【放射能漏れ】「給食40ベクレル」ドタバタ文科省 厚労省から批判の声、被災地も不満つのらせるより転載
2011.12.17 23:01 sankeibiz
学校給食の食材に含まれる放射性物質の濃度に絡み「1キロ当たり40ベクレル以下」との基準が独り歩きした問題で、二転三転した文部科学省の対応に、食品の安全を担う厚生労働省から批判が噴出している。被災地からも政府に対し「その場しのぎの対応がまた混乱を招いた」との声がもれる。
発端は、文科省が東北など17都県に送った通知。給食の食材の放射線量を計測する機器を購入する際の補助金申請に関するものだが、購入機種の性能について「検出限界を1キロ当たり40ベクレル以下」と指定。新たな食品の基準と受け取れるような記述をしていた。
森裕子文科副大臣も通知直後の会見で、「40ベクレルを上回る食材は給食で使わないようにとの方針を示したのか」と問われ、「そのように考えていただいて結構」と発言。このため「給食は40ベクレルが安全目安」と報道された。
しかし食品中の放射性物質については、牛乳が1キロ当たり200ベクレル、野菜や肉は500ベクレルといった食品衛生法上の暫定基準値があり、厚労省が現在、これに代わる新たな基準値作りを進めている。市町村側から都県や文科省に対し、「新基準なのか」といった問い合わせが相次いだ。
中川正春文科相は「説明に誤解があった」と釈明したが、その後の文科相発言が混乱に拍車をかけた。40ベクレルについて「食材の法的基準値ではない」と強調しつつも、「新しい基準値が示されるまで、各自治体の判断の参考になるもの」と、再び「食材の目安」との見解を示したのだ。
厚労省担当者は「食品衛生法に基づく規制と異なる数値を使う場合は、その理由をきちんと説明するのが筋」と指摘。別の担当者も「子供優先の政策をアピールしようとするあまり、先走った」と批判した。小宮山洋子厚労相は「政府の中で違ったような意見が出て混乱させたことは大変申し訳ない」と述べたが、福島県教育委員会の担当者は「文科省と厚労省は連携して統一対応を取ってほしい。政府の震災対応では混乱ばかりが目立つ」と不満を募らせている。