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『ノスタルジア』

2007年07月04日 | 映像
アンドレイ・タルコフスキー


《あらすじ》
詩人で作家のアンドレイは、ロシアの音楽家サスノフスキーについて書くためにイタリアを旅する。
温泉のある町で、彼はある男と出会う。7年間ものあいだ家族を家に閉じ込めたことのあるその男は、アンドレイに頼み事をする。


《この一言》
”重要なのは完成ではない
 願いを持続することなのだ  ”



家の中に降り注ぐ雨と父親。
草原に佇む母である女性のイメージ。
満ちあふれこぼれ落ちる詩情。


困惑。
詩的すぎるのか、筋はよく分からない。


「ソラリス」のときも不思議で仕方なかったのですが、今回もやはりよく分からない。一発で分かろうというのがそもそも無理、もしかしたら分かろうとすること自体が無茶なのかもしれません。タルコフスキーはそんなことを望んでないのかも。どうなんだろう。とにかくこの人の作品の前では、私はどうしようもなく弱気になります。


一番分かったような気になったのは、7年間家族を家に閉じ込めた男のさいごの演説。物語の終盤になって、はじめて少し理解できる文章のつながりに遭遇して感激しました。
一番分からなかったのは、アンドレイと同行していた美女がある晩突然にヒステリーを起こすところ。

分からないことはたくさんありましたが、映像は美しいです。文句のつけようがありません。どの場面もいちいち美しい。ホテルの部屋の開け放たれた窓の外に降る激しい雨。その雨の影が丸い鏡のある洗面所の壁に映っている。
そして、いろいろな場面でザーザー雨やちょろちょろ流れてゆく水の音がしています。

何度か観るうちに、ひょっとしたらもう少しは理解できるかもしれません。少なくとも、もうちょっとは感じることができそう。
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