長い夢でした。起きてからも
かなり覚えていましたが、時
間の経過とともに感情が揺さ
ぶられ記憶に残った部分を除
き、指の間からこぼれるよう
に消えていってしまいました。
最近はそれでいいのだと思う
ようになってきました。夢の
すべてを思い出すのではなく
核心を探り出し、その意味す
るところを理解するのが重要
なのではないかと感じます。
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「私」は夢の中でもボランテ
ィアをしていました。高い天
井の航空機の格納庫のような
ガランとした場所に、無数の
寄付の品が置いてあります。
モノはざっと仕分けされてお
り、家電、衣類、本、雑貨と
いった具合に床にひとまとめ
にして置いてあります。その
間は通路になっていて、人が
歩けるようになっています。
十字路になった場所のど真ん
中に、ずんぐりとした古びた
消火器が転がっていました。
「みんなの目につきやすい所
に置く」という新しい規則が
できたとは聞いたものの、蹴
飛ばされたりモノがぶつかっ
たりしたのか表面が凸凹で、
「危ないな~」と思いつつ、
拾って立てておこうとすると
消火器から急に白い煙が出て
煙はゆらめきながらも真横に
棚引き、近くで作業をしてい
た高齢ボランティアのバーバ
ラの方に流れていきました。
「私」は声を上げてすぐに駆
け寄りましたが、バーバラは
ヘタりこんでしましました。
そこにはカバーのないクルマ
のシートのような背もたれ付
きの足のない白い椅子がいく
つも並んでいます。「私」は
彼女をそれに座らせました。
声をかけるとしっかりしてい
て外傷もなく、ただ驚いたよ
うでしたが、「私」はマネー
ジャーを呼びに行きました。
スタッフであるマネージャー
は新しく着任した直後で私た
ちはほとんど初対面でした。
小柄で小太り、髪の短い活発
そうな好印象の女性でした。
「私」は今起きた事を説明し
バーバラが仲間内では最高齢
であることを告げると、マネ
ージャーは事態の深刻さを理
解し、「私」とバーバラのも
とに駆け付けることに
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0216.gif)
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場面が変わり、私たちがやっ
てきたのはホテルでした。2
人とも暗黙の了解でここを超
えないとバーバラが居る所に
はいけないことを判っており
いかに早くここを通過するか
マネージャーはガラス越しに
見えたカフェがある場所の裏
に回り、外で雨ざらしになっ
ているコーヒーの焙煎器らし
い錆びついた大きなドラムの
隙間に身を滑らせ、回転を利
用して店内、つまりホテル内
に転がり込んでいきました。
「私」もマネをして焙煎器の
間に入りましたが、彼女ほど
小柄ではないせいか回すこと
ができずにすぐ諦めました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/1d/7c9f94bb1188f617f510f7738bee9362.jpg)
(※右の機械の巨大版が登場
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/namida.gif)
代わりに非常口のようなドア
を見つけ、外側にある立派な
閂をそっと横に引っ張ると、
あっさりと重い防火扉が開き
ました。中は灯りを落とし、
厚いカーペットに覆われた重
厚なホテルの長廊下でした。
スパイ映画よろしくサッと入
り込み、無人の廊下を抜けて
ロビーに出ると、車寄せにた
くさんのクルマが詰めかけ身
動きが取れなくなっていて、
人が右往左往していました。
その中で「私」とマネージャ
ーはお互いに気づき、目で合
図し合ってホテルを出ます。
するとさっきまでの喧騒が嘘
のように静かで誰もおらず、
その先は一面、腰の高さまで
ある雑草に覆われた荒野がど
こまでも続いているばかり。
「これを超えないと、バーバ
ラが居る所まで行かれない」
と理解し、「私」は途方に暮
れつつも、諦めていました。
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夢はここで終わりました。そ
の先を忘れたのではなく、諦
めたところで終わりました。
いろいろな気づきは次回に
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