伊豫・黒川一門 持城
伊豫 守護家河野家の重臣である黒川家は戦国期多く城を守りました。
その一部を紹介しましょう。ただ当時は城と名がつくも多くは「かき揚げ」造りと
呼ばれる、砦のようなもので、江戸期の天守閣を持ったような立派な物はあまり
ありません。また、同名で山の城や里の城とか注釈がつくものは平時は里の城(屋敷)
で暮らしており、戦時に山の城に武器、水、食料、住民を集めて籠城戦に近いものを
していました。火縄銃は貴重で殆どなく、刀、弓、槍、石礫で戦っていました。
戦いを仕掛ける時は、春と秋が多く、理由は至極簡単で田植えの終わった田圃を蹴散らし
枯らす作戦と逆に秋の米の取入れ時期に余裕がある場合は多くの自分側の農民を送り込み
根こそぎ稲を奪う方法と、急を要する場合は刈り取り前の稲田に火を放ち、食料を絶つ
方法が取られました。これらの戦法を駆使したのが隣の土佐の長曾我部で中予、南予では
多くに記録が残っています。ただ、黒川家の縄張りは東予ですのでどのような戦法が
取られたかよくわかりません。最大の戦いは「天正の乱」ですので多くの伝承が
残されます。
『伊予 黒川一門の持城」
【一】
①城 名 剣山城
②城 主 黒川元春(通堯・通仁)
③取得時期 享禄年中
④取得方法 「小松邑誌」には「昔は鶴来山とも書し由、世間に大儀寺の城と云い
上城は大郷村、下城は妙口分なり」とある。狼が咥えてきた剣を
土中深く埋めたので剣山と云うようになった。築城したのは、
黒川通堯(元春)
⑤場 所 小松町妙口(下城) 小松町大郷(上城)
⑥標 高 250M
【二】
①城 名 担ノ城
②城 主 黒川信綱
③取得時期 文永年中
④取得方法 初代黒川信綱が奥州より密かに千足帰り築城した黒川家最初の持城
⑤場 所 小松町上黒川
⑥標 高 ーー
【三】
①城 名 山城
②城 主 黒川通朝
③取得時期 嘉吉年中
④取得方法 湯月屋形(主家河野家)の命により千足邑に山城を築く。
通朝、山城守を名乗る。
⑤場 所 小松町千足山(横峰寺上手)
⑥標 高 ーー
【四】
①城 名 中森城
②城 主 (廃城)
③取得時期 享禄年中
④取得方法 享禄の頃に野瀬越前守が拠ったが、黒川通堯が攻め越前守は
北条邑まで敗走し討死した。
⑤場 所 小松町
⑥標 高 720M
【五】
①城 名 獅鼻城
②城 主 宇野隼人正
③取得時期 享禄年中
④取得方法 宇野氏が代々の城。黒川元春の傘下に入り茲を守る。
⑤場 所 小松町大頭
⑥標 高 120M
【六】
①城 名 見張り砦
②城 主 ーー
③取得時期 享禄年中
④取得方法 剣山城の支城
⑤場 所 小松町妙口
⑥標 高 ーー
【七】
①城 名 幻城
②城 主 黒川正長
③取得時期 天文四年
④取得方法 歴応五年、細川頼春が侵入した時、城主の岡若丸が上城で討死、
下城で岡弾正が討死。しばし廃城であったが、後に剣山城主
黒川氏が要害城として黒川正長を守将とした。
⑤場 所 小松町山の内
⑥標 高 ーー
【八】
①城 名 松尾城
②城 主 黒川通重
③取得時期 享禄年中
④取得方法 松本豊後守居城。享禄年中、黒川通堯が攻め豊後守は来見まで
敗走して自害した。その後黒川左近進通重が護。
⑤場 所 丹原町安井
⑥標 高 380M
【九】
①城 名 分台城
②城 主 兼頭修理
③取得時期 享禄年中
④取得方法 武田備後守信重、臼坂弾正、兼頭修理亮が居た。享禄年中
黒川通暁の傘下に入り、黒川家の要害城となる。
⑤場 所 丹原町志川
⑥標 高 170M
【十】
①城 名 大熊城
②城 主 黒川通吉
③取得時期 享禄年中
④取得方法 享禄年中、黒川通暁の傘下に入り、黒川通吉が守る。
⑤場 所 丹原町臼坂(笹ケ峠)
⑥標 高 327M
【十一】
①城 名 立烏帽子城
②城 主 (某)
③取得時期 享禄年中
④取得方法 享禄年中、黒川通暁の傘下に入る。
⑤場 所 丹原町鞍瀬
⑥標 高 979M
【十二】
①城 名 針森城
②城 主 黒川通堯
③取得時期 享禄年中
④取得方法 享禄年中、黒川通暁の傘下に入る。
⑤場 所 丹原町鞍瀬
⑥標 高 450M
【十三】
①城 名 赤滝城
②城 主 黒川通矩
③取得時期 享禄年中
④取得方法 治承四年平維盛が立て籠もり、河野通信が滅ぼす。
享禄年中黒川通矩が守る。
⑤場 所 丹原町明河
⑥標 高 629M
【十四】
①城 名 榎木城
②城 主 黒川通長
③取得時期 天文年中
④取得方法 天正二年通暁嫡子通長(宗太郎)が鷺森城主、壬生川通国の猿楽に
呼ばれてその場で通国を切って落とし榎木城に逃れ帰ったが、家臣の
稲井義通と桑原三郎兵衛が五百騎で攻め、通長は自害した。
黒川時通、時貞、時安、時盛、悉く討死。
⑤場 所 小松町妙口都谷
⑥標 高 115M
【十五】
①城 名 大曲砦
②城 主 黒川通長
③取得時期 天正年中
④取得方法 天正年中剣山城主黒川氏、鷺森城主壬生川と度々交戦した時、壬生川氏が
この砦を作るが後の合戦で黒川氏が勝ち取る。
⑤場 所 東予市周布591番
⑥標 高 ーー
【十六】
①城 名 楠窪砦
②城 主 ーー
③取得時期 享禄年中
④取得方法 中山口見張りの為
⑤場 所 丹原町明河
⑥標 高 300M
【十七】
①城 名 中山口砦
②城 主 ーー
③取得時期 享禄年中
④取得方法 中山口見張りの為
⑤場 所 丹原町鞍瀬
⑥標 高 ーー
【十八】
①城 名 駒頭城
②城 主 ーー
③取得時期 享禄年中
④取得方法 中山口見張りの為
⑤場 所 丹原町臼坂
⑥標 高 ーー
【十九】
①城 名 中城
②城 主 ーー
③取得時期 ーー
④取得方法 久枝伊賀守が居た城、後に黒川氏が領した。
⑤場 所 東予市久枝
⑥標 高 ーー
【二十】
①城 名 三谷城
②城 主 荒井氏
③取得時期 享禄年中
④取得方法 享禄四年、黒川通暁が渡辺越中守光綱を攻めて落とす。
渡邊氏の臣、荒井氏が黒川氏に仕えて黒川八人衆の一人となり守る。
⑤場 所 東予市周布
⑥標 高 ーー
【二十一】
①城 名 明河上砦
②城 主 黒川通良
③取得時期 享禄年中
④取得方法 明河口の見張りの為作る。
⑤場 所 丹原町明河
⑥標 高 ーー
【二十二】
①城 名 黒川本陣
②城 主 黒川通朝
③取得時期 文明七年
④取得方法 山城と担ノ城の間に在り。文明七年千足中邑に館を置き黒川本陣とする。
⑤場 所 小松町千足中邑土居
⑥標 高 ーー
【参考1】
① 戒能宅跡
②持 主 戒能氏
③取得時期 天正年中
④取得方法 戒能三郎通久が居る。後に越後守が居る。剣山城主黒川氏の執事。
⑤場 所 東予市石田
⑥標 高 ーー
【参考2】
① 安藤美濃守墓
②持 主 ーー
③取得時期 ーー
④取得方法 安藤氏は類題この地の地頭。天正年中、安藤次郎右衛門は
黒川氏の執事となる。
⑤場 所 東予市玉之江
⑥標 高 ーー
【参考3】
① 十河氏宅
②持 主 十河氏
③取得時期 天正年中
④取得方法 十河又五郎一保居る。讃州(香川)山田組十河城主十河一存の孫。
父存次とともに当地に来り黒川家の執事(客家老)となる。
【注】元国鉄総裁十河信二氏、ここより出づ。
⑤場 所 東予市石田(宮地)
⑥標 高 ーー
伊豫 守護家河野家の重臣である黒川家は戦国期多く城を守りました。
その一部を紹介しましょう。ただ当時は城と名がつくも多くは「かき揚げ」造りと
呼ばれる、砦のようなもので、江戸期の天守閣を持ったような立派な物はあまり
ありません。また、同名で山の城や里の城とか注釈がつくものは平時は里の城(屋敷)
で暮らしており、戦時に山の城に武器、水、食料、住民を集めて籠城戦に近いものを
していました。火縄銃は貴重で殆どなく、刀、弓、槍、石礫で戦っていました。
戦いを仕掛ける時は、春と秋が多く、理由は至極簡単で田植えの終わった田圃を蹴散らし
枯らす作戦と逆に秋の米の取入れ時期に余裕がある場合は多くの自分側の農民を送り込み
根こそぎ稲を奪う方法と、急を要する場合は刈り取り前の稲田に火を放ち、食料を絶つ
方法が取られました。これらの戦法を駆使したのが隣の土佐の長曾我部で中予、南予では
多くに記録が残っています。ただ、黒川家の縄張りは東予ですのでどのような戦法が
取られたかよくわかりません。最大の戦いは「天正の乱」ですので多くの伝承が
残されます。
『伊予 黒川一門の持城」
【一】
①城 名 剣山城
②城 主 黒川元春(通堯・通仁)
③取得時期 享禄年中
④取得方法 「小松邑誌」には「昔は鶴来山とも書し由、世間に大儀寺の城と云い
上城は大郷村、下城は妙口分なり」とある。狼が咥えてきた剣を
土中深く埋めたので剣山と云うようになった。築城したのは、
黒川通堯(元春)
⑤場 所 小松町妙口(下城) 小松町大郷(上城)
⑥標 高 250M
【二】
①城 名 担ノ城
②城 主 黒川信綱
③取得時期 文永年中
④取得方法 初代黒川信綱が奥州より密かに千足帰り築城した黒川家最初の持城
⑤場 所 小松町上黒川
⑥標 高 ーー
【三】
①城 名 山城
②城 主 黒川通朝
③取得時期 嘉吉年中
④取得方法 湯月屋形(主家河野家)の命により千足邑に山城を築く。
通朝、山城守を名乗る。
⑤場 所 小松町千足山(横峰寺上手)
⑥標 高 ーー
【四】
①城 名 中森城
②城 主 (廃城)
③取得時期 享禄年中
④取得方法 享禄の頃に野瀬越前守が拠ったが、黒川通堯が攻め越前守は
北条邑まで敗走し討死した。
⑤場 所 小松町
⑥標 高 720M
【五】
①城 名 獅鼻城
②城 主 宇野隼人正
③取得時期 享禄年中
④取得方法 宇野氏が代々の城。黒川元春の傘下に入り茲を守る。
⑤場 所 小松町大頭
⑥標 高 120M
【六】
①城 名 見張り砦
②城 主 ーー
③取得時期 享禄年中
④取得方法 剣山城の支城
⑤場 所 小松町妙口
⑥標 高 ーー
【七】
①城 名 幻城
②城 主 黒川正長
③取得時期 天文四年
④取得方法 歴応五年、細川頼春が侵入した時、城主の岡若丸が上城で討死、
下城で岡弾正が討死。しばし廃城であったが、後に剣山城主
黒川氏が要害城として黒川正長を守将とした。
⑤場 所 小松町山の内
⑥標 高 ーー
【八】
①城 名 松尾城
②城 主 黒川通重
③取得時期 享禄年中
④取得方法 松本豊後守居城。享禄年中、黒川通堯が攻め豊後守は来見まで
敗走して自害した。その後黒川左近進通重が護。
⑤場 所 丹原町安井
⑥標 高 380M
【九】
①城 名 分台城
②城 主 兼頭修理
③取得時期 享禄年中
④取得方法 武田備後守信重、臼坂弾正、兼頭修理亮が居た。享禄年中
黒川通暁の傘下に入り、黒川家の要害城となる。
⑤場 所 丹原町志川
⑥標 高 170M
【十】
①城 名 大熊城
②城 主 黒川通吉
③取得時期 享禄年中
④取得方法 享禄年中、黒川通暁の傘下に入り、黒川通吉が守る。
⑤場 所 丹原町臼坂(笹ケ峠)
⑥標 高 327M
【十一】
①城 名 立烏帽子城
②城 主 (某)
③取得時期 享禄年中
④取得方法 享禄年中、黒川通暁の傘下に入る。
⑤場 所 丹原町鞍瀬
⑥標 高 979M
【十二】
①城 名 針森城
②城 主 黒川通堯
③取得時期 享禄年中
④取得方法 享禄年中、黒川通暁の傘下に入る。
⑤場 所 丹原町鞍瀬
⑥標 高 450M
【十三】
①城 名 赤滝城
②城 主 黒川通矩
③取得時期 享禄年中
④取得方法 治承四年平維盛が立て籠もり、河野通信が滅ぼす。
享禄年中黒川通矩が守る。
⑤場 所 丹原町明河
⑥標 高 629M
【十四】
①城 名 榎木城
②城 主 黒川通長
③取得時期 天文年中
④取得方法 天正二年通暁嫡子通長(宗太郎)が鷺森城主、壬生川通国の猿楽に
呼ばれてその場で通国を切って落とし榎木城に逃れ帰ったが、家臣の
稲井義通と桑原三郎兵衛が五百騎で攻め、通長は自害した。
黒川時通、時貞、時安、時盛、悉く討死。
⑤場 所 小松町妙口都谷
⑥標 高 115M
【十五】
①城 名 大曲砦
②城 主 黒川通長
③取得時期 天正年中
④取得方法 天正年中剣山城主黒川氏、鷺森城主壬生川と度々交戦した時、壬生川氏が
この砦を作るが後の合戦で黒川氏が勝ち取る。
⑤場 所 東予市周布591番
⑥標 高 ーー
【十六】
①城 名 楠窪砦
②城 主 ーー
③取得時期 享禄年中
④取得方法 中山口見張りの為
⑤場 所 丹原町明河
⑥標 高 300M
【十七】
①城 名 中山口砦
②城 主 ーー
③取得時期 享禄年中
④取得方法 中山口見張りの為
⑤場 所 丹原町鞍瀬
⑥標 高 ーー
【十八】
①城 名 駒頭城
②城 主 ーー
③取得時期 享禄年中
④取得方法 中山口見張りの為
⑤場 所 丹原町臼坂
⑥標 高 ーー
【十九】
①城 名 中城
②城 主 ーー
③取得時期 ーー
④取得方法 久枝伊賀守が居た城、後に黒川氏が領した。
⑤場 所 東予市久枝
⑥標 高 ーー
【二十】
①城 名 三谷城
②城 主 荒井氏
③取得時期 享禄年中
④取得方法 享禄四年、黒川通暁が渡辺越中守光綱を攻めて落とす。
渡邊氏の臣、荒井氏が黒川氏に仕えて黒川八人衆の一人となり守る。
⑤場 所 東予市周布
⑥標 高 ーー
【二十一】
①城 名 明河上砦
②城 主 黒川通良
③取得時期 享禄年中
④取得方法 明河口の見張りの為作る。
⑤場 所 丹原町明河
⑥標 高 ーー
【二十二】
①城 名 黒川本陣
②城 主 黒川通朝
③取得時期 文明七年
④取得方法 山城と担ノ城の間に在り。文明七年千足中邑に館を置き黒川本陣とする。
⑤場 所 小松町千足中邑土居
⑥標 高 ーー
【参考1】
① 戒能宅跡
②持 主 戒能氏
③取得時期 天正年中
④取得方法 戒能三郎通久が居る。後に越後守が居る。剣山城主黒川氏の執事。
⑤場 所 東予市石田
⑥標 高 ーー
【参考2】
① 安藤美濃守墓
②持 主 ーー
③取得時期 ーー
④取得方法 安藤氏は類題この地の地頭。天正年中、安藤次郎右衛門は
黒川氏の執事となる。
⑤場 所 東予市玉之江
⑥標 高 ーー
【参考3】
① 十河氏宅
②持 主 十河氏
③取得時期 天正年中
④取得方法 十河又五郎一保居る。讃州(香川)山田組十河城主十河一存の孫。
父存次とともに当地に来り黒川家の執事(客家老)となる。
【注】元国鉄総裁十河信二氏、ここより出づ。
⑤場 所 東予市石田(宮地)
⑥標 高 ーー
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