のり屋のバーサン日記

落語に親しみ、犬猫と和む…
何でもないけど、めでたい毎日

感情という名の怪物

2023-06-03 00:18:00 | 見てきたよ



是枝裕和監督の最新作『怪物』を観てきました。脚本は坂元裕二さん㊗️カンヌ映画祭脚本賞🏆 音楽は坂本龍一さん。

ある騒動があり、登場人物それぞれの視点で経緯が描かれる。それぞれに正義があり、互いのすれ違いや誤解から生まれた感情という名の怪物が、暴走し交錯し、事態をこじらせてゆく。

個人的には観てる間ずっと不気味で、コヤツがいちばんの怪物なんじゃ?とムカムカしていた小学校長(田中裕子さん。演技派だからマジ怖い😱)が、終盤に吐露する名言に唸った。そして生徒に向けた穏やかな笑みに少し救われた。

テレビドラマで名作傑作を連発する坂元裕二さんの脚本、さすがでした。映画の脚本はセカチュー(世界の中心で愛を叫ぶ)も共同脚本で手がけておられたとは知らなかった(ちなみにセカチューの渡辺美里さんの挿入歌、作詞は拙者なり😊)

坂元さんのコメディ『大豆田とわ子…』や『最高の離婚』もクスクス可笑しくて大好き。いつか坂元さん脚本のコメディ映画も観てみたいです。

エンドロールで坂本龍一さんのピアノを静かに堪能してきました。



こんなゆったりシートで観られるのに(もちろん普通料金で)、この映画館、来年?閉館です。今日も公開初日なのに閑古鳥でした😂




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不思議と爽やか

2023-04-28 21:20:00 | 見てきたよ
阪本順治監督の最新作『せかいのおきく』観てきました。公開初日。






コロナ禍前ぶりのテアトル新宿。雰囲気、変わったような?リニューアルしたの?


江戸が舞台の時代劇。終始、糞尿が出てきます💩 それでモノクロ作品なのね?と思っていたら、カラーシーンもあるんかい🤣

落語の長屋ものっぽいコメディのつもりで観ていたら、不意に息をのむようなシリアスな場面も😨

それでも武家娘おきく(黒木華)と糞尿汲みの若者(寛一郎と池松壮亮)の物語は淡々と進み…

江戸の💩が農家の肥料になる循環型社会。江戸時代って普通にサステナブルだったんだなぁ。昔には戻れないけど、今だって排泄をしない人は世の中にいないし。普遍的なテーマを感じました。

観終わったあと、空(せかい)を見渡したくなるような、💩まみれなのに、不思議と爽やかな作品。






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さよならモザイク通り

2023-03-04 00:36:00 | 見てきたよ
今月25日で新宿ミロードのモザイク通りがクローズすると知り、見納めしてきました。


大好きな手ぬぐい店『小粋』さんともお別れ👋😂


今年から手ぬぐいを増やさない方針でしたが、さよなら記念に買いました(買う名目ができて良かった😅)。


モザイク通りが無くなったら何ができるのかな? 自分的にはモザイク通りができる前の記憶もあって。百貨店好きだった祖母と母にお供してた子供の頃から「小田急デパートと京王デパートの間の坂道」と認識していました。


その頃の景観がわかる写真。シンガーソングライター遠藤賢司さんが1970年に発表したデビューアルバムのジャケ写ウラ面が、まさにビフォー・モザイク通り。


オモテ面も載せますね。エンケンさんは既に天国に旅立たれましたが。。。デビュー前のはっぴいえんどが初めてレコーディングに参加した作品でもあります。


話を戻して、と。西口側に戻り、久しぶりに京王百貨店に踏み込んでみた。シニア百貨店、凄い活気! 行き場を無くした小田急百貨店(昨秋閉店)のお客が京王に押し寄せてる感。

地下のPAULにて。


ベリーのタルトを堪能して〆。


渋谷の変貌も凄まじそうだけど(もはや渋谷は行く気がしない)、新宿もそのうち1人で行ったら迷子になるのかも?😅




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ちひろ美術館に行ってきた

2022-11-02 20:07:00 | 見てきたよ
画家で絵本作家のいわさきちひろさん(以下ちひろさん)のご自宅跡地に建てられた美術館。世界初の絵本美術館でもあるそう。




今展覧会のタイトルは『くらし、えがく。ちひろのアトリエ』。ちひろさんの暮らしと仕事がテーマ。




この夏、竹中工務店のギャラリーで開催された『いわさきちひろと奥村まこと』展に関連する展示もある旨、奥村まことさん(以下まことさん)関係者の方々からご案内をいただき、楽しみにしていました。

『いわさきちひろと奥村まこと』展にご興味ある方は7月3日の投稿「元祖ワークライフバランス」をご参照ください。

ちなみに、まことさんは女性建築家の草分け。私にとっては母校の大先輩であり、友達の楽しいお母ちゃんであり、子供の頃から大変お世話になった人物です。

ちひろさんがまことさんに山荘の設計を依頼したときの、貴重な資料を見ることができました。60年代半ば、もちろんメールもFAXもない時代、打ち合わせは手紙。家庭に仕事に超多忙なふたりのやりとりが簡潔でカッコイイ! でも手書きのあたたかさとユーモアに満ちているんだな☺️

アトリエ再現コーナーに展示されていた、ちひろさん晩年(とはいえ55歳の若さで亡くなられている)の文章に共感し、あやうく泣きそうになった。「おしゃれな洋服やかわいい帽子が似合ったとしても、若い頃には戻りたくない。若い頃はどんなに楽しく遊んでいても、胸のどこかに虚しい風が吹き込んでいた」。ちひろさんの言葉そのままではないけれど、そんな内容。その感覚、自分にも覚えがあって。

展示物すべて撮影不可で残念。当たり前か。

外から見た中庭。


館内の絵本カフェから眺む。


館内ショップでゲット。ちひろさんのマステ。過去に展覧会をされた絵本作家さんのグッズも多数あり、長新太さん関連発見🤩


長新太さんの猫ピンバッジ。猫息子とご対面😽😸




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スギョイ!

2022-09-02 13:36:00 | 見てきたよ
昨晩、観てきました。公開初日。


もともと沖田修一監督作品の大ファン。この映画の情報も知った瞬間から楽しみで楽しみで。さかなクンの自伝をのんちゃんが演じる。面白くないわけない!


『あまちゃん』でさかなクンと能年玲奈ちゃんが一瞬共演したとき、こう直観したのを覚えている。なんか、このふたり、似てる…?

今になって分析する「似てる」の正体は、ほんわかした癒しのオーラを振りまいてるけど、内にガツンと反骨心を秘めていそうなところ?かも(勝手な推察)。

「おとこのこ」でも「おんなのこ」でもない「さかなのこ」を体現するのんちゃん、とにかくスギョイ! 天才です👏👏👏

だいぶ前に読んだ、さかなクンのインタビュー記事。「絵を描くのが好きだから絵の学校に行きたいと言ったら、絵は人に習って描くものじゃないから行かなくていいとお母さんに言われ、行かなかった」。…衝撃! 

子供が絵の学校に行きたいと言ったら、大半の親が言いそうなことは2種類。 《肯定派》「有名な学校に行きなさい」もしくは「有名な先生に習いなさい」。《否定派》「絵の学校なんかに行ったらツブシが効かなくなって就職できなくなる」。

あのワンアンドオンリーなさかなクンをつくった影の黒幕…いや影の大物はお母さんだったのか!

そのお母さん、この映画でも最高にカッコ良くて素敵でした。どこに行っても変人扱いされる息子を全肯定。終盤、お母さんのまさかの告白にも…笑撃🤣

沖田監督(カメオ出演あり)が放流した超快作、広い海(世界)に出ても高く評価されるはず🐟🐠🐡👏👏👏





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