即時荷重インプラント、直ぐに歯が入るインプラント治療として、ワンデイとかで一般向けにかなり宣伝をされています。
そして、抜歯即時植立インプラントも、抜歯して直ぐにインプラントが埋められる、と言うことで、これも1日1回の手術で終われると言うことで、ネット始めとして宣伝され患者さん集めに使われています。
この2つを組み合わせた抜歯即時植立、即時荷重インプラントは、更なる花形として、今ではインプラントを手掛けるDR達のやれるようになりたいインプラント治療として、大きな関心を寄せられているんです。
私が即時荷重インプラントを始めたのは2000年からです。
抜歯即時植立インプラント手術はその前、勤務医時代から手掛けていましたので、1995年頃からはしていたと思います。
開業したのが1998年(正確には1997年12月のクリスマス前)で、直ぐにKIRGに通いましたので、記憶に間違いがないと思います。
で、即時荷重と直ぐに組み合わせてやりようになって行きましたから、2001年頃にはしていたと思います。
私が手掛け始めた頃も、少しだけ即時荷重インプラントが流行りかけたことがあって、世界の学会でも話題になっていました。
でも、確か2003年のAAPだったと思いますが、ホーレイ・ワン教授が即時荷重の成績は成功率60%もないと報告をして、その為に即時荷重は下火になって来たんです。
ところが、2005年頃かのポルトガルのDRマロが、当時世界1だったノーベルインプラントと組んでAll-on-4と言うコンセプトを打ち出して、大々的に即時負荷(=即時荷重)インプラント治療として攻勢に出たんです。
これが、良くも悪くも、即時荷重インプラントが、大々的に普及するきっかけになったことは間違いありません。
しかし、それまでの即時荷重インプラント治療は、全顎的インプラントすること、総義歯になるしかない方へのインプラント治療として語られるモノばかりでした。
そんな中、私の手掛けて来た即時荷重インプラント治療は、その殆どが部分的に歯がない方へのインプラント治療でした。
つまり、私のは他の即時荷重インプラントと決定的に始めから違ったモノ、だったんです。
全部歯がない即時荷重インプラントと部分的な即時荷重インプラントでは、普通全部歯がない方が難しそうだ、と思われます。
確かに、入れ歯の場合にも総義歯よりも部分義歯の方が、歯があってそこが基準になるからやりやすい、と思われます。
入れ歯の経験者なら、部分入歯から総入れ歯になった途端、とても不自由になったと言う経験をした方もいるでしょう。
しかし、歯科の業界の中では、実は部分義歯の方が難しいことの方が多い、と分かっているんです。
歯の残り方と入れ歯の設計の仕方、でとても難しい、特に最後方臼歯が抜けてしまった場合、後ろの支えがなくなった入歯は難しい、とされています。
実はそれと同じで、即時荷重インプラントも、部分的に歯がない治療の方が難しい、と言うことが多いのです。
それで、私は私の即時荷重インプラントを、かなり批判されてしまったんです。
そんなことできる筈がない、そんな危ない治療したらいかん、嘘吐きだ、話を盛っている等々、色々と言われ続けました。
まあ、それでも私は変人なので、自分の道を進んで今に到るんです。
それでも、2010年頃即時荷重インプラントはできる者はできる、と認められ出して来たんです。
が、ここでも、純チタンインプラントでできるのか?というHAインプラントの偉い先生方から言われ、お前の即時荷重インプラント治療はおかしい、と言われてしまうようになってしまいました。
で、現在ですが、業界見渡して見ると、HAインプラントでないと即時荷重はできない、と言う流れはほぼ消えた、と言って良いと思います。
何だったんですかね・・・あれは?
いずれにしても、2000年から即時荷重インプラントして来た私の言えることは、即時荷重インプラントは植立時の力、植立トルク値35N以上を必ず得ること、で決まりと言って良いと思います。
理想的には45N以上を得るのが良い、と思いますが、上限に関しては100N超えても問題がない、と言う主張と、それだと骨壊死起こすと言う主張がまだ争ってます。
で、ここからは余談ですが、DRマロのお蔭でノーベルインプラントはその後即時負荷(即時荷重)インプラントでは最高の業績を上げてた筈ですが、現在ではストローマンに取って代わられてます。
何故なんでしょうかね?
そして、元々即時荷重インプラントの報告して来たストローマンは、トップのDRブーザーが即時荷重を毛嫌いして来た為に、即時荷重分野で出遅れてしまって、今になってトップが変わって即時荷重向きのインプラント、ノーベルの物真似のようなインプラントを出して来ました。
何なんですかね?
ノーベルはDRマロを担いで、業績伸ばして、利益上げたけど、インプラントそのものの性能の悪さでNo1から滑り落ち、ストローマンは頑迷なDRブーザーのせいで即時荷重に参入するのが遅れに遅れ、多分何兆円規模の利益を失った、と言う歴史的事実。
ありがたいことに、私は1987年卒業で、インプラントと言うモノが業界に広まって行く全過程を同時代で生きて見て来ましたから、感慨深いものがあります。
多分、今どきの若いDRは全然知らない歴史、だと思います。
でも、即時荷重インプラントの本道、それだけを一所懸命に生きて来た私の証言は、本当のことです。
つまらない話しかも知れませんが、直ぐに歯が入るインプラント治療、即時荷重インプラント治療の裏話。本当の歴史の話、でした。