SPEEDI福島原発事故
文部科学省原子力対策支援本部、原子力保安院原子力防災化の説明、4号機爆発の蓋然性は低いという説明にはなっても、定時降下物放射能の急上昇原因は、塵だろう??って?より転載
2012年01月18日 00:37
片山さつき BLOGOS
1月2日から3日にかけて、福島県原子力センター福島支所(福島市方木田地内)における文部科学省の放射能測定法マニュアルによる測定で、前日のND、前々日の6.57、8.10というセシウム134、セシウム137の値(MBqkm2)が、各々25~30倍の180、252に跳ね上がり、その翌日も54。3、71,8と高止まり、5日後の1月8~9日も58,4、79.4に再上昇したデータについて、これを発表している文部科学省の原子力災害対策支援本部の環境モニタリング班の博士にご説明いただきました。
まず、この統計の説明責任について、福島県の原子力センターが文科省のやり方で測定し、文科省が発表しているので、ぎりぎり詰めると、福島県が、、という「逃げ」が出てきますが、これは論外。
結論としては、なんらかの原因、おそらく風で、放射能を含んだ塵が舞い上がり、計測容器にたくさん入った、という理由付けしか、一週間以上たっても、できていないのです。
「風というが、なぜこのところ、一桁だったものが、この時期急に上がったのか?現地の風力と風向は当然図っているのでしょうね?」
「風向、風力のデータはありません。」
「それでなぜ、風で舞い上がったと断定できるのですか?」
風力や風向は気象庁の担当、文科省ではない、とでもいうのでしょうか?
可搬型モニタリングポストにおける空間線量が、同じ福島市のあづま総合運動公園で、1月2日からその後の降下物放射線量の上昇している期間、一貫して落ち着いており、上昇していないので、「新たな放射能が福島第一から飛んできて降ったことによる降下物放射線の上昇ではないだろう」というのが、彼らの「大丈夫だろう」の論拠です。
改めて福島県内20箇所のモニタリングポストでの1mの高さでの空間線量率を確認すると、福島第一の30キロ以内にある9箇所も含めて、数字は安定していて、特に増えてないので、福島第一からの新たな大量飛散とは考えにくい、ということは客観的に言えると思います。
しかし、ここでとまっていては、元旦、2日の地震によって、4号機のプールの脇のタンクの水位が下がったと発表されたことについて、なんらかの放射能新規飛散があったのでは、と東京電力の会見で聞いた記者への東電の回答から、殆ど進歩がありません。
原子力保安院の課長は、もっと率直に、このブログや、武田教授その他の「4号機はかなり危ない状況なのではないか」の論調を読んで、東電等から入手できる情報は全て入手して、説明してくれました。
まず、4号機を24時間正面から写しているカメラは、ありません。1号機から撮っていて、4号も見える映像が、東電のホームページにも載っていますが、昼間大爆発があれば当然わかるが、夜間、小さなものまでわかるかは不明。
しかし、4号機には、立ち入ることはできるので、問題が生じたら東電は確認できるが、東電からは一切事故報告は上がってきてない。
1~3号機については、燃料棒や燃料棒の溶けたものがなんらかの形で水から露出している可能性があり、そこからは空気中に放射性物質が蒸発している可能性があったので、1号機は全体を多い、1号機と2号機は、圧力を下げることで、放射能が外に出ないような措置をした。3号機については、現時点ではそれがまだできていない。
4号機には、1,535体の燃料棒が貯蔵されており、崩壊熱は、3月11日時点で2,26.3ヵ月後に1,58と、1~6号機の使用済燃料プールの中で最も高い。
1月16日現在のプールの温度は、1号機2号機3号機が、12度なのに対して、4号機は21度。高いが、十分冷やされている温度であり、循環冷却化システムが機能していると考えられる。
そもそも4号機の3月の爆発の原因自体、確定していないが、おそらく排気塔が3号機4号機で共用なので、3号機に水素が溜まり、爆発して、それが煙突を伝わって逆流したものと推定されている。
地震によって、格納容器と使用済み燃料プールをつなぐ通路がゆるんで、プールの水が格納容器に流れて、数十センチ水位が下がったのでは、と考えられるが、燃料棒の露出まではいかない量なので、燃料棒は水につかっていると考えている。
4号機については、補強工事を行っている。
以上が保安院の説明です。
補強工事によって、4号機が何ガルに耐えられるようにあったのかについては、その場でわからなかったので、宿題にしました。
スマトラ沖などの例でも、M9の地震の3年以内に、大規模余震が起きています。それに耐えられるのかどうか。
そして、何よりも、福島第一から飛散したのでないとしたら、モニタリングでホットスポットを特定し、除染等を急ぐにしても、風向きや天候などによって、かなりの量が再飛散するなら、飛散の影響が大きいところから急いでやる、ホットスポットだけでなく、そこから風向きによって飛散する先まで、ミニ版スピーディー的に分析して、現地で生活する方々に注意喚起する、等はただちにやるべきではないでしょうか?それも含めて早急に対策を講じなければなりません。
そして、千葉県や北関東における飛散量の増加について、原子力対策本部が総合的に逐次把握していないし、増加したら、その理由を分析し、説明する仕組みにもなっていないのも、問題ありです。
ちょうど今日、文科省のSPEEDIEのデータが、被災者には知らされず、米軍には提供されていた、と報道され、怒りを禁じえません。
原発関連ではありませんが、役所の縦割りと、せっかくの情報の「宝の持ち腐れ」については、気仙沼選出の小野寺代議士から、今朝の部会で衝撃的な、以下のようなご発言がありました。
「昨年のチリ津波で、気象庁が大津波警報を出したので、水門をしめて今か今かと待機していたら、たった30センチだった。今回の3,11も同じような大津波警報で、それ以上の恐ろしさを具体的に説明する警報になってなかったため、たかをくくってしまわれて、命を落とされた方が非常に多い。気仙沼沖には昨年GPSが設置され、今回も、「この津波は、気仙沼のどこに何メートルの水をもたらす」、とわかる情報が予測できていた。ところが、気象庁は、国土交通省の港湾局が設置したこのGPSの情報を、使わない、使えない、と言う。」
こういう、おろかな縦割りを、何とか廃して行きたいと思います。