オープンバリアメンブレンテクニックによる、患者さんの身体に優しい低侵襲な骨造成GBRが何故良いのか?にもかかわらず、何故批判を受けるのか、に付いて、真面目に少し長くなりますが、書かせていただきます。
従来の骨造成GBRは、造成したい分だけ増やした骨を、完全に粘膜で覆って、その中で骨の細胞が固まって治って行く、と言うのがゴールデンルールでした。
何故、完全に覆わないといけないのかと言うと、お口の中ですから、患者さんの日常生活のお口を使う、食事する、お話する等々で、造成したい骨が流れ出てしまう、食べ物とかプラークなどが混じって、感染を起こして全部ダメになってしまう、などのことが考えられて来たからです。
その為に、当初はゴアテックス社の開発したGTR膜を使用して、骨造りたい部分を造成し、それを何とか軟組織で覆う、そしてその状態で治るのを期待する、と言うのが骨造成GBRの考え方でした。
ところが、ここに大きな問題が生じ、GTR膜は血液の流れを悪くしてしまうと言う欠点があり、覆ったはずの歯茎が裂開してしまう、つまりGTR膜が露出して歯茎に穴が開いてしまう、と言うことが頻発したんです。
一説にはほぼ半数であった、と言われています。
歯茎に穴が開いてしまうと、GTR膜を通過してバクテリアの感染を起こしてしまい、当初計画していた骨造成GBRよりも小さくなったり、酷い時には元々より難しい状況に陥る、と言うことも起きていました。
それでもその当時は、その方法しかなかったので、皆が何とか裂開しないように、上手に手術するように試行錯誤していたんです。
そんな中で、サイトプラスト膜と言う新しいGTR膜が出て来ました。
これは、ゴアのGTR膜と違って、歯茎に穴が開いても中には感染を起こさない、膜を通過してバクテリアとかが侵入できない、と言う特徴を持っていました。
それで、サイトプラスト膜に関しては、裂開が問題にならない、何故ならこの膜はバクテリアが通過できないから、と言う新しい骨造成GBRの考え方が出て来たんです。
そして、その応用として、敢えて完全に歯茎で覆わなくても良い、足りない歯茎を何とかして引っ張って来て縫い合わせる必要もない、と言う手術術式で大丈夫では、と言うことをし始めたのです。
それまでのゴアのGTR膜による骨造成GBRでは、何とか歯茎で覆う、と言うことをしてきたため、歯茎を伸ばす手術も必須で、その為に骨はできたけれども、歯茎が頬とか唇の内側が地続きになってしまう、つまり見た目上、顎堤は平らになってしまった、と言う弱点があったんです。
その為に、骨造れた後、今度はできた骨に沿って歯茎を新しく創り直さないといけない、何処かお口の中から(ほとんどの場合口蓋の歯肉)を切り取って移植する、と言う手術が必要になってしまってたんです。
この軟組織作りの手術が、結構患者さんにはこたえるんです。
骨造りの手術が大変だった、その上で又大変な軟組織移植の手術、と患者さんのダメージが大きくなってしまう訳です。
それで、上手く行けば良いですが、骨造成GBRも歯茎の移植手術も、大変難易度が高く、1度で上手く行くと限らない、と言う問題点もありました。
そうなんです、何度も手術しなければならない、と言うジレンマに陥ることが起きかねないんです。
それを、サイトプラスト膜使った骨造成GBRなら回避できるんです。
元々、歯茎に穴が開いてもバクテリアの侵入はない。
そして、歯茎を何とかかんとか寄せて、顎堤を平らに小さくしてしまうこともない。
なのに、ちゃんと骨もできるし、歯茎の顎堤もできる。
良いとこ取り、の骨造成GBRに思えますよね。
その通りなんです。
1回の手術したら、後は顎堤の治るのを待つだけで済む。
それが、サイトプラストのGTR膜使った骨造成GBRです。
ちゃんと15年以上の臨床経験の積み重ねもあり、ルールにのっとったちゃんとしたやり方すれば、比較的簡単に骨造成GBRできる。
それがオープンバリアメンブレンテクニックです。
では何故、批判されてしまうのか?です。
それは、余りにも従来の考え方・治し方と、考え方・治し方が違うからです。
歯茎で覆う考え方して来たDRからしたら、そんな歯茎開いて大丈夫な筈がない、と信じられない、と言うことなんです。
そして、やって見たけど、骨の出来具合が悪いとか、です。
私に言わせれば、おいおいチャンとしたルール通りにしてるんかい?です。
オープンバリアでできるから、と話で聴いただけ、でしてませんか?です。
そこはちゃんと教わらないと、とハッキリ申し上げます。
私が、ここで書くのは失礼にあたるので、書きません。
それはちゃんとした先生に習って下さい。
その上で、ちゃんとできるように成って下さい。
オープンバリアメンブレンテクニックは、本当にちゃんとしてるモノですから。