
”ENDEAVOUR”
前回に続き、今回はオリジナル「主任警部モース」と「新米刑事モース」の関連、Trivia等
触れてみようと思います。
今のところS1のみ試聴できました。
S1のエピソードは :
2012 Pilot 版
”Endeavour”『最初の事件』
2013 S1
E1 ”Girl” 『ある秘密と連続殺人』
E2 ”Fugue”『オペラ殺人事件』
E3 ”Rocket”『ミサイル工場の闇』
E4 ”Home”『過去の因縁』
パイロット「最初の事件」では、若きエンデバーが警察を辞める事を考え辞表を胸に入れながら
少女失踪事件の捜査協力の為オックスフォードに派遣されることから始まります。
鋭い観察眼を駆使し独自の捜査を続け、時に無防備な無鉄砲さで突っ走るモースは上層部との
軋轢もある中で 彼の可能性と独自の観察眼を認めた上司サースディ警部補は捜査に起用する
様になって行きます。
当時モースはDC”Detective Constable”(刑事巡査、又は巡査長)という肩書きで本来は事務
職であり、事件調査に当たれるのは刑事部長以上という中でサースディは特別に彼の補佐という
形で捜査に参加させるのです。
モースの可能性を信じた 実力もあり人望も厚いサースディという理解者があったからこそ刑事
としてのモースの原点になるのですが、このサースディは本当に理想の上司と言う感じで
ロジャー・アラムの渋い演技が魅力的で重要なキャラクターになっています。
それにしても、こんな理想的な上司を持って薫陶を得たモースが後の自分の部下ルイスに対して
は何故同じ様に接しられななかったのかしら? 随分とルイスを振り回していた様な感じがします
けどねぇ。 でも、まぁお互いに心の中では信頼し合っていた様だし不器用なモースらしいのか
も知れないかな。
そしてルイスはこんなモースを反面教師として部下のハサウェイに対しては物わかりの良い上司
になっていますね。 尤もハサウェイがモース的な存在なのかも(笑)
「ルイス警部」 → 「主任警部モース」 → 「新米警部モース」と時代が遡り 時代毎に変遷
するオックスフォードが楽しめるのですが、このシリーズでは1960年代のオックスフォードの街並み、
情景、等を丁寧に再現したセット、小道具、衣装等時代背景、はしっとりし落ち着きとレトロ感も
感じられます。
そんな中、後のオリジナル・モースへつながる布石があちらこちらに散りばめられています。
※ 『主任警部モース』では、モースの過去、家族等は殆ど触れられていませんでした。
(というより、モースが語りたがらなかった)
『新米警部モース』では、彼の家族に触れられています。→父親と妹が居る(後に父が亡くなって
しまうのですが)。 そして母親は彼が12歳の頃に亡くなっている 。モルモン教徒であった
(モース談。 どういう意味があるのか分かりませんが・・・)
又オックスフォード大学を中退し 軍隊に入り暗号解読班に所属していた(この事が捜査に大い
に役立つ事になるのです) その後軍を止め警察に入省した。
※ モースと言えば、「クロスワード」、「クラシック、オペラ好き」がありますが、これも最初
のエピソードからさり気なく描かれています。
※ モースの代名詞と言えば 何といっても「真っ赤なジャガー」ですが、この点もサースディが
乗っている車がジャガー(黒ですが)である事が原点だと思わされます。
そして、「最初の事件」で捜査中に訪れたカーディーラーのシーンでさり気なく真っ赤なジャガー
が置かれていたんですね。 思わず お~ッ!となったのですが、コアなファンは凄いです。
あの場面のジャガーのナンバープレートがオリジナル・モースのナンバープレートと同じだと気づ
いたんですね。 で、私も再確認したところ、ホントなんですよ!!


↑ 左が「新米刑事モース」のシーン、右が「主任警部モース」のジャガー
(ナンバーはともに : 248RPA )
ファンは凄いです!。
※ モースは生涯独身を貫いたのですが、女性に対してはかなり弱いというか惚れっぽいというか
直ぐにフラフラする印象がありました。 かといってプレイボーイと言うより優しさ、思いやりの
様な気がするのですが、最初のエピソードからその片鱗が出ています。
事件の関係者であれ 直ぐに心情移入して過剰な優しさを見せてしまう事で又彼の苦悩が増す場合
も多いのですが、この性質は幼くして母を亡くしているからと言う事もありそうな気もします。
※ コリン・デクスターのカメオ出演

”Inspector Morse”の原作者であるコリン・デクスターはこれまでの「主任警部モース」、
「ルイス警部」では何度かカメオ出演していたのですが、今回の「新米警部モース」にも再びカメオ
出演しています。 S1で私が気付いただけでも2回(多分他にもあったのでしょうが気付いていません)
ありました。 見かけると思わず気になってついつい目が行ってしまいます。
※ テーマ曲
「最初の事件」の最後のシーンは特に印象的でした。
大学に戻ろうかと言うモースに対して、もう一度警察でやり直す様に意見するサースディが「優秀な
学生は多いが 才能のある刑事はそう多くない。(言い回しは違ったかも知れませんが)20年後の
自分を想像してみろ」と言った時、車の中のバックミラーを見たモースの目に映ったのがその後の
モース(ジョン・ソウのモース)でした。



そのシーンでかなりジーンと来たのですが、その時にオリジナル・モースのテーマ曲が流れます。
ここで参りましたね。感動しました。
「主任警部モース」のテーマ曲は物悲しい情感溢れるトーンに満ちた特徴ある音楽で モースの
心の奥の哀しみを表している様なテーマ曲です。
モースのテーマはこちらから聞いてみて下さい。
↓
https://youtu.be/okafNPLStwU
兎に角、ハイテクではなくコツコツと足と推理力で謎解きを進めるモースとそれを取り巻く人間
模様が丁寧に描かれているドラマで この先が楽しみです。
現在S3迄放送済で S4は2017年放送予定との事です。
取りあえずS2が何時観られるのか待ち遠しい事です。
「新米刑事モース」のDVD trailerはこちらからから
↓
https://youtu.be/ISP-ulPNvGc
← 『新米刑事モース』あれこれ (1)
→ 『新米刑事モース~オックスフォード事件簿』 シーズン2