個人的な考え。
お師匠様の教え、の私なりの応用。
欠損部、要所要所にインプラントしていることは、高齢者になった時に天然歯がカリエスに罹患して抜歯となった時、直ぐにインプラントどうしの連結で機能回復、咬合、咀嚼能力回復、維持出来るので、ブリッジ修復は避けるべきだろう、と考えている。
高齢者の現場に長く関わり続けて来たので、天然歯のカリエスがどれだけ恐いのか、は身に染みて感じていて、それをブリッジにすると、切り離しての抜歯、がそれはそれは大変。
若い時に出来ること、が、高齢者になると全く違うこと、は良くい良く理解して置くべき、と思う。
人は何時までも若くはない。
必ず年老いる。
シンプルに回復、修復出来ること、はとても重要な考え方、なのだ。
だから、総義歯はとても良い。
何故なら、然程の肉体的負担強いないで治せるから。
患者さんが強いられる肉体的負担への配慮、は凄く大切な概念。
腕に覚えがある、のは良いけれど、正解は時間が経たないと分からない・・・
有り難いことに、私は修業時代30年40年の総義歯患者さん拝見出来て、どう言うモノなのか、が分かった。
それが凄い宝になっている。
更にその後、往診に深く関わって、寝たきり老人、介護現場、口腔内がどうなってしまっているのか、を知るに付け、年老いると言うことの恐さをもっともっと皆知るべきだ、と考えるようになった。
それを少しでもシェアして行きたい。
20年、30年、40年自分の治療が持った、と言うのは我が業界では自慢になるんだろうが、その先は?と考える視点がもっと欲しいと思う私。
その患者さんの人生は、亡くなられるまで続くので、終末期までのQOL、ADLを守る口腔内、と言う考え方がとても大切だと思う。
食べられる、と言う能力は、その患者さんにとって最後の最期依る術、砦であり、その能力を崩さない、と言うのは高齢者にとって、特に超高齢者になれば成る程重く成ってくるものだから。
死ぬ直前には、好きなモノを好きなように食べたい、と言う希望を叶えてあげたい、と切に願う。
どうせ死ぬんだから、は家族の言葉で良く聞かされたが、凄く悲しかった。
亡くなられるご本人の望みは蚊帳の外。
その方の残す遺産を減らすことは、凄く拒否られることが殆どだった。
実に悲しいことだが、現実・・・
総義歯が保険では1組で8万もしない日本。
一部負担金なら、2~3割・・・
それで何処までやれるんだろう?
海外に出れば、いきなり10倍少なくとも5倍。
それでも、文句を言われることも少なくない我が業界。
世界の実情をキチンと知らしめないと・・・
これは自費治療で、上下で70万いただきました・・・
何が幸せなのか?考えて欲しい、と思います。