つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

終の棲家は老人ホーム その1・・・

2024-11-15 | 私事ですが

 東京都心に地上36階建ての「高齢者向けサービス付き住宅」が建設された。もっとも高額な部屋は入居金がおよそ6億2000万円、月々の利用料は55万円。独り身の人を中心に4000件を超える問い合わせがあり、400室中およそ180室で契約が済んでいるという。
 最大の特徴が豊富な共用施設。建物内には水中ウォーキングを楽しめるプールや大浴場が完備されているほか、麻雀やカラオケを楽しめる部屋もある。さらに、最上階部分に設けられたダイニングルームでは毎日3食、帝国ホテルのシェフが作る食事に舌鼓を打つことができるという。
 超一流のホテルのことかと勘違いした。でも入居者のみながみな元気いっぱいの高齢者とは限らない。豪華な施設、設備よりも高齢者に必要なのは医療・介護の提供体制、職員のサービスの良さ、それが一番ではないか、と私は思う。

 今から23年前、私は61才。県北のある町に住んでいた。その頃は喘息の発作に苦しんでいるときで、住んでいた4階の階段の上り下りが死ぬほどつらかった。転居を考えていたある日、新聞で「ケアハウス建築中 入居者募集」という記事を目にした。ケアハウスとは、家庭での生活が困難な60歳以上の高齢者が、低料金で食事や洗濯などの介護サービスを受けられる施設である。
 事務所へ電話したら、迎えにゆくので見てほしいという。8階建てで定員50名、少し空きがあるという。まだ内装工事中だが、玄関を入ると右にギャラリーがあり、経営者所有の洋画、彫刻などが展示されていて、学芸員が常駐するという。
 8階には市内の夜景が見える大浴場、外にはジャグジーもある。食堂は4階で、ダイニングテーブルセットがおしゃれ! 壁や床、部屋の内装に木材がふんだんに使われ、とても老人ホームとは思えないおしゃれな建物だ。モデルルームと食堂、7階の大浴場などを案内してくれた。
 部屋の広さは18㎡、ドアをあけると右にミニキッチン、反対側にトイレと洗面所、洗濯機置き場。部屋とはクローゼットで仕切られている。部屋は明るくてわりと広く感じた。それに幅1mほど、部屋の前いっぱいに広がるベランダが気に入った。
 入居の条件は、健康で自分のことが自分でできること。私はパソコンのデータ入力のバイトをしていたが、ここからでも通勤可能だという。私には願ったりかなったりで、すぐに7階を契約した。
 入居金はゼロ。利用料は年金とバイト料を申告したら月額13万円超になる。安くはないが、ここにいれば自分のことができなくなっても、寝たきりになっても、ボケがきても、近隣に同系列の福祉施設がたくさんあるのでどこかへ入れてくれる。先行きの心配をしなくていいのが一番と、ここを終の棲家と決めた。
 食事は朝食と夕食のみ頼むことした。お風呂は午後3時から10時の間なら自分の好きなときに入れる。食事の後片付けもお風呂の掃除も何にもしなくていい。部屋の掃除と洗濯だけすればいいなんて最高! ますます横着になるのが心配だった。

 思うところがあって、3年足らずで退所したが、いい経験をしたと思っている。ここでの暮らしぶり、人間関係、老いらくの恋、私の武勇伝などなど、色々あっておもしろかった。すべてお話しますので次回を楽しみに! 

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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オールドレディさま (Unknown)
2024-11-16 17:25:10
23年前とはいえ、条件としてはいいのに・・。
退所された理由はこれからの「おたのしみ!」
参考に・・と言っても私にはもう遅すぎますが、楽しみに続編おねがいします。
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Unknown (オールドレディー)
2024-11-19 09:54:19
★Unknown さんへ
お返事が遅くなってごめんなさい。
終の棲家を決めるのはちょっと早すぎたみたいです。
でもいい経験をしました。
返信する

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