
季節が秋に変わって、山野草の世界では「キク科」の種がやたらと多くなった。元々仲間の多い種のようで、どこがで“種の数が植物の中で一番多い”と書いてあったのを見たような気がする。キク科共通の特徴の一つが頭花(頭状花序)。難しい言葉だが、タンポポやひまわりのように、多数の花が(枝を介さず)集まって丸い一つの花のように見える。ところが、一枚の花びらごとに雄シベや雌シベがあるのだそうだ。
「イワインチン」もキク科キク属の多年草。高山植物。日本固有種で高山の岩場や礫地に自生する。三国山の中腹のガレバ場で咲き始めていた。草丈は10-20センチほどで低い。黄色の地味な“頭花”をつけ、葉は細く切れ込んでいる。
細く深い切れ込みが入った葉がカワラヨモギに似ており、カワラヨモギは別名でインチンヨモギというのだそうだ。岩場に咲いていることと合わせ、イワインチンの名がついたという。別名でインチンヨモギともいうそうだ。