イタリア語の「La Strada」は、日本語訳すると「道」。この映画にフィットするいいタイトル、といつも思います。内容は、力持ちの大道芸人ザンパノと彼に買われたジェルソミナが、大道芸で生計を立てながらオート三輪で、旅から旅への生活の中で起きる波乱万丈の人生ドラマです。国
が違い、時代背景も異なり、職種も特異な世界。さて、この映画の主題は何だろうか?とも。
ストーリー
【1】主人公;ジェルソミーナは、イタリアの海辺の貧しい家に暮らしていた。母は、大道芸人;ザンパノに買われ彼の助手をしていた姉が死んでしまったので、姉の代わりに彼女を僅かな金で売ってしまう。彼女は、ザンパノのオート三輪に乗り込む。
★ ザンパノは屈強な体の男で、胸部に巻いた鎖を胸筋だけで切るといった芸で稼いでいた。彼女は、サンパノから客の呼び込み方や太鼓の叩き方を習い、道化師としてザンパノの助手になる。さらに男女の関係も強要されるが、彼女は黙って耐えていた。
★ 稼ぎがいいときは、ザンパノはレストランで食事をさせてくれる。彼女はそのような暮らしにも慣れ、ザンパノの女房役に幸福さえ感じていた。しかし、ザンパノは行きずりの女と寝る時は、平気で彼女を置き去りにしてしまう。彼女はそれがとても悲しかった。
【2】彼女が自分の悲しみを訴えてもザンパノには伝わらない。ただ、“一緒にいたいならつまらんことを言うな”と怒られるだけだった。
★ ある結婚式で芸を披露した2人は使用人の女性に食事をふるまってもらう。ザンパノはその女性とどこかへ行き、帽子や服をもらって上機嫌で帰ってくる。あまりの孤独と悲しみに耐えられなくなった彼女は、ザンパノのもとを去る。その途中、大きなお祭りで、綱渡り芸人;イル・マットの芸に出合う。
★ 祭りが終わっても、彼女には行くあてはない。そこに、彼女を探していたザンパノがやってくる。彼女は“行きたくない”とスネルが、結局ザンパノの三輪車に乗り込む。
★ ザンパノと彼女はサーカス団で使ってもらえることに。そのサーカスにはイル・マットがいた。彼とザンパノは昔からの知り合いだが、馬が合わなく、ザンパノの芸に茶々を入れ、笑い者にする。他のことでも、いつも彼はザンパノを執拗にからかう。
【3】翌日、彼女はイル・マットのバイオリンのメロディを耳にし彼の所へ行き、芸を教えてもらう。そこにザンパノが来て彼女を連れ戻すとき、イザコザがあり、彼がバケツの水をかけたので本気で怒りナイフを持って追いかけ、この騒ぎでザンパノは拘留される。サーカスの団長は、彼女に一緒に来てもいいと言ってくれるが、彼女は迷っていた。
★ その夜、彼女は彼と話し込む。彼女は、自分を無意味な存在で、生きるのが嫌になっていた。彼は、「ただの小石でもこの世にあるものは何かの役に立つ」と話してくれ、相棒にならないかと彼女を誘う。しかし、彼女は、ザンパノが惚れていることがわかり、ザンパノを憐れむ。彼女は、自分がいないとザンパノは独りぼっちになってしまうのだと。
★ 彼は、彼女に自分のネックレスを与え去っていく。彼女は涙いっぱいで彼を見送る。そして、警察の前で待っていた彼女は、釈放されたザンパノに黙ってついていく。
【4】彼女は、いつもイル・マットがヒイていた曲をラッパで吹いていた。修道院に泊めてもらった夜、彼女は、ザンパノに少しは自分を好きなのか聞いてみる。だが、ザンパノは答えない。それどころか世話になった修道院で泥棒をしろと言われ、彼女は傷つく。
★ある日、ザンパノは田舎道で車のパンク修理中のイル・マットと再会する。彼は、サンパノに陽気に声をかけるが、あの時の恨みから殴ったところ、彼女の目の前で死んでしまう。ショックで彼女は正気を失い、彼女は食事もとらずに泣き続ける。
★ 大道芸の途中でも、“彼の様子が変よ ザンパノ!”と口走り、突然泣き出すこともー。しばらく二人で旅を続けるが、ザンパノは、そんな彼女を持て余すようになり、野宿先で眠つていた彼女を置き去りにする。少々のお金とラッパを彼女の傍に置いてー。
⏳
【5】ザンパノは、ある港町であの悲しい曲を耳にする。もしや!?と。その曲を口ずさんでいた女性は、数年前、頭の少しおかしい娘がいつもラッパで吹いていた曲で、その娘はしばらくして死んだという。そのことを聞きザンパノに大きな衝撃が走る。
★ その夜、ザンパノは飲みに飲み泥酔し、遂に酒場から追い出される。“誰もいなくても平気だ”と言いながら、海辺に行き、一人で泣き崩れる
※ ザンパノはこれから如何に…。