啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「鹿岳」に登った

2011-11-18 12:45:04 | 低山歩き

「鹿岳」(1015メートル)は群馬県西部、下仁田町と南牧村の境にある。国道254で下仁田町に入ると正面にラクダのコブ状に突き出した奇妙な形をした岩峰が目に入る。昔、岩の上から鹿を追い落とす狩猟をしたので名がついているという。私の所有するガイド本には、登った印がついているが、殆ど記憶が無い。上部は鎖や木製のハシゴ、ロープが連続するスリルがあり、山頂の大展望を加え快適な山歩きだった。

南牧村の下高原集落に登山口がある。Aさんとその友人2人に私を加えた4人でスタート。西上州の山らしく、いきなり植林された杉林の急登を上がる。珍しく念入りに手入れがされた杉林。材木に詳しいKさんの解説をうかがいながら歩く。急登が続くが、大して息も切れず、最後尾を歩く。何しろ、皆さんがジャンダルム、大キレットなどアルプスの難所をこなしてきた山のベテラン。“近隣日帰り登山”がメインの私が気後れするのも仕方が無い。

杉、檜の林を抜け、広葉樹の林になると鹿岳の岩峰が目に飛び込んでくる。“こんなところを登れるの?”と言う感じ。南峰(一ノ岳)の南側の岩壁は垂直に200メートル近いという。ここを登るわけではないが、圧倒される。岩場の取り付きに木製のハシゴとロープ。歩き出すと恐怖感は消えた。鎖場をいくつか越えると本峰(二ノ岳)と南峰への鞍部。細いヤセ尾根を左に分け、先に本峰へ。岩だらけのところを鎖とロープに頼って登ったが、意外と余裕があった。山頂部は360度の大展望が広がっていた。

鞍部に戻り南峰へ。南側の大岩壁と比べ、北側から登ると思ったより簡単に山頂。西、南側に展望が広がる。一段下がった場所に展望の良い岩の台地があり、昼の休憩をゆっくりとった。


帰路は鞍部に戻り、四ツ又山方面につながる道を降りる。落ち葉の急斜面、岩壁の基部に沿った細い道をロープ伝いに下る。ここに来てようやく、山歩きを始めた頃に登った記憶が少し蘇ってきた。紅葉は終わりかけていたが、気持ちの良い急な下りの尾根沿いをマメガタ峠まで。ここで一服入れ、大久保集落に下った。


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「コウヤボウキ」と「ナガハノコウヤボウキ(果実)」

2011-11-16 09:48:13 | 山野草

今朝、赤城の地蔵岳、荒山の山頂が薄っすらと白くなっていた。“浅間山も当然”と思って2回ほど様子を見たが、雲がかかってよく見えない。降雪によるものか、樹木への着氷によるものか判らないが、寒い朝だったことだけは間違いない。コウヤボウキの花の写真を撮ろうと、ここ3年ほど狙っているのだが、今年も失敗した。

「ナガハノコウヤボウキ」はキク科コウヤボウキ属の落葉小低木。乾いた林の縁なで良く見かける。丈はせいぜい1メートル。写真は牛伏山の北登山口から上がった見晴台のところで撮ったもので、花ではなく冠毛を伸ばした実。花期は8-9月。コウヤボウキに似ているが、葉が長細いのでこの名がついたのだという。牛伏山、高崎自然歩道辺りでよく見かけるが、花の咲く時期にはこの辺をうろつかないのか、花の写真を撮った記憶が無い。

「コウヤボウキ」もキク科コウヤボウキ属の落葉小低木。花期は9-10月だと言い、見かけたら撮ろうと思っているのだが、上手くいかない。この写真は、埼玉県の東松山市に近い“さいたま自然動物公園”の園内植え込みで見かけたもの。“まだ咲いていた”と喜んだが、撮った2枚ともピンボケだった。

コウヤボウキは高野山でこの木の枝を集めて“箒”を作ることから名がついているという。酒作り用の箒としても使われるようだ。箒に使うのは両種とも。

見分け方は、枝の先端に一つの花をつけるのがコウヤボウキ。ナガバタイプは複数個。葉が長く、切れ込みは小さく目立たないが鋸状なのがナガバ。

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妙義山「中間道」を歩いた

2011-11-15 09:04:19 | 低山歩き

高校時代の仲間と“飲み終わった”のは前夜11時半頃だった。4人は朝8時からのゴルフ。私は妙義山を歩くため、7時半過ぎに彼等と分かれた。下手なゴルフに未練は無いが、独りになると少し寂しい。物語山か妙義かのどちらに登るかは前日まで決めていなかったが、ホテルの窓の正面に聳える妙義を見て、歩きたいと思った。

高さは無いがそれだけに異様な形をした岩場の連続が里からも望める。かなり厳しい鎖場の存在などが知られるだけに、技術の未熟な私はこの山に登りたいとは思わなかった。ただ、山頂の連続を避けて中腹を歩く「中間道」があることは知っており、いつか歩こうと思っていた。

ガイド本の通りに、中之岳神社から石門群を通過して、妙義神社に下るコースを予定していた。歩く距離で4-5キロ。駐車場まで車道を戻る。これが嫌だった。登山道の登りは急だが“妙義神社から登り、ピークの大砲岩まで往復しよう”と予定を変えた。

心地よい登り。第一、第2の見晴台まであっという間に過ぎる。関東ふれあいの道に登録されている歩きやすい道を進むと“本読みの僧”(中間点)がある。お地蔵さんなのか何なのか良く判らない。植物はもう枯れているが、紅葉しかかった広葉樹林が美しい。妙義の山ノ岩肌もところどころで目に入ってくる。


東屋があり、ここを下った辺りから道は険しくなる。長いハシゴによる狭い尾根の登り、迫り出した岩盤の下をくぐる場所、岩だらけの沢を越すなど単純な迂回道ではない。

目的とした「大砲岩」の取り付きに着くと人がいっぱい。中ノ岳神社から石門群まわりで登って来た(約40分かかる)人が溢れている。鎖2箇所を伝って大砲岩まで来ると静かになった。ここまで2時間ほど。

大砲岩には15分ほどとどまり、中ノ岳には下りず、来た道を予定通り引き返した。途中の静かな林の中で天ぷらそばとパン1個、コーヒーの昼食を楽しんだ。“ふれあいの道”だが、登山道はなかなか大変。下りが多い帰路で初めて気付いた。



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「ヤマボウシの実」「我が家の柿の実」

2011-11-14 14:56:17 | 山野草

妙義の中間道を朝の8時から歩いてきたが、予定より早くかなり早く戻ったのでブログを書く時間ができた。

「ヤマボウシ」の実が、近所の保育園の庭で実っていた。今年は、榛名山の榛名富士登山口近くで青い実を見つけたが、熟したものを山の中では未だ見たことが無かった。写真のものは多分、洋種のヤマボウシだと思う。我が家の庭でも毎年春に白い花をつけるが、実は殆どならない。保育園には何本か植えられているが、一杯実がついている。どこが違うのだろうか?1個頂いて食べてみたが結構甘かった。

「我が家の庭の甘柿」がようやく実った。昨年までは、食べきれないほど実をつけていたが、今年は“わずか7個”しか採れない。昨年、収穫が終わってから枝をバサバサと切ってしまったが、実がつく枝まで切ってしまったのだろう。よく実をつけた次の年はならないと言うが、それにしても数えるほどしかならないのは不思議。これではヒヨドリも、ムクドリが食べに来てももう無理。最後の2個を写真に撮っておきました。

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「ノハラアザミ」

2011-11-13 08:29:38 | 山野草

今日、お昼頃には高校時代の仲間5人が出会う。春の甲子園に応援に出かけて以来の集まり。今夜は久し振りに盛り上がるだろう。どこか、ハイキングの設定を・・と言われているが、未だ決めていない。まっ・・何とかなるか。

「ノハラアザミ」はキク科アザミ属の多年草。草丈は60-80センチほどで、8-10月に、赤紫の管状花を上向きにつける。アザミの中では一番遅くまで咲いているような気がする。アザミというと似たような形が多く、種の特定が厄介。写真には撮るのだが、そのままになってしまうケースが多い。この、ノハラアザミとノアザミが一番ありふれたアザミだと思う。似ているので見分けもつけにくい。

“ノハラ”タイプとノアザミの見分け方はネット情報によると①総ほう片がピッタリくっつき粘りがあるのがノアザミ。先が尖り、やや反っているのがノハラアザミ②根生葉が花が咲く時期にもロゼット状に残っているのがノハラアザミーーーだそうだ。

若葉が食べられると言うが、何となく葉の棘が頭の中に浮かんできて信じられないものがある。これが食えるなら・・なんでも食えそう。
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「フユノハナワラビ」

2011-11-12 08:26:46 | 山野草

昨日は寒く感じたので、今朝は浅間山の冠雪が見られるかと思ったが、頂上付近が雲の中で見えないものの、雪は降らなかったようだ。今朝は暖かい朝だ。気象予報士のHさん(NHKで午後7時前に良くでてくる)の大袈裟な“脅し調”と言うか“自己弁護調(「私は警告しましたよ」と言う風な)”の予報が外れた感じ?

「フユノハナワラビ」は昨年はじめて知った植物。赤城山麓の自然園で教えてもらった。意外にもというか、今まで殆ど気にして見ていなかったというのか判らないが、この植物は身近に結構ある。初めて見た時は何か異様な形容が気に掛かり、珍しかった。この花は高崎自然歩道の金井澤碑付近でとった。

ハナヤスリ科ハナワラビ属のシダ植物。根元のグリーンの葉の部分を栄養葉と呼び、やや茶色に見える先の部分は花ではなく、胞子葉になっている。ワラビの名が入っているが、食べることはできないようだ。葉の部分、胞子葉の部分ともどこと無く春の山菜のワラビに姿が似ている。冬の花が少ない季節に、床の間を飾る盆栽として愛好家がいるという。
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「リュウノウギク」

2011-11-11 09:44:26 | 山野草

立冬を過ぎて二日目。外は雨が降っておりかなり気温が下がったようだ。天気が回復すれば、浅間山の山頂が白くなっているのが見えるかもしれない。散歩コースの竹沼の外周路脇にリュウノウギクが咲いていた。秋口に“今年は野菊の分類がはっきりできるようになる”と言うような趣旨のことを書いた記憶があるが、いまだにあやふやなまま。偶然見た今朝のテレビの星占いで私の“しし座”は12星座中最悪の運勢。「知ったかぶりをするな!」とワンポイントアドバイスがありました。

「リュウノウギク」はキク科キク属の多年草。いわゆる「ノギク」の一種で、花期は10-11月と遅い時期に咲く。花径は3センチほど。ノコンギクなどと比べ、咲く時期が遅く、舌状花にはやや丸みが感じられる。舌状花の先端にくびれがあることが多いのを見分けのポイントにしているのは私だけか??低山の森林周辺、林の縁、道路脇の崖など斜面に生える。

ちょっと変わった名前だが、中国から伝わった精油の“竜脳”という香料に似ていると言うことに由来している。実際には樟脳に近い香りがする。


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「石尊山」

2011-11-10 11:38:57 | 低山歩き

「石尊山」(1668メートル)は浅間山の南西に伸びる裾野にあり、山頂からは豪快で雄大な浅間の山頂が目の前に望める。寄生火山と呼ぶのだそうだ。

単独でユッタリと歩くのが私の山歩きだが、日の暮れるのが早い晩秋になってくると1人では寂しい。山の楽しみを教えてもらったHさんの友人で、ここ3、4回同行していただいているAさん荷声を掛けていただいて、高崎ハイキングクラブのNさん、Sさん3人の山行に加えていただいた。N,Sさんはクラブの例会の下見登山だと言う。名だたる山々を歩いてきたベテランに気後れするが、息が切れても“会話のある山登り”も楽しいものがある。

国道18号で軽井沢を過ぎた追分宿が登山口。下見登山が目的のため、複数台の駐車スペースを探して回り込む。数百メートル北の林道脇に何台か駐車できるスペースがあり、ここから歩き出す。カラマツ、アカマツが植林されたほぼ平坦な緩い登りを30分ほど歩く。

作業車専用の林道を2回ほど横切ると赤滝入り口。ここから本格的な山道となるが、まだユッタリとした登り。赤滝は鉄分の多い酸性の水が酸化し赤っぽく見えるのでそう呼ばれているようだ。更に進んで“血の池”と呼ばれる小さな池がある場所で、直登するコースと源泉コースが分岐。直登コースを行くが、ここからはきついほどではないが急登となる。この辺は広葉樹林だが木の葉は全て落葉済み。樹林越しに浅間の姿が微かに望める。

2時間45分ほどで山頂に着いた。目の前(北)に浅間山が広がる。東ー南方面に大展望。富士山や八ヶ岳は見えなかったが、妙義や西上州の山並みなど見事だった。軽井沢の人工雪スキー場では降雪作業が進んでいるらしく、白い雪がコースの部分だけ際立っており異様。風も無くユッタリと1時間以上食事と休憩。

下りは、源泉コース。目印のテープをポイントごとにつけるなど、山の会の皆さんが安全に最新の注意を払っている様子が伺えた。70歳を越えた?と思えるNさんの力強い歩きにも感服!
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「ヤクシソウ」

2011-11-08 09:52:58 | 山野草

「ヤクシソウ」はキク科オニタビラコ属の1、2年草。道路脇の斜度のある草むら、林の縁などに今の時期よく見る。離れてみるとノギクにも見えるし、ニガナなどにも似ている。草丈は生える場所によって大きく異なるが30-120センチほど。道路脇のコンクリートの隙間から、枝を広げて多数の花をつけているものも見る。岩の間からかろうじて茎を広げ地面すれすれで咲いているものもあり、かなり繁殖力は強いようだ。

撮影した場所が定かでないが、笹が生えていることを考えると鼻曲山の尾根沿い辺りのようだ。

珍しくも無く、それほど有り難そうにも見えないが和名で薬師草の名がついている。薬師如来の光背(いわゆる御光)に葉の形が似ていると言う説。かつては皮膚の外用薬として使われていたから・・という説明もあるようだ。若葉は茹でて水にさらし、食用とする。
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「ヤマラッキョウ」

2011-11-07 09:54:55 | 山野草

「ヤマラッキョウ」はユリ科ネギ属の多年草。昨年、赤城の鍋割山の尾根沿いで見つけ掲載したような記憶がある。今年は、牛伏山の北登山口からの道で、見晴台近くに咲いていた。自宅の畑の片隅に、一度植えられて放置されたままのラッキョウが花をつけているが、山のラッキョウの方がはるかに愛らしい。敢て栽培されたラッキョウの花は掲載しないが、山のラッキョウの花序の部分を“間延びさせた感じ”である。

根出葉で草丈は30-50センチ。茎は3角形をしている。揉むとニラのような匂いがする。初夏から花茎を伸ばし先端に2-3センチの愛らしい赤紫の球状花序をつける。群れて咲いているのを見たことが無く、ぽつんと登山道脇にこの花が現れると、嬉しくなるというかホッとした気分になる。

鱗茎はラッキョウのような形をしており、炒め物から天ぷら、煮物などで食べられるという。地上部についてネット上では「食べられないと言われるが、実際には山菜として食べられている」という書き込みがあった。


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