とあるスナックで
小林
この本を読んでいきましょう。 まず最後の<終わりに>を読んでみると、 p-251
おわりに---知的武装のために
本書執筆中にも、株高円安が進行し、いよいよバブルの様相が日本経済に顕(あらわ)になってきた。しかし繰り返し申し上げてきたように、訪れつつあるバブルが中間層を底上げしてくれる保証は今のところ乏しい。むしろ、これまでどおり、国内外の一部の大企業、既得権益を享受する人や団体など、ごく限られた強者だけが、かりそめの景気回復の恩恵にあずかる結果になってしまうのではないか。
そうした懸念を「バブルの死角」というタイトルにこめたつもりである。
消費税に内蔵されている「輸出還付金」、株主資本主義を加速させる「時価会計」、アメリカの借金穴埋めとされた「ドル買い介入」----。本書で中心的に取り上げてきたルールのカラクリは「死角」の最たるものであり、そこで犠牲にされてしまうのが国民の雇用や所得なのだ。
同時に、一見、国内要因と思われた経済事象の背後には、ニクソン・ショック、プラザ合意、アメリカの金融帝国化など、戦後金融史を方向づける巨大な力学が働いている。それゆえ本書では、消費税、時価会計、ドル買い介入といった「点」を、国際金融の流れの中での一本の「線」として描きだすような記述を心がけた。
今回の執筆にあたって、とくに海外の税制度について富んだご指摘を頂戴した湖東京至先生には深く感謝を申し上げたい。先生のアドバイスを受けなければアメリカの公文書まで調べることまで考えがおよばなかったであろう。歴史的事実を踏まえることで、より客観的な、そして本来の消費税の姿を読者の皆様にお伝えすることができたのではなかろうか。
また、これまでの消費税反対の声とはまったく違った切り口で、消費税の存在意義そのものを世間に問う本書を執筆する機会を設けてくれた集英社新書編集部、そして担当の服部祐佳氏にも感謝を申し上げたい。
社会的弱者が強者に唯一対抗できる手段があるとすれば、知的武装をして意を同じくする者同士が協力していくしかない。国民一人ひとりの持つ良心や知的探求心、そして相互扶助の精神が、よりよい社会をつくりだし、バブルの死角をも、なきものとする力を持ち合わせていると確信している。
2013年4月
岩本紗弓
コー
まったくその通りだな。知的武装をしなければならないんだな。
この本を読んだ感想としては、結局世界は<寡頭金融勢力>、<300人委員会>側の望む世界へとゆっくりゆっくり進んでいるという事なんだな。それは<債務・借金金融制度>と<株主資本主義>の制度の支配と拡張だったという事か、国境を越えた。すべてはそこにつながるんだな。
そんな感想を持ったな。