9.11について

2001年の9.11事件や、その他色々な感想、思い、などを書いていけたらなと、思っています。

9.11について <仮想通貨>とは その3

2017年12月20日 | 日記
とあるスナックで

小林
いやー、ビットコインが随分値上がりしましたね。

コー
まさしく<仮想通貨>のバブルがはじまったのかな。山田さんは、<仮想通貨>を買わないんですか。

山田
私たちはやらないですね。そういう<当てもの>には、手を出さないんですよ。継続して利益が出せる方法でなるべくリスクの少ない方法でやるんです。一回一回の利益は少なくても、継続して利益がなるべく出るような方法でやるんです。私の場合は裁定取引です。いわゆる<さや取り>ですね。地味ですよ。やった、とった、儲かった儲かったということがないんです。イメージ的には地味ですね。むかし、パチプロの友人がいたんですが、かれはいわゆるデジタル台とか、フィーバー台なんかは一切やらなかったですね。ほかのパチプロもハネ物とか、一般台しかやらないんですよ。いくら周りでフィーバー台でドル箱を10箱、20箱積んでる客がいても、決してそういう台はやらなかったですね。でもいまはだいぶ違ってきているんでしょうけど。
それと似てるんですよ、僕たちのやり方は。確実性を求めるんです。

だからもし私が<仮想通貨>を買うとしたら、儲けや利益を考えないで買いますね。
ようするに、宝くじを買う感覚ですよ。また金額も、宝くじをいつも買うくらいの金額で買いますね。そして1年間か2年間はほったらかしにしますね。毎日毎日価格が気になるようなら買いませんね。そして1年後、もし買った通貨が値上がりしていれば儲けものという感じですかね。ひょっとしたら、その通貨は消えているかもしれないわけですよ。逆にそれでもいいという金額で買いますね。
いまの<仮想通貨>は、私にとってはギャンブル、あてもの、ですよ。
確率の少ない、ギャンブル、あてものに大金はかけられないですね。


コー
なるほど、参考になりました。


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9.11について <仮想通貨>とは その2

2017年12月20日 | 日記
とあるスナックで

小林
しかし、<羊毛刈り>といっても、すごいですね。第一次世界大戦後のドイツのハイパーインフレ、1929年の世界大恐慌、日本のバブルと崩壊とデフレ、2008年のリーマン・ショックも巧妙に仕組まれたものだったということですね。
しかし、このことを納得するには、やはり今の金融の仕組み、<債務貨幣・借金貨幣システム>や<部分準備銀行制度>を理解していないと出来ないということだと思いますね。


コー
俺もそう思うな。そしてそもそもお金ってなに?というところから考えないといけないんだと思う。

だから、天野統康安部芳裕山口薫は、<まず、お金ってなに?>というところから、話し始めていると思うんだ。

それから俺はまだ読んでいないが、マイケル・ハドソン著 <超帝国主義国家アメリカの内幕>や、ナオミ・クライン著 <ショック・ドクトリン>を読んでいくと、<債務貨幣・借金貨幣システム>や<株主至上資本主義>や<自由経済主義>と言われるものが、一体どういう事なのかが分かってくるのではないだろうか。

まさしくわれわれは、<羊毛刈り>の羊だったし、<狩り殺される>羊だったわけだ。


小林
そもそも私たちのお金は、一円残らず、借金だったということですね。ひとはこのシステムの中で生まれてから死ぬまで、利子をつけて返済をしていたというわけですね、知らず知らずのうちに。そしてその借金は完全に返済することができないということでしょう。返済をしてしまえば、世の中からお金、通貨がなくなってしまうから。借金から逃げられないということだと思う。個人の借金かもしれないし、企業の借金かもしれないし、国の借金かもしれないが、常に誰かの借金をみんなで返しつづけなければならないということでしょう、永遠に。

それが<債務貨幣・借金貨幣システム>だったわけですね。


コー
だからこの通貨制度をなんとか変えようという動きが出てくるのは当然だと思うな。一つは<政府通貨>であり、そして<公共貨幣>であり、<仮想通貨>なんだろう。


小林
ところでいま、ビットコインなどの仮想通貨が注目されていますね。
山田さん、仮想通貨って一体どういうものなんですか。


山田
私も今勉強中で、完全にはわかってないんですよ。
どうも、仮想通貨を作っている<ブロックチェーン>という技術が、革命的だということらしんです。

いま、ドン・タプスコットとアレックス・タプスコット親子が書いた、<BLOCK CHAIN REVOLUTION>という本を読んでいるんですけど、なにしろこれから、革命が起きるということらしいです。いい意味でも悪い意味でも。P-5

それから10年後の2008年、世界的な金融危機が起こった。同じタイミングで、サトシ・ナカモトを名乗る謎の人物(またはグループ)がある論文を発表した。そこに書かれていたのは、ビットコインと呼ばれる暗号通貨を使った、P2P(ピア・ツー・ピア)方式の全く新しい電子通貨システムの概要である。

暗号通貨が従来の通貨と違うところは、発行にも管理にも国が関与しないという点だ。一連のルールに従った分散型コンピューティングによって、

信頼された第三者を介することなく、端末間でやりとりされるデータに嘘がないことを保障する。

この一見ささいなアイデアが火種となり、コンピューターの世界を興奮と不安とイマジネーションで燃え立たせ、さらにはビジネス、政治、プライバシー、社会開発、メディア、ジャーナリズムなどのあらゆる分野に燃え広がった。
「ついに来た、という感じでしたね」そう語るのは、かつて世界初の一般向けウェブプラウザ「Mosaic]を開発したマーク・アンドリーセンだ。
「こいつは天才だ、ノーベル賞に値するぞ、と騒がれています。これこそインターネットがずっと求めつつ得られなかった分散型信頼ネットワークなんです。」
神ではなくただの人間が、冴えたプログラムによって、信頼を創りだす。このことはいったい何を意味するのだろう。いまやあらゆる分野の賢明な人たちが、それを理解しようと努めている。こんなものはかつて一度も存在しなかった。複数の当事者のあいだで直接取り交わされる、信頼された取引。それを認証するのは多数の人々のコラボレーションであり、その動力源は大企業の儲けではなく、個々の小さな利益の集まりだ。

神ほど全能ではないにせよ、このしくみはとんでもない力を秘めている。本書ではこれを「信頼のプロトコル」と呼びたい。・・・・。


コー
< 信頼された第三者を介することなく、端末間でやりとりされるデータに嘘がないことを保障する > このことの重大さがまだまだ分からないな、俺は。 


山田
私だって全然わからないんです。この本のカバーに <世界経済に将来、もっとも大きなインパクトを与える技術が誕生した。人工知能でも、自動運転車でもない。IoTでも、太陽エネルギーでもない。

それは、「ブロックチェーン」と呼ばれている。>と書かれているんです。

だから、これはちょっとわたしもこれからいろいろ調べていきたいんです。



小林
またいろいろ教えてください。


山田
いえいえ、教えてもらわなければならないのは、こちらのほうです。よろしくお願いします。


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9.11について <羊毛刈り>とは その4

2017年12月16日 | 日記
とあるスナックで

コー
ドイツの第一次世界大戦後のハイパーインフレの時、当時の政府は中央銀行にもうこんなめちゃくちゃな政策はやめてほしいとお願いしたが、ダメだったみたいだな。聞き入れてもらえなかったらしい。当時、中央銀行の総裁を解任する権限は、政府にも議会にもなかったということだ。

これが<中央銀行の独立>という意味だと思う。けっして、暴走する政府の経済政策をチェックし糺すのが、本当の意味ではなかったということだと思う。

次に、日本の<バブルと崩壊>という巨大な巨大な<羊毛刈り>を考える前に、もう一度この部分を読んでみたいと思う。

G・エドワード・グリフィン著 <マネーを生み出す怪物 連邦準備制度という壮大な詐欺システム> P-325

なぜ「権力を持つ人々」がこの本{コー注:(悲劇と希望)}を弾圧したがったのかを理解するには、この後の文章を注意深く読んでいただきたい。クイグリー博士は世界金融におけるこのネットワークの目標について述べている。

・・・・民間による金融支配の世界システムを創出し、これによって各国の政治システムと世界経済全体の支配を可能にすること。このシステムは、頻繁に私的会合や話し合いをおこなって秘密合意を形成し協調行動をとる世界の中央銀行によって、封建的に支配されることになる


各中央銀行はイングランド銀行のモンタギュー・ノーマン、ニューヨーク連銀のベンジャミン・ストロング、フランス銀行のシャルル・リスト、ライヒスバンクのヒャルマール・シャハトらの手で操られ、国債をコントロールし、外国為替レートを動かし、経済活動の水準に影響を及ぼし、企業家にはビジネスの世界で事後的な経済的報酬を与えて影響力を行使することにより、国の政府を支配しようと図った。

これが「権力を持つ人々」が一般人に知られたがらない情報だった。
クイグリーがこのグループを「ネットワーク」と呼んでいることに注意していただきた。この言葉の選択は適切で、国際金融関係者の力を理解するうえでも重要である。クイグリーの言う「ネットワーク」は秘密結社そのものではない。ネットワークは秘密結の指示を受け、結社のメンバーが要所を固めている。しかしネットワークにはこの隠れた支配を全く知らないか、ほとんど気づいていない人々がおおぜいいることは確かだろう。どうしてそんなことが可能なのかを説明するために、秘密結社の成り立ちや発展を見ることにしよう。
・・・・・・・。


小林
日本の<バブルと崩壊>に重要な役目を果たしたと思われる、日銀の<プリンス>たちも、この
ネットワークの一員でしょうね。


コー
おれはそう思う。でもクイグリーが言っているように、このネットワークの隠れた支配をまったく知らないし、気づいていないのだろう。ましてや秘密結社なんて想像すらできないんだと思う。

日本が戦後、めざましい発展を遂げGDPが世界3位だいや2位だと言って、世界中がびっくりしているとき、
日本国内でも、日本は戦争でアメリカに負けたけど、経済では日本はアメリカに勝ったと言っているとき、
日本の企業がエンパイヤーステートビルやロックフェラーセンターの買収をしたとき

彼ら、、金融の<ネットワーク>は決めたんだな、こんな日本を潰すと。

その一番の理由は、日本の当時の日銀は、政府と協力して経済政策をいろいろやっていたということではないだろうか、かつてのドイツのように。
これは彼らの<ネットワーク>の指示が及ばないということだと思う。

これを変えたかったんだと思う。日銀をもっと独立させて、政府や議会から影響されずに、自分たちの<ネットワーク>の指示で動きやすいようにするために。日本の経済や金融政策を<ネットワーク>の思い通りに支配するために。

これは彼らにしても大変な作業だったんだなおそらく。日本に爆弾を落として破壊するわけにもいかないからね、本当はそれができれば彼らからすれば、手っ取り早いし時間もはやく日本を破壊できたんだろうけど、そうもいかなかったんだろう。だからあらゆる手立てを使って<破壊>したんだろう。

そして時間はかかったけど、見事に成功したわけだ、見事に。<プラザ合意>から始まったのかな、具体的な破壊は。

残念だけど見事に成功したんだな。なにしろ<破壊>された日本国民自身が<破壊>されたという自覚がないんだな。これこそ見事というほか、ないじゃないんだろうか。

ただひとり大きな声で叫んで訴えていたのが、リチャード・A・ヴェルナーだったんだと思う。日本は<破壊>されたんだと

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9.11について <羊毛刈り>とは その3

2017年12月15日 | 日記
とあるスナックで

小林
では続きを読んでいきましょう。宋 鴻兵 著<通貨戦争> P-244

だが、シャハトの論旨はまったくつじつまが合わない。

ヴァイマール共和政を崩壊させた「通貨戦争」

マルクはいかにして崩壊したのだろうか。一言でいえば、ある通貨を崩壊させるもっとも簡単な方法は大量に通貨を発行することである。そして、大量に発行するには3つの方法がある。第一に中央銀行が自ら大量の通貨を発行することである。第二に、プライベート銀行が余分に信用と通貨を創出する。第三に、通貨の投機筋が大規模な「空売り」を行うことで大量に通貨を発行すると同様の硬貨を作る。ドイツ帝国銀行が1922年5月に国際銀行家に移管されてから、この三種類の大量発行が同時に行われた。
だが、ドイツ帝国銀行が大規模に紙幣を発行したのは事実であるが、それは政府の外債返済と財政難の解決のためではなかった。
次にプライベート銀行の通貨供給によるハイパーインフレへの影響はどうだろうか。

1921年11月、 マルク対米ドルの為替レートは330対1
1922年1~5月、 マルク対米ドルの為替レートは320対1
1922年5月26日、ドイツ帝国銀行の私有化
1922年12月、マルク対米ドルの為替レートは9千対1
1923年1月、ルール危機が勃発、マルクは暴落。マルク対米ドルの為替レートは4万9千対1
1923年7月、マルク対米ドルの為替レートは110万対1
1923年11月、マルク対米ドルの為替レートは2兆5千憶対1
1923年12月、マルク対米ドルの為替レートは4兆2千億対1
1923年、物価は平均して毎日2倍に値上がりした


{コー注:当時のドイツの人々はどうやって生活していたのだろう。誰が利益を得、誰が不利益をこうむったのだろう}

このころには、マルクは完全に崩壊していた。マルクが投げ売りされるなか、ハイパーインフレが出現した。多くのプライベート銀行は金や外貨を裏づけとした自社通貨を発行し始め、帝国銀行がいくら紙幣発行量を増やしてもプライベート銀行が発行した通貨総額においつかなかった。シャハトの統計によれば、当時ドイツで流通していた通貨のうち、約半分はプライベート銀行による過剰な通貨発行であった。

三番目の「空売り」はいちばんわかりがたく、かつ致命的な要因だった。
投機筋がシステマチックに大規模な空売りを仕掛けることで、マルクを暴落させ、通貨を大量に発行することと同様の効果をあげた。

国の通貨そのものを空売りするにはいくつかの要素が必要だ。まず、その通貨には明らかな内政的問題があること。当時のドイツはこの条件にぴったりはまっていた。
第一次世界大戦後、ドイツが戦争賠償のための外貨を必要とし、大きな外債プレッシャーに直面していただけでなく、またマルク自体にも明らかな欠陥があった。これはアジア金融危機の際、荷重な外債を抱えた「アジア四つの小さいドラゴン」(シンガポール、香港,台湾と韓国)に似ている。外債を返済するためには米ドルが必要であった。通常では、この問題は、増税や一時的に生活レベルを引き下げるなどして、経済主体が自助的に調整し次第に解決することができる。しかし、通貨の投機が広範囲に集中的かつ突然に行われた場合は、通貨の価値に大きな影響を与えることになる。しかも、この通貨投機は合法的な行為とみなされる。投機プロセスにおいて、ある国の通貨を事前に大々的に空売りし、しかもこの通貨自体に問題があれば、投機家は最終的に莫大な利益をえられるのである。

では、空売りはどのように行われるのであろうか。通貨投機筋が空売りを行う際には、実際に現物を所有していないにもかかわらず所有している振りをする。
一定期間空売りをして、通貨が大幅に下落した後、彼らは安い価格で市場から貨幣を大量に買い戻し、「所有している振り」を実際の所有にするだけで、巨額の利益を獲得できる。この意味で、投機筋は実際に所有していない「所有通貨」を投げ売りする際に、一定の時間その通貨を創出する権限を獲得したことになる。通貨投機筋は、国家の通貨が弱った時に、一斉に大規模な空売りという強烈な「自己実現」を行う。空売りされた通貨は自由落下のように価値を暴落させ、ひどい場合は通貨危機となり、さらにその通貨危機が連鎖反応を起こし、恐慌を誘発し、本位通貨が投げ売りされ、外貨が買われ、より大規模な空売りが発生する。

通貨が暴落するなかで投機筋が獲得する巨額の利益は国の生産者や預金者が長年に蓄積した財産であり、このため社会生産と経済活動が壊滅的な打撃を受けることになる。

この時、、いわゆる自由主義者たちは、すべての過ちが政府の通貨政策によって発生したと非難し、投機筋が引き起こした重大な災いを見落としてしまう。

1923年のドイツのハイパーインフレは、後年1997年のアジア金融危機と酷似していた。アジア金融危機は、本位通貨システムと国内経済に重大な内在的欠陥が存在し、通貨システムが崩壊寸前にあり、本位通貨が急激に下落し、社会財産がインフレに巻き上げられ、国家経済基盤が崩壊した。だが、両者の違いは、ドイツ帝国銀行は通貨投機を抑制せずに投機筋を容認したことであった。国際銀行家たちのプライベート銀行が発行した通貨流通量の半分ほどを占める通貨は、まさに火に油を注ぐ結果となった。

歴史が驚くほど酷似するのは、理由がある。同じグループが歴史を繰り返すからだ。今日のソロスとその背後の国際銀行家たちと、1923年にマルクを崩壊させた通貨投機筋は、同じ家元から出た弟子たちである。

ヴァイマール共和政の財産は一年間で一つ残さずに奪われ、ドイツの中産階級は没落していった。すべてを失った怒りと戦後に受けた屈辱は、激しい復讐の怒りをドイツ人の心のなかに湧きあがらせた。この時のドイツはまるで乾ききった薪のように、火種をまつのみであった。



コー
壮絶な<羊毛刈り>だな。<羊毛刈り>なんてもんでなくまさしく<通貨戦争>なんだな。

1929年の<世界大恐慌>も、日本の<バブル崩壊>も、<アジアの通貨危機>もおなじ構図なんだろう。



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9.11について <羊毛刈り>とは その2

2017年12月12日 | 日記
とあるスナックで

小林
宋 鴻兵 著<通貨戦争>のp-241にはこう書かれています。

1922年ドイツ中央銀行の<独立>

1922年から1923年に起きたドイツのハイパーインフレは、西側諸国の教科書では「政府の通貨システム支配の失敗による典型的な人災」として紹介されている。銀行家が通貨発行権を支配するということは「責任を課せられ」、「安全を保障する」ことである。しかし、その実、銀行家と彼らが支配する中央銀行は、ドイツにハイパーインフレを起こした黒幕であった。

ドイツ帝国銀行は、1876年に創設された民間所有のドイツの中央銀行であったが、ドイツ皇帝と時の政府の意向を大きく受けていた。帝国銀行の総裁と理事はすべて政府の要職が担当し、皇帝が直接に任命する終身制であった。中央銀行の収益は民間株主と政府に配当されるが、株主は中央銀行の政策決定権を有していなかった。

これはイングランド銀行や、フランス銀行、アメリカ連邦準備銀行と明らかに異なり、ドイツ特有の中央銀行制度であり、通貨発行権は最高統治者のドイツ皇帝にしっかりと握られていた。ドイツ帝国銀行創設後のマルクは非常に安定し、ドイツの経済成長を大いに推進し、金融制度が立ち遅れた国家が先進国を追い越す成功事例となった。

{コー注:このドイツの中央銀行制度を日本は戦争中、そして戦後高度成長期に取り入れたと思われる}

ドイツ敗戦後の1918年から1922年の間も、マルクの購買力は依然として堅調であり、インフレは英米仏などの戦勝国と比べてもさほど差はなかった。焦土と化した敗戦国でありながら、ドイツ帝国銀行の通貨政策がこれだけのレベルで維持され、効果を上げたことは称賛されるべきことであった。

敗戦後、戦勝国はドイツの中央銀行に対するドイツ政府の支配権を完全にはく奪した。1922年5月26日、ドイツ帝国銀行の「独立性」を確保する法律が制定され、中央銀行はドイツ政府の支配から抜け出し、政府の通貨政策支配権も完全に廃止された。ドイツの通貨発行権は、ウォーバーグなどの国際銀行家を含む個人銀行家に移譲された。

近代史上もっとも深刻なハイパーインフレが発生した要因はここにあった。ハイパーインフレの原因は、当時のドイツ首相ヴィルヘルム・クーノがフランスとベルギーによるルール地方の占領に対処するため、大量の紙幣を発行したからだ、というのが西側の多くの方であった。

しかし、この説ではどう考えてもうまく説明できないのである。

第一に、政府が限度を超えた紙幣を発行したのだろうか。そうではない。中央銀行が私有化されたのは1922年5月である。それに対し、ルール地方が占領されたのは1923年1月である。

すなわち、大量に紙幣を発行したのは国際銀行家に支配されてからの中央銀行であった。

第二に、財政危機救済のために大量の紙幣を発行したのだろうか。
それも違う。
ドイツの財政は確かにルール地方が占領されたことで大きな打撃を受けたが、中央銀行が「通貨自殺」をしてまで解決するほどのことはなく、それにこの方法では何の問題も解決できないのである。クーノ首相には多くの選択肢があったはずである。彼はかつてハパグ社の総裁を務めたことがあり、また中央銀行理事のマックス・ウォーバーグもハパグ社の理事であった。ウォーバーグ銀行はウォール街屈指のクーン・ローブ商会と良好な関係にあり、マックスとポール兄弟は商会のシニアパートナーであった。そのポールはアメリカ連邦準備銀行の実際の支配者でもあった。このような背景のなかで、ドイツ政府が国際銀行家にハイリターンの特殊国債を発行するか、あるいはマックスが代表するドイツ中央銀行から弟のポールが代表する連邦準備銀行に「国際援助」を申し入れれば、ルール地方問題による一年ほどの財政難は難なく乗り越えられるはずであった。

第三は、戦争賠償金支払いのために大量の本位通貨を発行して外債の償還負担の軽減と免除を狙ったのだろうか。
それも不可能である。
「ヴェルサイユ条約」では金、ポンドまたは米ドルで戦争賠償金を支払うことが明記されていた。となると、大量に本位通貨を発行してもまったく無意味なことであり、しかも本位通貨が多ければ多いほど外貨との両替は難しくなる。これはアジア金融危機の際に、タイが発行した本位通貨であるバーツでドル建て外債を返済することができなかったのと同じ理屈である。

ドイツ帝国銀行総裁シャハトは1927年に出版した著書「ドイツ・マルクの安定」の中で、次のような解釈を示した。伝統的な自由主義経済学者であったシャハトは、ハイパーインフレはドイツ政府が主導したもので、帝国銀行は権限範囲以内でインフレを抑制したが、解決することはできなかった。

当時の帝国銀行は、ルール地方がフランスに占領されている限り、外債総額は確定できず、一方のドイツ政府はじゅうぶんな歳入がないため、通貨を安定させるためのいかなる措置も役に立たない、と考えていた。そして、帝国銀行が狂ったように紙幣を発行したのはドイツ政府を救うためであり、政府のために新しいマルクを発行したのである。敗戦したドイツを存続させるためには帝国銀行の通貨発行権を借りざるを得なかった。当時のドイツは死活問題に直面していたため、中央銀行は独自の通貨政策を維持できなかった、というのがシャハトの解釈だった。
だが、シャハトの論旨は全くつじつまが合わない。

・・・続く・・・



コー
時々教科書で、あの時のドイツのハイパーインフレは多額の賠償金を払うために起きたという記述があるけど、常識で考えてほしんだ。戦勝国が敗戦国からその国の通貨で賠償金を受け取るのかい。物を売ってくれる人で、喜んで敗戦国の通貨で売ってくれる人がいるんだろうか。今にも潰れそうな国の通貨をだれが受け取るんだろうか、敗戦国以外で。



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