。
　勿論、削除することに異論はない。すぐにgoo事務局からの「送信防止措置に関する回答書」をコピーし、削除した旨を送信した。その後、「このたびは、送信防止措置に関する照会手続にご協力いただきまして、誠にありがとうございます。以上をもちまして、本手続は終了となります」というメールがgoo事務局から来て、一件落着したものの怖くてしかたなかった。
　この通知を無視して放置しておくと、ブログが閉鎖されて使えなくなることもあるらしい。無知なるがゆえに、知らず知らずのうちに人さまを傷つけていたとは…。これからは新聞記事の引用には注意しよう。一般人の事件などの場合はＡ、Ｂなど仮称を用いよう、と肝に銘じたのに、今回のことがあるまですっかり忘れていた。いい加減だなあ！
　私は政治家や政権批判など、辛辣な内容のブログを書くことがよくある。相手は公人だから構わないと思うが、自分が発した言葉には責任を持たなければならない。改めてそう思った。